P.S.彼女の世界は硬く冷たいのか? 作:へっくすん165e83
ホグワーツの生徒が待ちに待ったクィディッチの試合の日がやってきた。
今日はグリフィンドール対スリザリンの試合が行われる。
魔法使いのクィディッチ好きはかなりのものらしく、なんと今日は授業が行われない。
つまり全校生徒、教員までもがスタジアムでクィディッチの試合を観戦できるというわけだ。
そんな中、私はいつも以上に騒がしい大広間でソーセージを齧る。
私の横ではハーマイオニーがハリーにトーストを勧めていた。
「ほら、何か食べないと」
「食欲が無いんだ」
「トーストをちょっとだけでも、ね?」
ハーマイオニーはいつも以上に優しい声色で言う。
だがハリーは食欲が無いを通り越して体調が悪そうでもあった。
「気負いすぎよ。負けても死ぬわけじゃないんだし」
私はそう言って皿に山盛りにしたソーセージを頬張る。
ハリーはその様子を忌々しげに見た。
「簡単に言わないでよ。サクヤはスタジアムに立たないじゃないか」
「あら、わかってるじゃない。私と違って貴方はスタジアムに立つのだから力をつけておかないといけないのよ」
私は皿に盛ってあるソーセージをフォークで突き刺すと、ハリーの口に押し込む。
ハリーは苦虫でも噛み潰すかのように咀嚼すると、無理やりソーセージを飲み込んだ。
試合時間が近くなってきたので、私とロンとハーマイオニーはクィディッチのスタジアムへと移動した。
クィディッチで使用するスタジアムのゴールは変わった形をしており、大きな輪が付いた金の柱が双方三本ずつそびえ立っている。
客席も地面からかなり上のほうにあり、飛び回る選手がよく見えるようになっていた。
「さあ、いよいよ始まるぞ」
ロンがグラウンドの端を指さしながら言う。
その言葉通り、グリフィンドールとスリザリンの選手が入場してきた。
スタジアムが歓声で包まれる。
グラウンドの中央には審判であるフーチが立っており、その足元にはクィディッチで使用するボールが納められた箱が置いてあった。
「さあ、正々堂々戦うように!」
フーチは各寮の選手が集まったのを確認すると、ホイッスルを口に咥える。
それが合図かのように、選手たちは箒に跨った。
甲高いホイッスルの音色とともに、フーチはクアッフルを力いっぱい宙へと放り投げる。
それを追いかけるようにして選手たちは空へと飛びあがった。
試合開始だ。
『さてクアッフルが投げられ試合開始です! 最初にクアッフルを取ったのはグリフィンドールのアンジェリーナ・ジョンソン! 素晴らしいチェイサーであり、同時に魅力的でも──』
『ジョーダン!』
スタジアムに実況放送が響き渡る。
実況をしているのはフレッド、ジョージとよく一緒にいるリー・ジョーダンだ。
その横ではジョーダンが変なことを言わないようにマクゴナガルが監視していた。
『失礼しました先生。ジョンソン選手が縦横無尽にスリザリンの選手を躱していきます。おっと、ここでスピネット選手にパス! あぁ! スリザリンのキャプテンであるフリントがクアッフルを奪いました!』
選手たちは縦横無尽にスタジアムを飛び回る。
クアッフルは何の魔法も掛かっていないただのボールだが、選手たちの華麗なパスやシュートによってまるで生きているような動きをしていた。
もっとも、魔法が掛かっているボールはそれ以上だが。
『あいたっ! これは痛い! ブラッジャーがベル選手の後頭部を直撃! クアッフルはスリザリンの手に渡ります』
ブラッジャーはスタジアムを不規則な動きで飛び回るソフトボールほどの大きさの鉄球だ。
ブラッジャーには選手を叩き落そうとする魔法が掛けられており、標的を見つけては軌道を変え、選手に襲い掛かる。
スニッチと比べ急な方向転換はできないらしく、飛んでくるのがわかっていれば避けるのはそこまで難しくはない。
だが、それは飛んでくるのがわかっていればの話だ。
死角から飛んできたブラッジャーに気づくのが少しでも遅れると、たちまちブラッジャーの餌食となってしまう。
そのブラッジャーからチームメイトを守るために、各チームにはそのブラッジャーを追いかけて、敵チームに打ち込むビーターと呼ばれる選手が二人いた。
ビーターがブラッジャーを打ち合うことによってブラッジャーは更に変則的な動きとなるのだ。
「なんで鉄球なのよ。下手したら死人が出るわ」
私はチェイサーを必死に目で追っているロンに聞く。
ロンはクアッフルを見失うまいと必死に目で追いながら答えた。
「当たっても痛くなかったら誰も避けようとしないだろ? それに、すごい勢いで打ち込まれるから柔らかい素材だと壊れちゃうんだ」
「いや、そこを魔法で何とかしなさいよ」
私が一瞬目を離しているうちに、観客席がどっと沸く。
どうやらグリフィンドールが先取点を決めたようだった。
「ちょいと詰めてくれや」
聞き慣れた声がしたかと思うと、私の横にハグリッドが現れる。
私はロンとハーマイオニーを押し込み、ハグリッドが座れるよう観客席に場所を空けた。
