大広間へ向かっているのかと思ったのだけれど、まっすぐ空き教室へ連行された。
どうやら朝御飯は後回しになるらしい。
「全く、本当に、あいつらはイカれている!!!聞いてくれサルース!……あ、すまない。息は出来ているか?」
怒り心頭なドラコの早足に引っ張られるまま教室へ飛び込んだ私は現在酸欠に苦しんでいる真っ最中。
やっと振り返ってくれたドラコがそれに気付き背中を擦ってくれた。
「だ、大丈夫ですわ……スーハー……それで?昨夜何がありましたの?」
「本当にすまない。少し落ち着いたよ、驚かないで聞いてくれ、昨日の罰則の内容は『禁じられた森』での怪我したユニコーン探しだったんだ!……_」
ドラコの話では、昨晩集められたメンバーはドラコのほかに、ハリーとハーマイオニー、それからネビル・ロングボトムさんだったらしい。
そしてフィルチさんに連れられてハグリッドさんに引き渡された後、告げられた罰則内容は『森でのユニコーン探し』だったと。
その後2組に別れて森の中をランプ片手に歩き、怪物に遭遇して襲われそうになったと。
うーん……色々とダメではないかしら、これ。
「_……そして命からがら森から脱出したってわけさ。いいか?この話は一切の誇張なし、本当に起こった事しか話していない。本当に、誓ってだ!杖に誓ったっていい!」
「疑ってませんから、落ち着いてくださいな。それで、ドラコに怪我は?大丈夫でしたか?」
「手のひらを擦りむいた程度さ。何てことない!ありがとう。サルース」
怪我がないなら何よりですわ。
ハリーたちも無事だといいのだけど……
ロンじゃなくてロングボトムさんがいたって言うし彼は特に心配だ。
お世辞にも運動神経が良いとは、私と比較しても言えない感じだし。
「とりあえず、ドラコはお父様に手紙を書くことをおすすめいたしますわ。ユニコーンを傷つけられる存在が徘徊する夜の森を1年生だけで歩かせるなんて正気じゃありません……しかもそれが罰則だなんて……スネイプ教授にもひとまず抗議しましょう。それからマクゴナガル教授にも」
罰則はそれぞれ関わった先生方の判断に委ねられている。
今回はハグリッドさんのドラゴンが原因だったからか、夜間徘徊を発見し、減点を行ったマクゴナガル教授ではなくハグリッドさんの管轄とされたようだけど……森番の管轄だから『禁じられた森』で罰則をっていうのはどうなのか。
そもそも生徒にドラゴンを見つかってしまった彼の管理にも問題があったのでは……?
そして森でのユニコーンを襲った存在が生徒にも危害を及ぼしたことに対して先生方は何か手を打っていただかないと困る。
そのためにも各寮の寮監督であるお二人にも事情を説明するべきだ。
……そんな状況では私が森に探検に行くのもまだ先延ばしにした方がよさそうだ。
「そうだな、分かった。スネイプ教授に話そう。父上にも。はぁ……一息に話して喉が渇いた。朝食を摂りにいこう」
「はい、甘いものを食べた方がいいですわ」
ハリーとハーマイオニー、ロングボトムさんも広間に来ているか確認しておこう。
カラクタカスの名前を間違えておりました。
申し訳ないです、ご指摘ありがとうございます。