好きに遊ぼうぜ!
ここで紹介したくらいのぼんやりとした遊びが、もしかしたら世界に通用する「ASOBI」になるかもしれないのだ。思い付いたらどんどん投稿してほしい。そして投稿されたものは、時間のある時にどんどんやってみてもらいたい。新しい遊びが生まれる瞬間に立ち会えるかもしれないですよ。
サッカーや野球には明確なルールがあって、それにしたがってプレイすることで世界中の人と楽しむことができる。
遊びはどうだろう。
遊びだってスポーツと同じように、ルールさえ決めてしまえば誰とでも楽しめるんじゃないか。
自由な発想で、あたらしい遊びを作ってみました。
子どもの頃、その場でルールを決めて自分なりの遊びを作り出していなかっただろうか。
たとえば「道路の白い線しか踏んじゃダメ」とか、「次の電柱まで息止めて行かなきゃダメ」とか、「決めた石を学校までなくさないように蹴って行く」とか。そのくらいの小さくて簡単なルールを決めることで日常はとつぜん遊びになった。
いまASOBIZAというサイトで新しい「遊び」を募集している。
ASOBIZAはゲームの老舗バンダイナムコとTRINUSが運営するサイトで、投稿した遊びがみんなから評価されると、その遊びが実現に向けて動き出すかもしれないという仕組みを提供している。未来が来たことで、僕たちが子どもの頃にやっていたことに続きが生まれたのだ。
今回、新しい遊びを考えるためにグループを作った。その名も「アイデアマン」。名前に恥じないメンバーを招集した。
全員大人だが、あの頃の遊び方を今でも覚えていて、たまに思い出してやっていそうな人たちである。
そしたらさすがアイデアマンである。グループ設立から数日のうちに、実にたくさんの遊びのアイデアが生まれた。
たとえばこんな感じだ。
「最強の動物(インディアン)ポーカー」という遊び。ライターのトルー(北村真一)からの提案。
いろいろな動物を強さ順に並べて自分の持ち札がわからないようにして競う「最強の動物ポーカー」。強さ順が話し合いで決まるところがスポーツとは一線を画すところである。この柔軟性こそ「遊び」の良さといえる。
ルールを考える前にタイトルだけが思いついちゃったパターンもいくつかあった。
たとえばこちら
そういえば僕も子供の頃「シャガール展」という名前が気に入って自分で考案したプロレス技に「シャガール展」と命名したことがある。いいタイトルには単体でも引力がある。
というわけで「山月記ゲーム」オッケーである。ルールはあとから考えればいい。虎になったら負け、をルールに落とし込むのが難しそうではあるけれど。
さっき持ち札の強弱を話し合いで決めようと言っていたトルーからはまた平和な遊び案が提案された。
あまり準備がいらず、身近にある物を使って始められるのも遊びの条件だと思う。
たとえばこちら、よく見るものの穴埋めクイズ。
これは面白そうだと思っていくつか家でもやってみたのだけれど、よく見るものでも穴埋めとなると意外と難しかった。僕たちが普段いかにぼんやりと生活しているかがわかる。こういう日常にぽっかり空いた「すき間」みたいな空間を、うまく見つけると遊びになるのだと思う。
この後も次々と新しい遊びが生まれていった。
しばらくオンラインでたのしんだあと、みんなで都合を合わせて実際に会って思いついた遊びをやってみることにした。いわゆるオフ会というやつである。アイデアマンオフ会だ。
こうしてあたらしい遊びを考えるアイデアマンオフ会がはじまった。
ここであらためてアイデアマンたちを紹介しよう。
それぞれアイデアを武器にいろいろな場所で活躍しているメンバーである。
とはいえ、いきなり何もないところから発想するのは難しいので、まずはASOBIZAの規定部門であるゲームのコンセプトをイメージした遊びを考えてみることにした。
しかし集まってもらったアイデアマンたちの中にはパックマンを知らない世代もいておどろいた。
実を食べながらお化けに捕まらないよう進むゲームです、と説明したところ「どうしてですか」と言われた。今こういう実社会とリンクしていないゲームってないのかもしれないですね。
いっぽう、考えやすかったのが「塊魂」である。
「塊魂」について、能登さんとハナウタさんから具体的な遊びのアイデアが提案された。ASOBIZAにも投稿しておいたのでみなさんもやってみてほしい。
トルーからは「太鼓で身の回りのものを音として表現する達人」という遊びが発案された。タイトルでほぼルール言い切っちゃっている。