「小屋から見ておったんだが、客席で見るのはまた違うのでな。スニッチは現れたか?」
ハグリッドは首からぶら下げた大きな双眼鏡をポンポンと叩きながら私に聞く。
「どうなのかしら……私はまだ見つけてないけど。でもハリーは暇そうにしているし」
私は上のほうを旋回しているハリーを指さす。
ハグリッドはその方向に双眼鏡を向けた。
「シーカーは狙われるからな。スニッチが見つからん限りどこかに逃げといたほうがええ。チームから離れたほうがビーターに攻撃されにくい」
確かに、ビーターの仕事は相手チームの妨害だけではない。
自分のチームをブラッジャーから守らないといけないため、シーカーだけを攻撃するためにチームから離れるわけにもいかないのだ。
「なるほど。あれも作戦ってわけね」
私は上空を旋回するハリーをじっと見る。
次の瞬間、ハリーは地面に向けて急降下を始めた。
『おっと! グリフィンドールの若きシーカー、ハリー・ポッター選手がスニッチを見つけたようです! 物凄い勢いで急降下し──ぶつかっ──いや、地面スレスレを飛んでおります!』
私は物凄い速度で飛ぶハリーの前方にじっと目を凝らす。
一瞬金色に光る何かが見えたような気がしたが、すぐに見失ってしまった。
「スニッチってあんなに速いの?」
「速いだけじゃない。スニッチは急停止、急旋回を繰り返す。並の箒乗りじゃ見つけることも叶わんわい」
ハグリッドは双眼鏡から目を離してハリーを肉眼で追っている。
流石にあそこまで速いものを双眼鏡で追うのは無理だ。
ハリーはスリザリンの選手の妨害を掻い潜り、スニッチに肉薄する。
ハリーが宙に手を伸ばした瞬間、ハリーの箒が大きく横に振れた。
「ん? どうしたのかしら」
風に煽られたのかと思ったが、その後もハリーの箒は急にジグザグに動いたり、急停止したりと、挙動が落ち着かない。
「いったいハリーは何をしとるんだ?」
ハグリッドも異変に気が付いたのか、双眼鏡をハリーのほうへ向ける。
「ハリーに限って箒のコントロールを失うなんてことはないだろうし……」
「体調が悪いのかしら。今朝も殆どご飯を食べてなかったし」
極端な空腹時は乗り物酔いしやすいらしい。
急旋回のしすぎで目を回したのだろうか。
いや、それにしては動きが変だ。
まるで箒が意思を持ってハリーを振り落とそうとしているように見える。
「スリザリンの誰かが妨害してるんじゃ──」
「そんなことはありえん。箒に悪さをするには強力な闇の魔術でないと無理だ。それにハリーが乗ってる箒はニンバス2000。チビどもなんぞには手出しできん」
それを聞いてハーマイオニーは何かに気が付いたのか、ハグリッドの双眼鏡をひったくると観客席のほうを見まわし始めた。
「どうしたんだハーマイオニー……」
ロンは顔を真っ青にしてハーマイオニーに聞く。
ハーマイオニーは何かを見つけたのか、小さい声で呟いた。
「思った通りだわ……向かいの席」
私はハーマイオニーから双眼鏡を受け取ると、彼女が指さしている方向を見る。
そこにはハリーのほうを凝視しながらブツブツと何かを呟いているスネイプの姿があった。
「何かを呟いているわね」
それを聞いてロンは私から双眼鏡を奪い取った。
「呟いてるって誰が?」
「ほら、そこ。スネイプよ」
ハーマイオニーはまっすぐスネイプのほうを指さした。
「多分、箒に呪いを掛けてる」
ハーマイオニーは確信めいて言う。
私はロンから双眼鏡を奪い返し、スネイプのほうを見た。
「確かに、何か魔法を掛けているようには見えるけど……」
「だとしてもどうすりゃいいんだ?」
「私に任せて」
ハーマイオニーは言うが早いか姿勢を低くして観客席を移動していく。
ハーマイオニーは意外とすばしっこく、その動きは猫を思わせた。
「どうするつもりなんだろう?」
ロンは心配そうにハリーを見つめながら言った。
「もし本当にスネイプがハリーに呪いを掛けているのだとしたら、一瞬でも気を逸らすことができたらそれでいいはずよ」
「なるほど、じゃあスネイプの野郎を客席から叩き落してやればいいわけだ」
別にそこまでする必要はないが、スネイプを妨害してハリーの箒が落ち着いたら本当にスネイプがハリーの箒に呪いを掛けていたことになる。
ホグワーツの教員がこの衆人環視のもとそんな行為に及ぶとは思えなかった。
ハーマイオニーは時にレイブンクロー生の間を縫い、時にクィレルを突き飛ばしてスネイプのもとまでたどり着く。
そしてローブから杖を取り出すと、杖の先から青い炎を出し、スネイプのローブの裾に点火した。
「うわ、えぐっ」
まさか呪いを止めるために人に放火するとは思わなかった。
十秒も経たないうちにスネイプはローブに火がついていることに気が付く。
スネイプはハリーから視線を外し、燃えている自分のローブの裾を足で何度も踏みつけた。
その瞬間、ハリーは箒のコントロールを取り戻し、一直線に地面に向けて急降下を始める。
「嘘でしょ……」
まさか本当にスネイプがハリーの箒に呪いを掛けていたのか?
