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「苦しくて悲しくて辛くて、すごくすごく辛い日々」それなのに…はっきり言う、私は悔しかった。震災の生者と死者、その心を「命がけで」背負い続ける『notte stellata』宮城

日野百草 ファンしか知らない羽生結弦

目次

はっきり言う、私は悔しかった

 東日本大震災。

 本当に、たくさんの人が死んだ。

 本当にたくさんの人が悲しんだ。

 本当にたくさんの人の運命が変わった。

 3.11とは決して過去の話ではなく、現在進行系の「命」の話である。

 私の姪はあの日、被災したままに車中泊だった私の妹のお腹の中にいた。彼女は4月から中学生、それほどに刻は経った。

 震災以後に生まれた彼女はあの惨禍を知らない。大人だって、多くは忘れている。

 3.11、言われれば思い出すかもしれないが、今となっては多くにとって記憶の順序で後回し――それは仕方がない。それぞれに人生がある、生活がある、自分がある。

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この記事の著者
日野百草

1972年、千葉県野田市生まれ。日本ペンクラブ会員。出版社勤務を経てフリーランス。国内外における社会問題、社会倫理のノンフィクションを中心に執筆。ロジスティクスや食料安全保障に関するルポルタージュ、コラムも手掛ける。2018年、評論「『砲車』は戦争を賛美したか 長谷川素逝と戦争俳句」で日本詩歌句随筆評論協会賞奨励賞を受賞。

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