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向田邦子さんのエッセイ『夜中の薔薇』(講談社文庫)の中に「食らわんか」という章がある。

『…江戸時代に、伏見・大阪間を通った淀川を上下する三十石舟の客船に、小さい、それこそ亭主が漕いで、女房が手作りの飯や惣菜を売りに来た舟』のことを「食らわんか舟」と言うらしい。

その時に使われた焼き物が「食らわんか茶碗」と呼ばれ、かなりの値段がつくようになったという。

話はそこからはじまって、気取らない手軽な料理の紹介が続く。

わずか12ページしかないのに、10以上の料理が印象深いエピソードとともに紹介されている。

今晩はその中の一品‘わかめの油いため’をおかずに作る。

向田さんはわかめに削り節を加えていたとのことだが、私は輪切り唐辛子を加えた。

作り方は以下のとおり。

○フライパンを熱してごま油をたっぷり敷く。

○水気を切ったわかめをじゃんっと放り込む。

○醤油と輪切り唐辛子を加える。

わかめは好みの程度に炒めればいい。

私はしなっとしたのと、パリッとしたのとが半分ずつ混じったのが好みである。
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