私は双眼鏡でスネイプの顔を見る。
スネイプは焦ったような表情で慌ててハリーを目で追っていた。
焦っている? 一体何に?
次の瞬間スタジアムが爆発したと錯覚するほどの歓声が沸き起こる。
慌ててグラウンドを見ると地面に軟着陸したハリーが金のスニッチを掲げていた。
『ハリー・ポッターがスニッチをキャッチ! グリフィンドール百五十点得点で試合終了ーッ!! 百七十対六十でグリフィンドールの勝利です!』
リー・ジョーダンによる実況がスタジアムに響き渡る。
唸るような歓声の中、私は一人先程のことを考えていた。
スネイプを妨害したら本当に箒は落ち着いた。
まさか本当にスネイプがハリーの箒に魔法を掛けていたとでもいうのだろうか。
「サクヤ、ロンを連れてハグリッドの小屋に来て。私はハリーを連れてくるわ」
いつのまにか観客席に戻ってきていたハーマイオニーがハグリッドを押し退けるように顔を出す。
「おまえさん、俺の小屋を秘密の談話室かなんかと勘違いしとりゃせんか?」
「ハグリッド、貴方にも聞いて欲しいの」
ハーマイオニーはそう言うと、また観客席からいなくなる。
しばらくするとグラウンドで揉みくちゃにされてるハリーを無理矢理更衣室の方に引っ張っているハーマイオニーの姿が確認できた。
「うわーお。ハーマイオニーってパワフルだよな」
ロンが半ば呆れながら竦める。
「あの様子だと私たちの前にハグリッドの小屋にたどり着きかねないわね。私たちも行きましょう?」
「俺はまだいいとは一言も──」
「え? 私たち、ハグリッドの小屋に遊びに行っちゃダメですか?」
私はショックを受けた表情を浮かべてハグリッドに訴える。
ハグリッドは私の様子を見て慌てて手をパタパタと振った。
「いやそんな、そんなことないぞ。いつでも遊びに来てええ」
「じゃあ今から行きますね。一緒にいきましょう」
私はハグリッドの肩をポンと叩くと観客席から立ち上がる。
ハグリッドは釈然としていない顔をしていたが、私が振り返ると慌てて観客席を立ってこちらに歩いてきた。
「ハーマイオニーも大概だけど、サクヤもサクヤだよ」
ロンが立ち上がりながら何か言った気がしたが、聞こえなかったことにしてハグリッドの小屋へと急いだ。
「スネイプだったんだよ」
ハグリッドの小屋で熱い紅茶をご馳走になりながら、ロンがハリーとハグリッドに説明した。
「スネイプは君の箒をじっと見つめながらずっと何かを呟いてた。きっと呪いを掛けていたに違いない」
「馬鹿な、なんでスネイプがそんなことせんとならん」
ハグリッドは私たちがアレだけ横で騒いでいたにも関わらず、全く気がついていなかったらしい。
だが、ハグリッドの言うことももっともだ。
ハグリッドからしたらスネイプがそんなことをする理由がない。
ハリーは自分の考えを正直に言おうと決意したのか、私たちに目配せした。
「ハグリッド、スネイプは今足を怪我しているだろう? あれはケルベロスにやられたんだ。あの四階廊下にいる三頭犬の。僕ら、スネイプがあそこで守られているものを盗もうとしたんじゃないかって思ってるんだ」
ハリーの告白に、ハグリッドはティーポットを落とす。
私は咄嗟に床に落ちているクッションを蹴り、ティーポットの下に滑り込ませた。
まっすぐと落ちたティーポットは私の思惑通りにクッションの上に着地する。
私はほっと一息つくと席を立ってティーポットを拾い上げた。
「あっつ!」
あまりの熱さに私はティーポットを取り落とす。
ティーポットは今度こそ床と激突し、中身を盛大に溢しながら粉々に砕けた。
「サクヤ、おまえさん何をやっとるんだ?」
ハグリッドはポカンとした表情をして私に水で濡れたテーブル拭き用の布を手渡してくる。
私はそれで手を冷やしながら杖を取り出した。
「ごめんなさい。話の続きをしてて。レパロ」
私は床に散らばるティーポットの破片に修復呪文を掛ける。
するとティーポットはたちまち元通りの形を取り戻した。
「スコージファイ」
私は続けて床に清めの呪文を掛ける。
床を濡らしていた紅茶はたちまち消え去った。
「まあ何にしてもだ。どこでフラッフィーのことを知ったかはわからんが、スネイプがそんなことするわけなかろう」
