若狭勝弁護士、福原愛さん和解は元夫側の刑事告訴「引き金に」…長男親権巡り対立

長男の親権を巡って和解が成立したことを明らかにした福原愛さん(カメラ・今成 良輔)
長男の親権を巡って和解が成立したことを明らかにした福原愛さん(カメラ・今成 良輔)
会見場を後にする福原さん(カメラ・今成 良輔)
会見場を後にする福原さん(カメラ・今成 良輔)

 卓球女子で五輪2大会連続メダリストの福原愛さん(35)は15日、東京・千代田区の日本外国特派員協会で会見に出席し、4歳の長男の親権を巡って対立していた元夫の江宏傑(ジャン・ホンジェ)氏(35)との和解が成立したことを明らかにした。長男に関しては、今後も台湾の法律に基づいて親権は共同で持ち、監護権(子供と同じ家に住み、育てる義務・権利)は江さんが持つ。「これからは江さんと協力をして、子どもを育てていきたい」と決意を述べた。

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 元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は、福原さんの親権問題について「当初から江さん側に分があった」とした。

 23年7月に、江さんへ子どもたちの引き渡しを命じる東京家裁の決定が出た。「何しろ結論が出てしまってますから。福原さんも、開き直ってなすがまま…という選択肢もあったかと思いますが、それだとこれまでの信用がガタ落ちになる」と指摘。その後、江さん側が刑事告訴。「それも和解の引き金になったと思います。泥沼化を避けるための、当然の落としどころだったのではないか」とした。

 今後については「共同親権とは言え『監護権』という具体的かつ現実的な権利がついている。名実ともに江さん側が子どもたちを育てることになる」と述べた。

 ◆監護権 親権の一部で、子どもと一緒に住むなどして世話や教育をする権利義務のこと。「共同親権」が認められていない日本では原則として親権者と同一の親が監護権も持つが、例外的に別々に定めることも可能。

 ◆福原さん親権問題の経過

 ▼2016年9月1日 結婚。17年10月に長女、19年4月に長男が誕生

 ▼21年7月8日 江氏と2日に離婚していたことを発表。2人の子どもについては、台湾で認められ、離婚後も双方が親権を持つ「共同親権」で合意

 ▼22年7月 夏休みに子どもたちに会うために台湾入り。長男を日本に連れて帰った1週間後から、江氏と連絡を絶った。面会交流期間は夏休みが終わるまでだった。

 ▼23年7月20日 福原さんに対し、東京家裁から子どもの引き渡しを命じる保全審判が出された。これにより、強制執行も可能に

 ▼同27日 江氏が日本外国特派員協会で「早く息子に会いたい」と涙ながらに会見。一方、福原さん側は代理人弁護士が会見を受けて声明を発表。江氏の主張に真っ向から反論

 ▼同8月下旬~9月 江氏は引き渡しに応じない福原さんに対し、強制執行に踏み切る。福原さんはすでに相談者の助言により、長男を連れて強制執行が実施できない中国に滞在

 ▼同10月以降 福原さんは長男と共に帰国。江氏は警視庁に刑事告訴に踏み切る

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