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暴力団組員との密接交際を認定され、福岡県暴力団排除条例に基づく排除措置で、社名を公表されたのは不当だとして、大分市の設備工事会社の元社長が同県などに措置の取り消しなどを求めた訴訟の判決で、福岡地裁(林史高裁判長)は13日、同措置の運用に「違法性はない」などとして訴えを退けた。同措置の妥当性を認めた初の司法判断とみられ、識者は「暴排を後押しする判決」としている。
判決などによると、県警は2021年、元社長が組員と密接交際をしているとして、ホームページで公表。県などは公共工事からの排除を行った。同社は公表直後に銀行口座を凍結されるなどし、約2週間後に破産した。
判決は、排除措置について「安全で平穏な生活を保護するもの」と公益性を認定。公表によって広く民間取引から排除された結果についても、「各業者が契約に暴力団を排除する条項を設けているためで、排除措置の効果によるものではない」などとして、措置は不当ではないとした。
また、元社長側は「組員と知らなかったが、取り調べで虚偽の自白を迫られた」と主張していたが、判決は取り調べに違法性はなく、組員と認識していたと判断した。日本弁護士連合会民事介入暴力対策委員会の鈴木仁史・元副委員長は「排除措置を積極的に推進する上で意義ある判決だ」とコメントした。