「でも、私はっきり見たわ。スネイプは確かにハリーの箒に魔法を掛けてた。瞬き一つしていなかったのよ!?」
ハーマイオニーは机から身を乗り出し、ハグリッドに叫ぶ。
ハグリッドはハーマイオニーのあまりの剣幕に若干威圧されていたが、自分の考えを曲げなかった。
「お前さんらは間違っとる。俺が断言する。ハリーの箒がなんであんな動きをしたかは俺にはわからんが、スネイプは生徒を殺そうとはせん! いいか、よく聞け。おまえさんらは危険なことに首を突っ込んどる。あまりにも危険だ。いいか? あの犬のことも、犬が守っとるもののことも忘れるんだ。あれはダンブルドア先生とニコラス・フラメルの──」
「ニコラス・フラメルね」
私は机の上に空のティーポットを置きながらハグリッドがうっかり漏らした関係者らしき人物の名前を復唱する。
ハグリッドは余計なことを喋ってしまった自分自身に猛烈に腹を立てているようだった。
「何にしてもハリー。ハグリッドさんの言う通りよ。スネイプ先生が盗もうとしているかはさておき、ダンブルドア先生が守りに関わっている以上、私たちに出来ることは何もないわ」
「そうだ。心配いらん。おまえさんらは授業に集中せえ」
ハグリッドはそう言うとこれ以上余計なことを漏らさないように私たちを小屋から追い出しにかかる。
私たちはハグリッドに別れの挨拶をすると、城に向けて校庭を歩き出した。
「さて、多分フラッフィーが守っているものにニコラス・フラメルが関係しているということは分かったわね」
私は校庭を歩きながら呟く。
「で、どうするの? ニコラス・フラメルについて調べる?」
私がそう聞くと、ハリー、ロン、ハーマイオニーの三人は当然だと言わんばかりに頷いた。
「スネイプが何かを企んでいるというのを知っているのは僕たちだけだ。少しでも情報は多い方がいい」
ハリーは少々俯きつつ、何かを考えながらそう答える。
確かに、スネイプが関係しているかどうかは抜きにしても、情報を集めておくことはいいことだろう。
何者かがフラッフィーが守っているものを盗もうとしていることは確かなのだ。
用心に越したことはない。
「じゃあ、また空いた時間を利用して図書室に通い詰めましょうか」
私がそう言うとハリーは少し驚いた顔をした。
「サクヤは反対するものだと思ったのに。ほら、ハグリッドの部屋で忘れた方がいいって言ってたじゃないか」
「出来ることがないだけで、知る必要がないとは言ってないわ。それに、あそこで何が守られているのか少し興味があるし」
私たちは城の中に入ると、談話室に向けて階段を登っていく。
ニコラス・フラメル……どこかで聞いたことがあるような気がするが、どこで聞いたんだったか。
ビンズの魔法史で聞いたのか?
いや、それだったらハーマイオニーが知っている筈だ。
授業で習ったことをハーマイオニーが忘れるはずがない。
だとしたら、何かの本で名前を見たのだろう。
フラッフィーのことを調べるにあたりかなりの本に目を通しているため、すぐに特定することはできそうにない。
だが、調べていたらいつか見つかるはずである。
私たちは肖像画の裏の穴をよじ登り談話室へと入る。
談話室の中は今日のクィディッチでの勝利に沸いていたが、私はそのまま女子寮へとあがった。
設定や用語解説
実況
クィディッチの実況はグリフィンドール生のリー・ジョーダンがマクゴナガルの監視のもと行っている。ジョーダン自体がグリフィンドール生ということもあり、グリフィンドールびいきな実況になりがちだが、その度にマクゴナガルに注意を受けている。
ブラッジャー
現在は鉄製だが、昔は石に呪文を掛けて使用していた。だが砕けた破片が別々に選手を追いかけて非常に危険なため、今は砕けない素材を使用している。
ハリーのスニッチキャッチ
この時ハリーは普通に手でキャッチしたのではなく、勢い余ってスニッチを飲み込んでしまっている。
Twitter始めました。
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活動報告や裏設定など、作品に関することや、興味のある事柄を適当に呟きます。