競争社会でへらへら笑って

司法試験という競争社会の中でもへらへらしてる受験生のブログ

二十四.京大ロー生徒然日記 司法試験合格しましたの巻

どもあずめろです!!

司法試験の合格発表から早2週間が経ちました。

報告の巻です。

 

結果は・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

合格

 

 

 

 

 

でしたー!!!🎊😊😊😊

 

 

 

 

 

 

成績は・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

総合 1107.10点 37位

論文 560.05点 22位

公法系  137.93点(憲法A、行政法A)ー113位

民事系  206.16点(民法A、商法A、民事訴訟法A)ー93位

刑事系  140.32点(刑法A、刑事訴訟法A)ー74位

選択科目 75.62点

 

でしたー!!!!!!!!!!!

 

 

 

 

やったー!!!!!!!

 

 

なんとなんと国際法1位です。目標の1位が達成できました!!

総合もなかなかいい成績で大満足です。

予備校の合格体験記でがっぽがっぽ稼ぎたいですね😊

 

 

 

あとは国際法1位だったので、過去問の参考答案を販売しようと思います。

1月までに前年度販売できればいいですが・・・・

国際法の教材はほとんど販売されていないので、ぜひ購入していただければと思います!!😊

 

 

 

 

ではでは~~~

 

 

 

 

 

 

34.ままめろ「これ........なに?.........」

あずめろ「は.......歯ブラシじゃないかな...........」

 

 

 

 

時は遡ること西暦2022年11月6日(日)午前10時

 

本日は我らが日本の中心地(物理)たる愛知県から両親が京都にやってくる日である。

京都で紅葉狩りを楽しみ、夜は先斗町で飯を食い、そして翌日にはアウトレットに寄るという予定からは、とてもではないが「息子に会いに行く」という理由が本音であるとは思えない。この建前は、さながら法令違憲を下したくないがために「司法謙抑主義」「民主主義国家」との大層なフレーズを述べる某国家の某最高裁判所と同じくらいのものであろう。

要するに私は両親の小旅行のだしに使われているのである。

 

しかし私は、なんだかんだ喜んでいるのであった。もちろんそれは両親に会えるという事実それ自体であり、さらに言えば先斗町というとても大学院生では寄りがたい路地で🍚が食べられるからである。あわよくばお小遣いでももらえるかと思っているわけであった。

もちろん親に会えるのが一番うれしんだょ?ほんとだょ。。。

 

私は父親の金で買った服を着ながら父親とは一切口を利かず、母親の作った飯を食いながら母親に暴言を吐く、中学校では教員の目を引きたいがために登ってはいけない場所に登り、でもお昼はお腹がすくのか給食だけ律儀に食べに来ていた思春期中学生ではもはやないのだ(おっと中学時代のO君のかわいいエピソードを紹介してしまった。反省)。

 

と、しかし一方でめんどくさいのもまた事実である。すなわち親が来るということは、それは高確率で一人暮らし先であるアパートに乗り込んでくるわけである。

私は新住居権説に立脚するため私の意思に反する立ち入りは直ちに住居侵入罪の構成要件に該当する違法で有責な行為となるわけであるが、まあそんなことを言えば父親からの憲法が保障する人権すらも凌駕するおぞましい鉄拳が飛んでくるわけであって、結局刑法など何の意味もないと思い知らされるわけである。

 

さて、文句を述べてもしょうがないので親の「侵入」に対する対応策を取らねばなるまい。

もちろん男子大学院生たるもの、部屋には親に見せたくない、あれやこれや、それやどれや、あんなものからこんなものまで種々様々なものが散乱していることであろう。

 

私的な例えで恐縮であるが、例を挙げるならば、

国際法の勉強時間が確保できないことから「枕を国際法の教科書(浅田国際法(5版))にすれば寝ている間に勉強が出来るのではないか」との思いから、当該教科書に枕カバーを書けた「国際法まくら(仮)」

であったり、

ベッドの下にある一見「こいつエロ本をベッド下に置く保守派か?(リベラル派は電子機器に保存する)」と思わせ実際には二度と使わないであろう司法試験予備試験下4法短答問題集などである。

ちなみに短答問題集がベッド下に隠してあったことから友人から「あずめろは京都で気がくるって問題集で興奮する人間になった」との噂が流布したこともあるが、それはまた別の機会に述べることにしたいと思う。

