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今回は、なんだかんだで先延ばしになっていたあの姉弟についてです。ついでに寵愛神様の件もあります。

第三章 帝国編
閑話 Xmasの余韻と共に、レッツ開闢!

「───と、まぁ、そんなことがありまして」



送ってもらった時と同様に魔法陣で転移したゼウス家にて、僕は精神がやられたり叩きつけられたりで気絶していたアイツらを布団に寝かせたあと、一人でゼウスとロキに事後報告をしに来た。



そして事後報告を終えた後に待っていたのは───最高神のトップを担う狡知神と全能神による、土下座だった。



「ほんっっっとうにごめんっ! 流石に私もサンタクロスとサタンクロスが一緒に出てくるのは予想外だったよ! 本当に冗談抜きでごめんっ!」


いつものような本当なのか嘘なのか分からないような雰囲気を捨ててガチ謝りしているロキ。



「ごめん......なさいっ! ......ぐすっ、ごめんっ、ね? 最高神で全知全能なのに馬鹿で、なんにも出来なくて......ルシファーも逃がしちゃったし.........ぐすっ、もう私、最高神やめる......」


あまりにも過大な自己嫌悪の渦にのまれて、最高神を止めるとか言い出したゼウス───因みに後々に聞いた話によると、ゼウスは『全知』と『全能』の能力はもちろん持っているそうだが、彼女は『全能』に特化しており『全知』というのはあくまでもオマケらしい。ならばミスがあっても仕方ないだろう。



そして僕が彼女らを慰め、煽て、説得したのがついさっきの事。



流石に僕が目指す目標に最高神の座を降りられでもしたら、それこそ僕が強くなる目的の大半がなくなってしまうからな。僕が持ちうる全ての能力を駆使して引き止めさせてもらったよ。



───え? 最強目指すならまずは何処ぞの寵愛神でも目指しとけって?



いや......。あの、なんて言うかね、その寵愛神さんについて語るのはちょっとばかし........、ねぇ?



僕のそんな思考を読んだのだろうか。


僕の真正面に涙目で座っているゼウスとロキが「何があったの?」とか言いたげな目でこちらを見つめていた。



「......ゼウスから読めるんじゃないのか?」


「......うん、少しなら、ね? けど、今の私じゃ、エロースさんの居場所と、ギン君を助けた、ってだけしか.........ぐすっ」


「あー......、いや、あの人の事読めてるだけでもすごいと思うぞ? 流石は僕の目標だ。それでいてこんなに可愛い子猫ちゃんとは......、思わず惚れちゃいそうだぜ」



ゼウスの精神状況が予想以上にやばそうだったので、ついつい僕のお兄ちゃんスキルの一つ、頭撫でを発動してしまった。ついでに耳元での優しい声と甘い言葉までセットだ。

きっとコレでキュンと来ない女子はいないだろう(僕がイケメンだった場合に限る)。ちなみに僕は『子猫ちゃん』というフレーズしかそれっぽいのを知りません。


だがしかし、当のゼウスはと言えば予想以上にその攻撃が効いたのか、顔を真っ赤にして俯いている───あら、可愛い。



あまりの可愛さに口調がどこかの聖母様(ルーシィ)に似てしまった事に吐き気を覚え、更にはゼウスの隣から非難の視線が浴びせられたことも相まって、僕はゼウスの頭から手を退くと、はぁ、と一つため息を吐いてから語り出した。



───あの、ぶっとんだお姉さんとの邂逅を。





☆☆☆





「おやおやぁ? どうしたのかな親友くん、お姉さんの事見つめちゃって.........あっ! もしかして惚れちゃった!?」



難なくサンタサタンペアを倒したエロースは再び僕の前までテクテクと歩いてきて、一人で疑問を提示し、一人でそれを解決してしまった。ほんと残念な性格してるなぁ、この神様。