提案した遊びが面白そうだとみんなが動いてやってくれて、やる過程でルールが生まれる。そんないい循環が出来上がっている。
人類が言葉を手に入れた瞬間に立ち会っているような気分である。
考えているのは遊びだけれど、遊びはつまりコミュニケーションの手段なので、これは社会とか文化の切れ端を作っているということなのだ。
太鼓の達人から派生して、與座さんからはこんな動きゲー(そんなジャンルあるのか知らないけど)のアイデアも。
さすがアイデアマンたちである。いったん頭が遊び開発モードに入ると、一つの遊びから次々と新しい遊びが派生していく。
粘菌が増え育ってていく様をカルチャー(culture)と呼ぶらしいが、次々と生まれるアイデアの畑はまさにカルチャーが生まれて育っていく過程を見ているみたいだった。
ここで生まれたアイデアはASOBIZAにも投稿しておいたので見てもらいたい。どれも実際にやってみると面白いんじゃないかと思う遊びばかりである。
面白そうなやつは実際にやってみたくなるのは、かつて子どもだった頃の名残だろう。
今回考えた中から、能登さんの考えた「みんなもおうちで塊魂」を実際にプレイしてみることにした。
もう一度紹介すると、能登さんの考えた遊び「みんなもおうちで塊魂」のルールはこちら。
遊びにおいてはルールはできるだけ簡単な方がいいと思う。その方が自由度が高くなるし、制約や覚えることが多いとそもそもやってみようという気にならない。
その点、この遊びは一瞬で全員が理解できたので、すぐに始めることができた。
今回は外で集まっているので買い出しに出かけたが、家なら家の中にあるものでやってもいいと思う。
ただ、みんなで買い物に行くと、そこからすでに「遊び」がはじまっているような気がして面白かった。
楽しい買い出しが終わったら部屋に戻って調達してきたものを実際に組み合わせて塊にしていく。ルールによると、このときテープや接着剤は使ってはダメなことになっている。
作業中、おにぎりで接着するのはルール違反ですか?という質問が上がったが、ご飯つぶも接着剤の一種とみなされNGということになった。やってみると思いもよらない質問が出てきたりするのも面白い。
身の回りの物で塊を作る、たったこれだけのルールなのに、やってみるとすごく個性が出るのだ。完成図から考えて材料を買ってくる人、ただでかいものを買ってくる人、予想が甘くて組みあがらない人、などなど。
普段の記事でも器用さがにじみ出ているハナウタさんだが、なんといっても彼のすごいところは予算の中でハサミも買ってきたことだろう。ハサミはみんな使いたいが、みんな買い忘れるので、気前よく貸すことで気持ち的に優位に立てるのだ。
30分ほどでそれぞれの塊が完成した。あまり凝るときりがないので、ルールに制限時間を設けてもいいのかもしれない。
作った塊の評価はみんなで行う。まずは大きさの順番に並べてみた。
みんなで評価する、と言ってもまずはこの遊びを作った能登さんに見てもらうのがいいだろう。
能登さん、どうですかこれ。
トルーが作った、というか合わせただけの洗面器二つは能登さんの判断で反則ということになった。このジャッジにはトルー以外の全員が「まあそうだろうな」と賛同した。
そして最後の評価基準である「転がり」の判定である。これは作者がそれぞれ転がしてみてアピールすることに。
それぞれにポイントが加算され、総合得点で勝者を決める。
審査の結果、「転がり」と「丸さ」で他を圧倒したハナウタさんが優勝となった。
遊びを考えるとき、まったくルールがないと無秩序になってしまって面白くないし、かといってきっちりルール化しすぎてしまうのも窮屈である。みんなで考えながら楽しみ方を作り出していく過程もまた「遊び」の醍醐味だなと思いました。
遊びを考えるとき、まったくルールがないと無秩序になってしまって面白くないし、かといってきっちりルール化しすぎてしまうのも窮屈である。みんなで考えながら楽しみ方を作り出していく過程もまた「遊び」の醍醐味だなと思いました。
ここで紹介したくらいのぼんやりとした遊びが、もしかしたら世界に通用する「ASOBI」になるかもしれないのだ。思い付いたらどんどん投稿してほしい。そして投稿されたものは、時間のある時にどんどんやってみてもらいたい。新しい遊びが生まれる瞬間に立ち会えるかもしれないですよ。
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