 

さて、そういうわけで親が来る前にこれらをきれいさっぱり片付けて「来るべき来訪」に備えたわけであった。

午後2時に親が京大正門前駅に到着。吉田寮を「見たい」(もちろんここでは動物園でパンダを「見たい」と同じ意味)という提案を全力で拒否し、京大構内を案内、そして下宿先に向かったわけである。ちなみにそこで時間をつぶした後は三条に繰り出し、すき焼きというこれまた豪華なごはんをいただく予定であった。

さてさて、親を「きれいな」1人暮らし先に招き、あとはご飯の時間まで、マルクスが主著『資本論』で資本主義の行きつく先と書いたことでも知られる『もちまる』の動画でも見せていれば穏当であろう、と思っていたその時であった。

事件は、洗面台で起こったのである。

 

 

冒頭のシーンに戻る。

賢明な読者諸君はもうすぐにお気づきであろう。

もちろん冒頭の写真が意味しているのは、歯磨き粉が2つある案外歯科衛生を気にしているマメさでも、ポッケに入っていた1円玉を4月からずっと置いている怠惰さでも、最近前髪の後退に敏感だから頭皮マッサージでもしようかと思い置いた櫛でもない。

 

 

 

歯ブラシ(青・ピンク)が2本置いてあるという、その事実である。

 

 

 

ここで一般的抽象的な意味からこの写真を論じてみたいと思う。

すなわちここにあるのは

 

「青とピンクの2種類の歯ブラシ」

「一人暮らしをしているはずの男子大学院生」

 

の洗面台に置いてあるということである。

※なおこれをみて「男女」の歯ブラシだと即決するのはあなたがジェンダーバイアスに掛かっている根拠に他ならないことからして、即刻京大ローの某刑法学者の授業を受けることをおすすめしよう。

 

さて、ここからの論理的帰結として真っ先に考えられるのは

①同棲又は半同棲をしている

②いわゆる「フレンズ」がいる

 

のいずれかである。

②「フレンズ」の意味に関しては、映画『TED』よろしく、当ブログ(ちなみに一部界隈(私だけ)ではこのブログを『競へら』と略され呼ばれているらしい)がR18であることからして説明は不要であろう。

 

ここまでの規範から演繹的推論を経ることができるか、それが法律家たるものの仕事であり責任である(とマコーミック先生も言っていた)。

 

 

当ブログを読んでいる方々がお察しの通り、私は①②のいずれでもない。

もしTwitterなどで当ブログ更新の通知を見て、「え、、、あずめろ氏彼女いたんだ。。。(嫉妬)」などと思う読者がいるとすれば、本ブログを真剣に読んでいないか、はたまた、よほど私に期待しているかのいずれかである。

もし「え、あずめろさんと会ってみたかったのに。。。(紅潮)」という方がいればぜひDMください。120%デート商法なので即刻ブロックさせていただきます。

 

ならばなぜ、このような歯ブラシを置いているのか。これが本件写真最大の謎である。さらにいえば私も不思議でしょうがない。

 

ことの経緯はこうである。

すなわち、学部4年の2月ころに高校の同期(女性←ここ重要)とご飯を食べていた時のことである。ロースクールパノプティコンのような監獄類似の生活を送ることになるといったら、それなら精神を安定させ、かつ非常に簡易な方法があると告げられた。

 

ほう。さすがは高校時代「女帝」として崇め奉られた人間だけある。突拍子もつかないような名案を持っているものだ。私は期待した。

 

彼女はこう述べたわけだ

 

 

 

 

 

 

 

「異性のものと思われる歯ブラシを置いておくんです。そうすれば帰った時に、『あ、私にはかわいい恋人がいて、同棲しているんだ。』と感じ、つらいことがあっても同棲している恋人がいると思えば頑張れる!と思い、よって精神が安定するんです」

 

 

 

 

、と。

 

 

 

私はこう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こいつあたまおかしいんか?????

