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HSPを自称するあなたへ

(トップ画像引用元:https://hsptest.jp/
ご無沙汰しております。以前にメンタルの調子を大きく崩したときに「活動を停止する」と言った手前、正直noteを更新するのに躊躇いがありました。まあ殆どは書くネタはあるけど文章がまとまらない&めんどくさい……という、自分の頭の具合と怠け癖によるものですが。

とはいえ、近頃追っている「マルチ商法型貧困ビジネス」問題に深刻な動きが出てきていることと、自身の思考と知識の整理、そして勉強を兼ねて再び更新を再開することにしました。ちなみに「マルチ商法型貧困ビジネス」とは何か。名称自体は私自身の勝手なネーミングですが、簡単にいうと一般市民が善意あるいは個人的な感覚だけで誤ったケア、知識、団体、商品などに他者をつなげて、結果的に社会を貧困に陥らせる仕組みのことです。この話をすると本題からズレてしまうため、詳しくはまたの機会に。

というわけで本題。
ここ数年SNSなどでHSP、いわゆる「繊細さん」を自認・自称する人が増えている傾向を感じます(具体的に統計を取ったわけではないので、感覚のみの意見になることはご了承ください)。そして私は正直に申し上げて、このHSPという概念を素直に受け入れられず、またHSPを自称するあなたのような人を「自分で言うとか厚かましいし全然違うわ!」くらいの目で見ています。これもまた個人的な経験でしかないのですが、よく調べもせず考えもせずマルチ商法のセミナーに勧誘してきたり、「自閉症発達障害知的障害はこの世に存在するわけがないので、その親は一生反省してもらって」などの発言をした、職業倫理以前に人として理性の欠片もない、反医療の代名詞といっても過言ではない内海聡医師のおかしさに気づけなかったり。そんな人たちがこぞってHSPを自称していたり賛同していたりしていた経緯があるからです。HSPって他人より深く物事考えたり違和感に敏感なんですよね?いや全然できてないし自己認識おかしすぎです。

そしてネットに数多く転がっているHSP診断。設問数が10問だったり44問だったり、検査基準や質問の内容もバラバラで結果分類もサイトによってまちまちだったりします。何より冒頭にあげたサイトを試してみましたが、第1問が「他人より深く物事を考えてしまう」みたいな感じなんですが……そもそもあなた、他人の頭の中なんてわかります?比べようないですよね?他人の頭の中がわからない、考えてないように見えて実は見えない部分で考えに考えて、しかもそれを表に出さない人なんてザラにいるでしょう。一言でいうと「知らんわ!」です。それに誰ともわからない他人の頭の中を勝手に想像して、私の方が深く考えられる!とか傲慢もいいとこです。それで「いいえ」にチェックつけたら、私繊細じゃないんですってよ。納得いきません。

そこで、あなたには今一度HSPについて勉強していただきたい。なお私は介護福祉士でもあり、公認心理師(実務経験5年+現任者講習の受講で受験資格が得られるGルート、心理職とはいえない介護関係者でも合格例あり。なので何かと批判されがち)の受験勉強をしている立場から国家資格者としての倫理観・観点をもってこの記事を書きたいのですが、全く勉強が進んでいないため間違いや認識違いがあるでしょう。心理職あるいは専門家の皆様、その場合はお手数ですがご指摘お願いいたします。

ちなみにですが、公認心理師を勉強している目的は「自己実現欲求」に近いものがあるかもしれません。この辺りの話も近々投稿しようと思います。そもそも何故「自己実現欲求」で勉強してはいけないのか、全く謎です。

さて、いわゆる素人がHSPを曲解し広めることに大きな問題点があることを、HSPを自称する皆様に理解していただきたい。そんな主旨の記事を書くつもりでしたが、そりゃあこれだけ社会現象のようになっている現状、心理の専門家が研究していないわけはないのです。というわけで2,000文字以上書いた記事は以下に引用するツイートのおかげで無駄になりました、ここまでお読みいただきありがとうございました。

というわけで次にあげる記事では、HSPという概念が世間に広く浸透したことで精神的な安心感を得られる人が増えたり、これまで「生きづらい」「神経質」「めんどくさい」などネガティブに捉えらえてきた性格が、「感受性が強く他者に共感しやすい」「細かいことによく気づく」などといったポジティブな側面にリフレーミングされることによって自信が得られる。そういったHSP概念のメリットに触れると同時に、精神医学的に十分なエビデンスがないことから、様々な問題が起きていることの注意喚起がされています。

例えば、その一つが「HSP医療ビジネス」である。上述のように、HSPはうつ病や不安障害のような疾患名ではなく、自己判断に基づくラベルである。そのため、医師がHSPであるか診断・検査をしたり、治療したりはできない。しかし、昨今の「HSP現象」によって、HSPかどうかを自己判断ではなく、医師に認めてもらいたいというニーズがあるようだ。そこに目を付けた一部の精神科クリニックは、自由診療のもとでエビデンスのない脳波によるHSP診断検査や経頭蓋磁気刺激法による治療を推奨している。

「HSPカウンセラー資格ビジネス」というのもある。「HSP限定」や「HSPはカウンセラーに向いている」とうたい、数日間の講座で「HSPカウンセラー」の資格を付与する。追加料金で、さらに上級の資格も取得できる。残念ながら、筆者のような研究者からみると、資格講座は、内容の質もそうだが、内容それ自体が適切でない場合が多い。

心理臨床や精神医療の現場でも、HSPを名乗るクライエントが増えているらしい。支援につながれることはまだ良いが、問題なのはその逆の場合だ。例えば、専門家はクライエントの子どもが発達障害の傾向が強いと見立てたが、クライエントである保護者は「自分の子どもはHSPであり、障害ではない」と話す。それゆえ必要なアセスメントなどを拒み、本来必要な支援につながれない事例があるという。
(太字はnote投稿主による)

引用元:https://www.todaishimbun.org/hsp_20220119/
著者:飯村周平(いいむら・しゅうへい)日本学術振興会特別研究員PD(東京大学)19年中央大学大学院博士課程修了。博士(心理学)。19年より現職。研究に基づくHSPに関する情報サイト『Japan Sensitivity Research』を運営している。



この引用部分、太字だけでもお読みください。そしてご自身をより知りたければ、より正しい情報にアクセスできるようになってください。私が公認心理師を勉強しているのもそのためです。もちろん他の理由もありますが、またの機会にしましょう。ちなみに飯村周平先生はTwitterもされていますので、HSPをよりよく知りたい方はフォローをお勧めします。

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座右の銘は「夢に人が絡むと儚くなる」(by岡田あーみん)、使命は社会福祉学、相対性貧困の観点から母原病をはじめとする「母親責任論」の罪を暴くことです。
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