「ルフィの子供たち」週刊SPA!編集部

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狛江市の強盗殺人をはじめとして、ルフィ事件の実行犯について取材した本である。実行犯の周囲に「昔はどんな人だったか」と聴いて回った本である。この手の取材はバカバカしいのも確かであるし、小さい頃のエピソードと後年の犯罪を結びつけて心理分析するのが正しいとも思えない。とはいえ、この本をざっと読んでみると、実行犯たちにかなり単純な共通点があるのは確かである。まず、当たり前すぎることとして、借金がある。消費者金融に借金があったり、あるいはそこまでの厄介な借金がなくても、普段から金遣いが荒い。金銭感覚がまったくないのである。当たり前の当たり前であり、金銭的に困窮してない人が闇バイトに応募するわけがない。「借金があるから闇バイトに応募」というのは身も蓋もない現実だが、列挙されたエピソードを眺めつつ再確認した次第である。また、実行犯のほとんどは低学歴なのだが、だいたいは付き合っている異性がいて、同棲して孕ませて子どもまでいたりする。一言で言えばヤンキーということだが、男と女というよりは、オスとメスである。彼らは社会的な劣等感や挫折感はあっても、異性への引け目がない。オスとメスとして動物的にくっついて恋人や子どもは作るような生命力がある。つまり、実行犯たちは非モテではない。非モテという人種は、異性に高望みしてこじらせたりしてるわけだ。モテるモテないというのは、異性への理想の高さも関係しているし、闇バイトの実行犯は非モテの発想とは真逆で、とにかく手近で済ませる。それだけなのである。理想の異性が現れるまで待っているなんてことはない。こういう生命力が、プラスの方向に行けばいいのだろうし、女を孕ませて子どもが出来たら仕事を頑張るという更生の仕方もあるだろう。ヤンキーだったら闇バイトをやるという単純な等式ではあるまい。金遣いの荒さが治らないヤンキーが闇バイトに応募する、というつまらない結論になりそうである。このグループは、狛江市の事件ばかり注目されるが、時計店襲撃事件では頭部を殴られた男性が脳挫傷でずっと意識不明の重体であるらしい。かつてのサラ金の頃だと、自殺させて生命保険金で返させていたが、最近は闇バイトで強盗をやって返済するのだろうか。ともかく借金は抱えているわけで、そういうヤンキーに「闇バイトはやめましょう」と言って意味があるのかわからない。闇バイトを踏みとどまっても借金は消えない。そもそも古今東西、カネに困った人間が犯罪というのは普通だし、少し前までなら暴力団組員になっていただろう。金目当ての犯罪という当たり前の行為の元締めが変化しているだけとも言える。
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