 

 

 

 

なるほど、世にいう「尖っている」人間とはこういうことを言うのか。

たしかに、クリスマスに友人とプレゼント交換会をしたと聞いて、女性は恋人がいなくてもそういう風にクリスマスを楽しめるものかと思った矢先、実はそのプレゼントは自分の架空の推しが、自分に買ってくれたプレゼントを披露しあう会であったというエピソードも聞いたことがある。

つまりは、客観的には自分で自分のプレゼントを買っているのに、それをさも彼氏(架空)から貰ったものだと自慢しあう、そんないかれた界隈の発想がこの世には存在しているのだ。

ちなみにこういう女性のことを「夢女子」というらしい。とりあえず広辞苑の「女子」という意味を100回朗読してほしいものである。

 

そういうわけで、Qアノンもびっくりのやばい界隈の発案を聞いたところで、まあさすがにそれはやらんやろ、と思っていた。

 

しかしながら時は4月、友人も少ない異国京都において孤独を拗らせていた私は、このエピソードを思い出し、1人自宅で嘲笑しながら(律儀に)ピンクの歯ブラシを置いたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ??なんか、良い/////

 

 

 

 

 

 

こういう時人間ってのはすごいもので、絶対に誰も見ていないのに「案外良い」と「さすがに人間としてやばい」の二つの考えが出てくるのである。

カントもさみしさから歯ブラシを2本置いた時に「純粋理性」という考えに至ったというのは非常に有名な話であるが、私もこれを経験したのだ。

しかしさすがに22歳。これは人間としてなにか重要なものを失っていると思い、2日後には歯ブラシを撤収した(2日置いてたんか、と思った方はあとで体育館裏に来てください。江頭会社法の角で殴ります)。

 

 

その日からである。帰宅するたびに、なにか猛烈な不安感に襲われるようになった。はじめはロースクールの不安や将来の不安かと思っていたが、どうも違う。

私は、1本しか置いていない歯ブラシ置きに寂しさを覚えていたのだ。

そこでおそるおそる2日前に回収したピンク歯ブラシを置いてみた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺って同棲しているかわいい彼女がいたんだぁ~(^.^)。しあわせだぁ~(*^-^*)。

 

 

 

 

 

 

 

以上がことの経緯である。

実はこの架空同棲歯ブラシ手法は夢女子の策略であり、一度これを実行してしまえば元の通常の人間には戻れなくなってしまうのであった。

 

 

さて、そして冒頭に戻る。

半年の同棲(架空)の結果、あまりにも見慣れたピンク歯ブラシに何らの疑問を抱かないほどに脳を麻痺された私は、親の来訪にも関わらずこれを隠しておくことを失念していたのであった。

 

 

ままめろ「これ........なに?.........」

 

 

 

 

あずめろ「は.......歯ブラシじゃないかな...........」

 

 

 

 

ままめろ「いや.....2本ある......じゃんね.......???」

 

 

 

 

 

あずめろ「..........................................................ほんとだ。。。そうだね。。。。」

 

 

人間とは恐ろしいもので、脳が思考を停止しても本能でもって自己の不利にならないように行動するものであるようだ。

だが、そのような脊髄から出る防御行為ほど自分を苦しめるものはない。

 

 

ままめろ「いや。ここあんたの家でしょ?」

 

 

 

あずめろ「..........................................................」

 

 

 

ままめろ「え?彼女?でもいるわけないよね??」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あ?なんだこのババア??

おっと、ついに訪れなかった思春期がここにきて現れてしまった。

反省反省😓😭😅。

せめていい方に期待しろよ。その息子へのあきらめはなんなんだ。え?

おれがラブライブ見てた時に「そんな金髪の女の子現実にはいないからね」

と唐突につぶやいたこと、おれは聞こえてるんだぞ??

 

 

 

 

ままめろ「え、結局どういうこと???」

 

 

 

 

ふーむ困った困った😅😅😅(死)。

さて、突然だがみなさんならここでなんと言いますか?

①「実は彼女がいてね」

②「あー。それはスペアだよ」

③「それは排水溝とかを掃除するようなんだよ」

④「うるせぇババぁ(有形力の行使」

⑤「それは妄想の彼女の歯ブラシなんだ(ガンギマリ)」

 

 

④は論外でしょう。女を殴っていいのはミサミサが急に来訪した時くらいです。

②は意味が分からない。歯ブラシのスペアてなんだよ。お前は歯磨いてて急に折れるんか歯ブラシが。

③は矛盾します。なぜならピンク歯ブラシは未使用だから。

 