軽くウェーブのかかったボブカットのピンク色の髪に、明るい赤色の瞳、そして何よりも驚くべきはそのスタイルだろう。



───ボンッキュッボン、とはまさにこの事。



輝夜以上の大きさを誇るお胸様に程よくくびれた腹回り、そして美しさを感じさせる様な腰。

それはまさに神の作った黄金比、その理想像とでも呼べるようなスタイルで、色々と大きいのに美しさが損なわれていないのだ。


もしもこんな人が現代日本にいたとしたら、それだけで世界文化遺産とかに認定されてしまうのではないか、とそんなことを思わずにはいられない。



だからこそ僕は確信できたし、先程の計り知れない強さとも相まって僕には彼女が、なるほど確かに本人なのだろう、と分かってしまった。



「いや、違うけど......」



僕は少し遅くはなったがエロースが推測した結論に対して異議を唱えた。確かに超絶美人さんだし性格もアレだが悪くは無い。何よりもスタイルが抜群で、さらに言えば僕にもこうかばつぐんだ。


けれど僕は面食いではないのだ。だからこそ、基本的に僕は一目惚れをするような人ではない───ちなみに暁穂に関しては例外だ、例外。



とそんなことを思っていると、僕の言葉に驚いたのか、ピクリと反応して目を見開く寵愛神。やべぇ超可愛い。



「もしかして私ってば振られちゃった......?」


「いや、振るとかそういうこと以前の問題だろ、前提条件としてお前は僕に告白してない。それに告白とか振るとか、そういう以前に、単純に僕がお前に対してそこまで好意を持っていないだけだ」


───めっちゃ可愛いけど。



僕の表の声しか聞こえない様子の寵愛神は僕の言葉に「ががーん!?」と自ら効果音を発すると、ガクッと項垂れる。



「わ、私......、こんな扱い初めてだよぉ......」



そりゃそうだろう、エロース程の容姿と性格の持ち主ならば引く手数多どころか同性からも好かれることもあるだろうに。

だが残念なことに、エロースの助けた吸血鬼は鬼畜とクズさ、そしてほんのちょっぴりのスパイスを加えて三で割ったような鬼そのものだ。可愛いからと言って僕の口撃から逃れられる訳では無い。


───ちなみに例外はオリビアとゼウスだな。あと堂島さん辺りも遠慮してます。




と、そんなことを思っていたその時だった。





エロースはガバッと顔を上げると僕へをズイズイっと迫ってきた。



あまりの迫力に思わず後ずさる僕ではあったが、やはり寵愛神に運のステータスで劣っているのだろう。僕のすぐ背後には大きめな木の幹があり、すぐに逃げ場を失ってしまう。



バンッ、と音がし、横目で見てみると僕の顔のすぐ横にはエロースの二の腕が見え、さらにもう一度ダンっと音がして逆隣を見るともう片方の二の腕が。そして更にドンっと僕の股下で何か音がして、視線を向けるとエロースの太ももが見えた。





───アレッ、これって壁ドンってやつ?



しかもこれは噂に聞く股ドンという奴じゃないのか......?





とそんな感じで驚愕に目を見開いていると、ふわっと柑橘系のいい香りがして、ふと気付けば僕の目の前にはエロースの顔が迫っていた。



その顔には何か、僕の伺いしれない覚悟が見てとれ.....、





───そうして彼女は僕へとこう告げた。









「ねぇ、親友くん。私と結婚してみない?」







「────とまぁ、こんなことがありました......。」



僕は記憶を便りにあの場所であった出来事を隠すことなく全てを二人に話した。



ふと視線を向ければ、やっぱりそこには固まったゼウスとロキの姿があり、さらに言えば寝室の方からも息を呑むような音とガタガタっという音が聞こえた。




───はぁ、こうなるから言いたくなかったんだけどな。





☆☆☆





太陽は真上まで登り、もう昼を過ぎた頃だろうか。


場所は変わりグランズ帝国の貧困街。



僕の体調はほぼ治ったので近々エルグリッドの依頼を遂行するためにこの国を離れることになるだろう。だからこそその前にやっておかねばならない事がいくつかある。


まぁ、ご察しの通り、僕がここに訪れたのはベルナベルク姉弟の弟の方───ベルクの患っている魔力病の治療のためだ。


今の今まで治療法が思い浮かばなかった為ゼウスに聞いたところ、ムスッとした顔をぷいっと背けて「新しいスキル」とだけ言ってくれた。


あの後起きてきた馬鹿どもと一緒にエロースからの求婚にどう答えたのかどうかを問い詰められ、僕は誠心誠意きちんと説明したのたが......、なぜ拗ねていたんだろうか?

