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ゴトゴト石がゴトゴトしなくなっている――。押すと揺れるのに落ちそうで落ちないことから、合格や当選祈願に訪れる受験生や政治家らのパワースポットになっている高知市土佐山桑尾の巨岩「ゴトゴト石」が、揺れなくなっていることがわかった。現場にジャッキなどが放置されていたといい、人為的に動かされた可能性もあるとみて高知県警高知東署などが経緯を調べている。(北島美穂)
市土佐山地域振興課によると11月28日午前、観光客から別の担当課を通じて連絡があった。職員が現場に向かって確認したところ、石が隙間にはまり揺れなくなっていた。
石には緑色のひもが巻かれ、付近には丸太やジャッキ、手袋が残されていたという。たばこの箱が落ちていた地面には燃えた跡があり、担当者は「何者かが夜間に火をたきながら、工具を使って石を移動させたのでは」と推測。近くの駐車スペースには、ジャッキが入っていたとみられる空き箱も捨てられていたという。
ゴトゴト石は高さ約1・5~2メートルで、重さは数トンとみられる。過去には日本テレビ系列のテレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」で、タレントのイモトアヤコさんらが訪れるなど近年では観光名所としても知られるようになった。
市は石や土地を所有しておらず地元住民が毎年、しめ縄を掛け替えるなどして管理してきた。桑尾地区長の佐藤嘉一さん(69)は「腹立たしい。土佐山地域の数少ない観光スポットで、紅葉シーズンや年明けには多くの観光客に来てもらえるのに困る」と訴え、今後、機材などで復旧できないか検討するという。