ということで①か⑤に絞られます。

①は短期的に見れば良い選択で、しかもその後黙秘(保障されているかは別として)を貫けばこの問題を解決できる可能性もあります。

しかしどうでしょう。彼女と同棲していると宣った息子が、実は妄想彼女の歯ブラシを置いてるだけだったと知ったとき、親はきっと非常に悲しんでしまうでしょう。そうなれば私は私の親を苦しめたその人間を生涯許さないでしょう。

 

 

 

なので私は⑤を選びました。

しかしただ⑤を述べてはやばいやつです。そこで、焦った私はこう述べてしまったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あずめろ「それは架空の彼女の歯ブラシなんだけど、でもそれはロースクールで結構流行ってて、友達との飲み会の時に話題になったからたまたま試しでやってみただけで、特に別に変なことじゃないんだよ(早口)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ままめろ「....................................................................................................................................................................................................................」

 

それはそれは長い沈黙でした。

死刑執行宣言を待つ被告人ってこんな気持ちなんだなぁってのが、分かりました。

 

当然でしょう。息子に会いに行ったら歯ブラシが置いてあって、それを聞いたら、妄想で、しかもそれがロースクールで流行っているという見え見えの嘘をついているのですから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ままめろ「(あ、察し)そ、そうなんだ。やっぱり京大生は変わってるね😅😅😅。。。」

 

 

 

 

 

 

 

母親の優しさが身に染みる。

同時にこれほど辛いことはない。

明日帰宅した母親は、この22年間の息子への教育ないし育て方を自問し反省し、息子のためにあえて怒ったことを思い出し、息子のために時にあきらめた夢を振り返り、そして息子と共に笑ったことを思い出しながら、ただただ泣くのである。。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夕食のすき焼きの春菊は、いつもより苦い気がした。

 

 

 

 

※この物語はフィクションです

 

 

 

30.ぱぱめろ「ところでお前、将来結婚する相手はいないのか?」

 

 

 

 

・・・・・はて・・・?

 

 

「こいつ」

 

 

は何を言っているんだ??

 

 

 

説明しておくと私は何も父親を「こいつ」などとは余程の例外がない限りは言わない。私の家はたぶん他の家よりも家族間の仲は良い方だし、よく話したりゲームしたり遊んだり旅行したりと非常にコミュニケーションが活発なのだ。

 

ではなぜ「こいつ」などと呼んでいるか。

 

当然、「将来結婚する相手はいないのか?」などという支離滅裂でおよそ日本語として成立していない言葉を発したからである。率直に言って意味不明である。

ちくちく言葉は第二言語として選択していないからわからないが?あ?

 

コホン。

だが私も「ことば」を大切にする法学徒である。ここは一つこの文章の解釈を試みてみようではないか。何も検討せずに「何を言っているのか全くわからない」などというのはおよそ大人な対応ではないだろう。

 

ぱぱめろ「将来結婚する相手はいないのか?」

 

コホン。

なるほど。おそらくこの話者は聞き手が将来結婚する、もしくは可能性があること、そしてその相手がいることを前提に話しているように思える。

 

しかしどうだろうか?

 

聞き手は22歳彼女なし同期はバリバリ働いてる中親の脛を齧り京都でダラダラ過ごしている毎日自習室で要件事実ニチャニチャ勉強とTwitterでの国際法イキリイキリしかしてない趣味は?と聞かれたらニタニタとブログ執筆ですと答える合コンでは女の子同士が女子特有の阿吽の呼吸を持って一瞬目を合わせこいつは無理だなと品定めとその評価をすり合わせる時のその「こいつ」足る大学院生である。

 

自虐が過ぎた。

 

さて、当然この問いへの答えは

「否」

である。

 

唯一の勝利ポイントは年齢=恋人いない歴、では無いということであるがこんなもの誤差の範囲である(ちなみに何に対する「勝利」なのかという問題は当然に発生する)。

 

むしろこの経験が聞き手の臆病な自尊心をさらに尊大にしているのである。ここでわざわざこのようなことを書いたのが証左である(縦書きの場合は証上か)。

 

さてこういうわけで「当然に」結婚相手など、さらに言えば彼女などもいないわけである。

 

こんな自明なことをなぜ質問しているのだろうか?

