洗車家族

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概要[編集]

洗車家族とは、洗車をレジャーとして楽しむ家族の総称である。また、洗車を通して家族のコミュニケーションを取る手法でもある。

とある洗車家族[編集]

普段仕事で疲労困憊な私の楽しみが週末の家族での洗車である。洗車は庭先でできるから、渋滞・人混みもないから気軽だ。今度、ながら洗車から出たライフルウォッシュを小学3年の息子と楽しみたい。小学1年の娘はスノーメンでアワアワ洗車かな。毎日チェックするのは週末の天気予報である。金曜日の夜は夜更かしをせずに眠りにつく。

今日は絶好の洗車日和だ。本当は曇りが良いか、晴天の方が気分が上がる。仕上がりより洗車の工程を楽しみたい。

今日は妻の軽自動車を洗う。ハイルーフ車なのでルーフは私の担当だ。

子供達も準備を終えて外に出てきた。娘は洗車が余り好きでは無かったが、先日買ってあげた長靴が履けるとあってルンルンだ。

私は手慣れた手付きでライフルタンクを準備する。この派手過ぎず、ジミ過ぎないデザインが男心をくすぐるではないか。

そしてライフルウォッシュ。私が小学生ぐらいの時、エアガンは親から禁止されていた。だから銃のおもちゃには憧れていた。

これなら私と一緒なら息子も楽しめる。息子もゲームの中でしか見た事が無い銃に興奮している。

しかし、そこは高圧洗浄機。多少の危険はある。私はライフルウォッシュを構える息子に寄り添うように支える。いつか、一人でライフルウォッシュを構えられる様になるのが楽しみなようで寂しくもなる。

さすがはライフルウォッシュとライフルタンク。汚れをどんどん剥がしていく。

次は娘にスノーメンブラックでアワアワにして貰う。娘はシャボン玉が好きだからクルマに泡を掛けるのに夢中だ。ルーフまで泡が掛からないのがまた可愛いではないか。いつまで私と洗車をしてくれるのだろうか。いつか娘にも伴侶が出来てその男と洗車をするのだろうか。切なさを感じつつクルマがアワアワになった。

本来ならば、プレウオッシュという形になるのだろうが、今日は家族洗車。細かい事は気にしない。

私はスノーミット、子供達はキッズミットをはめた。

私達は手にしたミットでアワアワな車に突撃した。

そうだコレだ。この感覚を味わいたくて一週間我慢したのだ。

私は子供達と夢中になり車を洗った。

そういえば思い出す。

「昔、親父とも洗車したな」

私に忘れられない洗車体験として遺っていたのだろう。私の子供達にも記憶として残るのだろうか。

ふと通りかかった、毎朝通勤時に挨拶を交わす老夫婦にこう言われた

「洗車家族だね~」

「はい!洗車家族です!」

つい条件反射で応えてしまった。きっと、「家族で洗車ですか~?」を言い間違えたのだろう。

しかし

しっくりくる。始めからそうで在ったかの様に。

そうか、私達は洗車家族だったのか!なんだか嬉し恥ずかしくなった。

ドライセカンドで拭き上げを行っていると昼食の良い香りが漂ってきた。

今日は妻お手製の焼きそばかな。