「医療逼迫のせい」ではない
ところが前出の小島氏は、「その後の'22年の超過死亡の内訳を考えると、『医療逼迫説』は崩れてしまう」と言う。
「確かに『第6波』があった'22年2月と3月には、コロナ感染者・死亡者が全国で激増するのにともなって、超過死亡も増えています。医療逼迫が解消していなかった大阪府では、3717人の超過死亡が出ました。
しかし一方で、同じ2ヵ月間にコロナによる死者が月間ひと桁しか出なかった鳥取県と島根県でも、超過死亡がそれぞれ191人と155人発生しているのです。この両県では医療逼迫があったとは考えづらいのに、超過死亡だけが増えていたということになります」
前述したように、超過死亡とは「平時と比べて余計に亡くなった人の数」を指す。コロナ感染者の増加そのものが原因でないとすると、「コロナ禍前後での世の中の変化」に真の原因が潜んでいることは、まず間違いない。