 

あれか?学問界隈で頻繁に見られる「当たり前を当たり前と思うな」という言説に父も感化されたというのだろうか。

 

だとすれば、少なくとも試すのは息子の恋愛話ではなかったであろう。なぜならそこからの問題解決性が皆無だからだ。

つまるところ、「いないけど?だからなに?ん?ん???んんんんん????」と言ったところで、父はこの解決不可能な難題に辟易し、ついには匙を投げ出してしまうだろう。

 

だが一方で嘘をつくのは良くないだろう。

 

仮に「あー。。。実はいるけどまた今度ね。今度連れてくるわ」などでも言ってみるがよい。

ロースクールの某民法総合1の某大御所先生よろしく光の速さで「ほんとうかっ!」(この「っ」がポイントなのは言うまでもない)が飛んでくるであろう。

 

さすればロースクール前期のようにあたふたと即興ソクラテスを披露することになる。しかも正解すればするほどにドツボにハマる最悪なソクラテスだ。これにはソクラテスも毒杯を仰がずにはおられまい。

 

コホン。

さて困った。どう対応しようか(以上ここまで0.3秒)。

 

だがこればかしは仕方ないか。正直にロースクールで基本書カルタなどという気持ち悪いもので遊んでおよそ「まともな」ことをしてないことを白状するか。今なら自白法則の任意性がなぜ必要なのかよくわかる。

 

あずめろ「いやー。そんなんいるわk」

 

待て。まてまてまてまて。

いくら私の父親だからといって、いくら息子が22歳のドラ息子だからといって、帰省した息子に冗談でもそんなことを言うだろうか。

 

否。否である。

 

よく考えればそんなわけがない。だとすれば、この質問はどういうことだ?なぜ父親が急にこんなことを。。。

 

あずめろ「はっ!」

 

この瞬間のひらめきは伊集院光がクイズ番組で披露するそれ並みである。つまりはそこまですごくない。

 

この、俺の目の前に立っているこのおとこ、名をぱぱめろ、果たして本当に「父」なのだろうか。

 

否である。私の父親は冗談でも息子の将来のお嫁さんを聞くような無粋で卑劣な行為は行わない。そんなことを聞けば息子が憤死することなど容易に推測できるからである。となれば結論は自ずと導かれる。

 

「こいつ」はきっと父親に化けているゴム人間なのだ!!

そうだそうに違いない。そうすればすべての辻褄があう(たぶん)。

 

しかしどうすればよいのか。「本物の父親をどこにやった!?」とでもいえば相手の思うつぼだろう。ひとまずは「カマ」を掛けてみるか。

昔宇宙人にあった時は素数を知っていることを示し自分が知的文明人であることを証明せよと習ったことがあったが、それをしている暇はない。

 

コホン。

あずめろ「そ、その質問に答える前に、まずはその質問をなぜするのか目的と経緯を教えてくれn?」

 

ぱぱめろ「質問に質問でかえすなよ」

 

ぐぬぬぬぬ。さすがはディベート(物理)の強い父親である。いや父親の皮をかぶったゴム人間め。だが妥当な指摘だ。しかしこちらも負けてはいられない。国際法模擬裁判とソクラテスメソッドで培った「え?おれまちがったこと言ってる?いってないが??お前の理解足りてないんじゃね?」の表情ですかさず反論を試みる。

 

あずめろ「いや、単純に興味あるし。答えはあとでもいいではないですか。ドキドキは大抵CMのあとでありましょうよ(それとも早く聞かねばならない理由があるのかね??)」

 

ぱぱめろ「えー。えっとね。。。」

 

ふん。ゴム人間も知能はルフィ程度とみた。友情と仁義で友達はできても夜神月のように知的バトルはできまい。どうだ。目的は知らぬが、交際相手の有無を聞くような質問をする経緯をすぐには思いつきまい。

 

ぱぱめろ「昨日『大人帝国の逆襲』を見たからあずめろもそういうのに気が向くようになったのかなと思ってね」

 

・・・くそ!!!失敗だ。

確かに昨日、クレヨンしんちゃんの『大人帝国の逆襲』が非常に面白いことを家族ラインで話したが。まさかこんなにフッ軽な父親だとは。

あれは家族愛をテーマにした映画としては傑作だ。ギャグテイストだからこそ言葉が深くしみる。最初の風間くんの「なつかしいってそんなにいいものなのかぁ」というセリフでじんわりきて、ヒロシの回想シーンで目じりが熱くなり、ヒロシがエレベーターで家族の素晴らしさを説くシーンで涙が現れ、しんちゃんが敵と対峙するわけでもなくただタワーを必死に登るシーンでついにそれがあふれる。

