何年か前の夏、私と由香里はある夫婦に誘われて、海辺の貸し別荘で約1週間程を共に過ごしました。

私は夫婦交換の相手と友人関係を持てるとは思っていなかったので、笹山さんのような夫婦との出会いは期待以上のものでした。

(相手の方の仮名を笹山さんとします)
私と由香里にとって忘れられない夏の出来事を、何回かに分けて書いてみます。
笹山さん夫婦とは、互いに相手を換えた性行為を既に2回経験していました。
夫婦を交換し合った何組かの方達の中でも、笹山さんとは以前からの友人同士のような親しみやすさがあります。
夫婦交換では、相手の方と友人のような親しい関係が築けるかよりも、誠実さと正直さを感じられるかが大切だと思っていました。表側の性的趣向だけでなく、むしろ裏の性的コンプレックスの相性が合うことも必要だと感じています。
(互いに一致しているかではなく、組み合わせの相性が合うかの意味です)
私は夫婦交換の相手と友人関係を持てるとは思っていなかったので、笹山さんのような夫婦との出会いは期待以上のものでした。
互いに年齢が近いことや、趣味趣向が同じことも理由の一つかも知れません。ずっと一緒にいても気疲れせず、会話が途切れても無理に取り繕う必要の無い、心地よい関係です。
奥様の美佳さんは私より1歳年下で、いつも愛くるしい笑顔を絶やさない人でした。夫の笹山さんも会話が上手な明るい方で、いつも私達二人を和ませてくれます。由香里も私も、どちらかと言えば口数の少ない控えめな性格ですが、私達との相性は申し分のないものでした。
ですから笹山さんから海辺の貸し別荘で夏休みを一緒に過す誘いを受けた時、何も迷うことなく了承しました。笹山さんが一夏のパートナーとして私達夫婦を選んでくれたのも、同じ想いからのことでしょう。
美佳さんはピルを服用しているので、避妊具を付ける必要はありませんでした。私も由香里が妊娠する危険の無い時を選んで日程を決めました。
その頃、妻は私が夫婦交換の日を、安全日を優先して決めることに抵抗を持っていたようです。他人が妻に生の射精をすることに対する私の執着を、夫の性癖を満たすための道具にされていると感じていたのかも知れません。
由香里はその事を口にはしませんでしたが、私にはそれが解りました。そのため、別荘で過ごす日程を妻の安全日と偶然重なったように装って決めたのです。
今回、私達は夫婦交換というよりも、二人の夫と二人の妻で、4人一緒の性生活を共にすることにしました。互いの夫や妻を共有し、いつでも自由に愛し合えるのがルールです。もちろん、1人で「二人の妻」を愛しても、その逆に「二人の夫」に愛されても全てが許されるのです。
私も由香里も、既に複数での性行為(いわゆる3Pです)を経験していましたが、その頃、彼女はそれに罪悪を感じていました。しかし、今回は拒否することなく受け入れたのです。少しづつ妻の内側が変化しているのか、それとも夏の休暇が性的な束縛を解き放とうとしているのか、私は何度も心の中で身勝手な理由付けをしました。
約1週間とはいえ、限られた時間の中で過ごす一夏は、瞬く間の出来事に感じられるかも知れません。
由香里は今回過ごす夏の休日に、どのような期待を秘めているのでしょうか。
ずっと隠し続けた願いでも、夫である私に打ち明けてくれたら叶えてあげたいと思っていました。しかし彼女は恥ずかしげな笑みを浮かべ、私の問いに答えようとはしません。
僅かに見せた戸惑いの表情は、何らかの秘めた願望があることの証しなのでしょう。
私と由香里が車で別荘に着いた時、既に笹山さん夫婦は午前中から部屋の掃除をしていました。もちろん、管理人が手入れをしているのですが、夏休みの数日を二組の夫婦で気持ち良く過すための気遣いだったのです。
私達も一緒に掃除を手伝いながら様々な話がはずみます。夫婦を交換し合う数日間が部屋の掃除から始まるのも、笹山さんとの親しい関係があるからなのでしょう。
別荘のレンタル料は高いだけあって、調度品や備品の手入れも行き届いていました。寝室も二つあり、リビングの隣にあるフローリングの部屋との仕切りを開ければ広い一室として使うことも出来ます。
ここで過ごす数日間が、これからの私達夫婦にとって、どのような変化をもたらすのでしょう。笹山さんからの誘いを受けた時から、この休暇に性のモラルを持ち込まないことが暗黙のルールです。
淫らに変わる自分を受け入れようとする由香里にとっても、全ての行為を許し合う休暇での体験が忘れられないものとなるでしょう。
この数日間に背徳という言葉は無いのだから…
何にも拘束されない自由な性を由香里に感じて欲しい…
東京の日常と繋がりの切れた海辺の空間が、あらゆる性の罪を流し去ってくれる筈です。
願望を満たすだけでなく、今まで由香里が知らなかった欲望が心の奥にあることを、彼女自身に気付いて欲しかったのです。
<続きます>
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