そんな名作を見たら息子にもとりあえず交際相手の有無くらい聞きたくなるだろう。当たり前だ。俺だってそうする。

 

コホン。

さて、どうこの危機を脱すべきか。うむ。これは本当にこまっt

 

ままめろ「なんのはなし?」

 

む!!これは母上ではないか。米国の海兵隊のようにどこからともなく現れ救出してくれる。さすがは世界の警察であり救急車だ。ひとまずはここにSOSを出してみるか。

ありがとう母上。あなただけが救いだ。

 

あずめろ「いやー。お父さん(本当はゴム人間であるのだが)が彼女の有無を聞いてきてね。たはは😅。」

 

 

 

ままめろ「え。あずめろにはいないでしょ。」

 

 

 

なんだこのアマは。

おっと失礼。油断してつい本心が顔を出してしまったようだ。

普通京都で一人暮らししている息子(22歳学生)が実家に帰省してそんな浮ついた話をしていたら食いつくだろう。なんだ。そのあきらめぐあいは。

あれか?中学の卒業式で近所に住む友人が第2ボタンを女子生徒におねだりされていたのに俺はされず、「あー。あずめろはもらわれないんだねぇ笑」と俺をさげすんだ当時のままなのか?おれへの認識は7年たっても変わらないのか??それが母親のすることだろうか。

せめて「え?どうなの?できたりした?」とでも言えよ。なんだその発言は。俺には見えるぞ「当然」の二文字が。隠せてないぞ。「いない」の前にあるぞ、この二文字が。それくらいの行間を読む作業、こちとら芦部憲法で鍛えてんだ。

 

ふぅ。思わず早口ののしりラップバトルを開始するところであったが自制心でなんとかこらえた。

さんざん自虐ネタをしてキャッキャッしていたのにいざ他人からその自虐ネタを馬鹿にされた瞬間に顔を真っ赤にして怒り狂うネットイキリ陰キャムーブはしなくて済みそうだ。

 

しかしこれで分かった。既に母親もゴム人間なのだ。これは本格的にまずい。2対1では分が悪い。どうすればよいだろうか。。。

 

ぱぱめろ「あ、やっぱいないんだ」

 

こらこらこらこら。勝手に話を進めるなゴム人間よ。

いない。いないよ?

だけどそんな当然のように話を進められてはこちらのプライドもずたずただ。せめて残念がってくれよ。同級生はみんな彼氏/彼女、結婚の話までしてるんだ。「やっぱ」ってなんだよ。そりゃ辛いぜ。

ゴム人間の目的はおそらくこうして俺を精神的に追い詰めることだろう。まあいい。もうすぐ「やつ」がくる。そうすれば万事解決だ。

 

 

 

 

???「ピンポーン」

 

おお!!これは救世主兄と兄嫁の到着だ。これで話しを遮れる。しかもこれで2対3。数で勝てる。数は正義だと銀河英雄伝説自由惑星同盟の諸提督が言っていたしこれなら大丈夫だ。

ひとまずはみんなでお出迎えだ。

 

あずめろ「あ、兄上ではないか!お出迎えしようよ。」

 

ぱぱままめろ「あ、そうだね。」

 

よし。会話の中断完了。

非モテが行うナンバー1女の子に嫌われる行為「女の子の会話を遮って自分語り」が成功だ。

 

あにめろ「がちゃ」

 

 

 

 

 

あずめろ「おかえりー!あずめろ帰省しております。ささ、兄上と兄嫁、おつかれさまです。

いやはや元気にしてましたかな??(兄上よ兄嫁よ聞こえるか。この家は既にゴム人間に支配されている。今すぐこの両親の皮をかぶる「なにか」を退治しましょうぞ)」

 

 

あにめろ「おー!あずめろ!おかえりー!元気元気ー!」

 

目に正気が宿っている。間違いない。これは私の知っているあにめろだ。

これで大丈夫。若い2人と起案の連続でムキムキになった右手を持つ私がいればゴム人間など楽勝だ。

 

 

さ、不意打ちを掛けましょう。

 

 

兄弟だけがわかる阿吽の呼吸の目配せをする。

70億人もの人類がいても、目配せで不意打ちの現場共謀ができるのは兄弟たるあにめろしかいまい。

血のつながりをDNAレベルで感じる。

これが

 

「兄弟」

 

「家族愛」

 

か。

 

 

 

 

 

 

 

あにめろ「ところでどう?お前も京大で彼女できたか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以降、あずめろの皮膚が若干ゴム気質になっていることを、未だ誰も知らない。

 

 

 

 

※この物語はフィクションで(あったらいいなぁと思っていま)す。

 

 

 

21.おしりパワフル(弱)とおしりマイルド(強)はどちらが強いのか

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2022年3月8日午後3:00。便意を催した私は近くの商業施設のトイレに向かった。

言わずもがな「大」をするためである

(なお私は一般的な「小」及び「大」との表現には極めて大きな疑問を抱いている。なぜならこれらはそもそもが液体と固体であって「大」「小」の相対的な評価にはそぐわないと考えているからである。即刻日本人は「液体」と「固体」との表現に改めるべきであろう。さもなくば日本人は幼少期のころから(本来は)適切な「二項対立」の例を誤って覚えることになる。これが近年の日本人の教育水準の低さの要因になっているのは自明であろう。)

 

さて、前置きが長くなったがとにかく「固体」をしに行ったわけである。

ズボンとパンツをおろし「よっこらしょ」と、座した。

 

(中略)

 

「ふぅ」

21世紀に侵略戦争を始めるプーチソを暗殺する一番確実な方法は彼が「固体」をした後を襲うことである。いくら元KGBでもこれには対処できまい(なぜならこの身体的精神的欠陥は神が人類を創生した際に「意図的」に付けた欠陥であるからである。)これを国連(やウクライナ)で提唱すればすぐにこの事態も終わるであろう、と世界平和に思いをはせた。

 

「はっ」

私は思わず息をのんだ。

そこには通常は想定するはずもない(できるわけもない)魑魅魍魎で欧州情勢のように複雑怪奇なボタンが並んでいたのだ。

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「・・・」

声が出なかった。いや、厳密には出せなかったのだ。ローマ法王であろうともこれを前に慈悲深いお言葉を出すことは不可能であろう。

 

おしりパワフル(弱)とおしりマイルド(強)があるのである。

 

なぜ?何の目的で?いつから?誰が?

 

全てが未知である。未だ人類はこれほどの「未知」に対面したであろうか。

 

いや。ない。

 

しかし私は、リーマン予想を「発見」したとされるゲオルク・フリードリヒ・ベルンハルト・リーマン(Georg Friedrich Bernhard Riemann)と同様、いや、もしかしたらそれ以上の衝撃を受けてなお、この難問に立ち向かおうとしたわけである。

 

賢明な読者諸君はすでにお分かりであろうが、このような「問」が、ここには、ある。

 

おしりパワフル(弱)とおしりマイルド(強)はどちらが強いのか

 

である。

 

幸いにも、私にはおしりがあった。指もある。

あぁ、なんと神は偉大なのだろうか。私がこの世に生を受けたのも、すべてはこの日のためだったのだ。祖ムハンマドが洞窟の中で神の啓示を聞いたのも同じであろう。受けた者にはわかる、これが「使命」なのか、と。

 

そうだとすればぐずぐずしてはいられない。

私は、すぐに、脳よりも先に脊髄の令をもって、指を、ボタンに、向かわせた。

 

「待て」

私は小さくつぶやいていた。

私としたことが興奮のあまり「観察」をしていなかったのだ。まずは目だ。目で確認だ。触診はそのあとで構うまい。

 

「ふむ」

ボタンは9つある。一番下の列は「ビデ」であろう。まあ今回は気にしなくてよさそうだ(なおここの列はピンクで他は青なのもジェンダーバイアスが顕在しているといえるかもしれない)。

 

問題は上2段だ。

上はおしりパワフル、下はおしりマイルド。そして左から弱・中・強、となっている。

ともに英語も書いてある。

 

まず共通項である「おしり」だ。しかしこれは通常の「おしり」であろう。

一般的に男性が便座に座すということ、それすなわち「固体」をするに他ならないのだから、ここでの「おしり」はそれをしたときの「おしり」ということであろう。まあよい。

 

では「パワフル」「マイルド」とはなんだ?

「パワフル」・・・[形動]力強いさま。強力なさま。

「マイルド」・・・[形動] 1 まろやかなさま。「マイルドな味」「マイルドな香り」 2 物事の程度や人の性質・態度などが穏やかなさま。「マイルドな効き目」「マイルドな口調」

(以上デジタル大辞泉から引用)

なるほど。どちらも力強さを表す言葉である。つまりウォシュレットの強さを表しているのだ。

 

では「弱・中・強」とはなんだ??

ウォシュレットの強さか?いや。そんなはずがない。であるならば「パワフル」と「マイルド」の意味がない。こいつらは何のために存在しているのだ。

 

「うぅ・・・」

私は涙していた。ある不安が脳裏をよぎったからだ。もしかしたら「パワフル」「マイルド」と「弱・中・強」は同じ意味なのではないか、と。。。

だとすればこれほど悲しいことはない。これらは、いや、「かれら」のどちらかは存在価値がないにもかかわらずここで生を受けたのか。。。

 

「(ごくっ)・・・」

「観察」の時間は終わった。いよいよ「実験」の時だ。

まずはおしりパワフル(強)、だ。いきなり(弱)でもよかったのだが、ひとまずは最上位だ。指をボタンの上に置いた。

 

「ズゴゴゴゴゴ!!!」

 

途端にウォシュレットは私のおしりに殺意を向けていた。

私は思わず「止」ボタンを押していた。人間は通常時には30%しか身体能力を発揮していないとの説明を受けたことがあるが、これは真である、なぜなら私はいまだかつてこれほど早く「止」ボタンを押したことがなかったからである。

 

「なるほど・・・」

どうやらおしりパワフル(強)はおしりの痛覚がなくなってしまったような人間が使うのだろう。

私はすぐさまおしりパワフル(中)を押していた。

 

「ズゴゴ!!」

 

やはり私は早急に「止」ボタンを押した。もちろん痛かったからだ。しかしそれだけではない。おしりパワフル(弱)の前に我慢ができなかったのだ。

 

「ぽち・・・」

ついに押した。

 

「ズゴ」

 

なるほど。確かに痛い。しかしやはり「(弱)」。それほどの痛みもない。これなら使う人がいても問題ないだろう。

これで「弱・中・強」が強さを表していることが分かった。

残る問題は「パワフル」と「マイルド」である。

 

問題は次だ。

 

おしりマイルド(強)、である。

「物事は何事も相対的に判断せよ」とは私の言葉であるが、まさにこれを実践しせんとしている。

 

「ごくっ・・・」

人類として初めて月に降り立つ瞬間、アポロ11号の船長ニール・アームストロングは何を思ったのか。人類の進歩か、祖国アメリカの偉大さか。人類史に名前が残るとの名誉を思い描いていたのか。いずれにしても彼の行為は人類の進歩を、進化を、表している。

そして私もまた、体験したのだ。アームストロングと同じく。そして中継を見ていた地球すべての人類たちと同じく。

 

「プシャーーー!!!!」

 

水がおしりに当たると同時に、私は、涙していた。

フェルマーの最終定理を証明したアンドリュー・ワイルズ(Andrew John Wiles)も同じ気持ちであったろう。それは真理に到達した者のみに許される幸悦と畏怖である。

 

当たる面積がちがうのである。水が。当たる箇所が。マイルドの方が明らかに肌にやさしい。

なるほど。

つまりは「パワフル」と「マイルド」は水の出る範囲が異なるのであろう。「パワフル」の方が局所的なのであり、「マイルド」の方が全体的なのである。

 

すでに「問」への答えは出た。

が残りの2つのボタンも押しておくのが敬意であろう。

私は何の疑問もなく、おしりマイルド(中)を押した。すべては終わった、そう思った。

 

「ズゴゴ!!」

 

その瞬間に私の「おしり」は瀕死になった。

 

「プシャーーー」

瀕死の「おしり」を下に、ウォシュレットは本来ならこうであるといわんばかりにマイルド(中)の水を流し始めた。

 

そう。ウォシュレットが間違いを起こしたのだ。明らかにおしりパワフル(中)の水圧であった。

 

かろうじて耐えた私は最後のボタンを押した。

 

「ズゴ」

 

それはおしりパワフル(弱)であった。「おしり」を絶命させるに十分な水圧であったことはいうまでもない。