それと、何故か恭香の機嫌が良かったのも気になるが......何かの病気でも流行っているのだろうか?




とそんなことを考えると、嫌でも今朝のエロースとのことを思い出す。









「ねぇ、親友くん、私と結婚してみない?」



僕はその言葉に思わず目を剥き「正気か」と訪ねようとしたが、エロースの瞳は、僕が見てきた彼女らと同じく本気であることを僕へと伝えてきた。



だからこそ僕は彼女に対して、正直に答えることにした。




ふぅ、と息を吸い込むこと数秒。


エロースの不安げな吐息が漏れ、僕は口を開いた。








「ごめん、好きな人が居るから」と。







と、そこまで思い出したところで僕は人目もはばからず頭を抱えてしゃがみこむ。



───くぅぅぅぅっっ、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしいッ! ほんとバカじゃねぇの!? バーカ、死ねこのポンコツ吸血鬼ッ!!



と、そこまで自分をバカにしたところで更なる記憶が呼び起こされる。







僕の瞳を目を見開いて見つめるエロースと、それを黙って見返す僕。


「う、うそ......」


その言葉は誰に向けたものだったのだろうか?

気付けばエロースは女の子座りで座り込んでおり、その頬には光るものが見て取れた。



僕はどうすることも出来ず、ただひたすらにその場に立ち尽くした。



気付けばエロースはその場から居なくなっており、きっとそれは「放っておいて」という彼女なりの表現なのだろう。



だからこそ僕はそれを極力.........





「って何を考えてるんだ僕はッッ!? 馬鹿じゃねぇの!? ほんとバカ、アホすぎて笑えるからマジで死ねッッ!!」



エロースのことを思い出して再び叫び出す僕。

今回は先ほどとは違い、完全に声に出していたため、僕へとすりを働こうとしていたチンピラが恐怖に顔を引き攣らせて逃げてゆく。



「はぁ......はぁ.........ふぅ」



───今更になって彼女を振ったことに後悔しているのだろうか?



一通り叫び終わってから、僕は少し冷静になった頭でそんなことを考えた───けれど、今あの時に戻ってやり直せるとしても、結果は変わらないだろう。


だからきっと、これは振ったことへの後悔ではなく、彼女を泣かせてしまったことへの後悔だ。




「相手を泣かせたくない、けど首を縦に振りたくもない.......か。僕もルシファーの事を傲慢だなんだって言えそうにないな......」





と、僕はそこまで言ってふと気付いた。気づいてしまった。







「.........誰かに告白でもされたんですか?」




───僕の目の前に、少し可哀想なものを見る目をしたベルナが居ることに。



もちろんこの時の記憶も、僕の黒歴史の一ページに刻まれました。




☆☆☆




「あ! ギンのお兄ちゃんだ! なんかまた伝説になってるけど凄いねーっ!」


「は、はははっ......、はぁ......。そうだな」


「あ、あのギンさん、その、見ちゃったの......ごめんなさい」



僕はそのままベルナに家まで案内してもらい、そのままお邪魔することにした。

気分とテンションは最悪のどん底だが、一応魔力病は死に至る病なのだ。なるべく早期に治すべきだろう。


僕はフッと息を短く吐いて余分な感情を身体から出すと、しっかりと二人の方を見据える。



「今日は魔力病の治療に来た」



僕の言葉に思わずと言った感じで息を呑む二人。

数秒してお互いに顔を見合わせ、こくんと頷き合ってから再び僕へと視線を移す。



「治療前に言っておくが、今からとる治療方法は恐らく世界を探しても数人しか出来ないと思う。成功するかどうかはベルク自身にかかってるし、試したことがないから最悪の可能性も考えられる」



───それでもやるか?



そう僕は感情の無い真面目ぶった顔で二人へと淡々と告げた。




果たして、彼と彼女はその確認に対して即答した。


その瞳には少しの怯えと過大な僕への信頼が見て取れ、少しその信頼は重いかなと思った僕ではあったが......、





「「任せます! ギンさんのこと信じてますから!」」




───ここまではっきりと言われては、ある意味やりやすいというものであろう。




「それでは治療を開始する。奥の部屋、貸してもらうぞ?」




僕はアイテムボックスからブラッドメタルの短刀を取り出して、奥の部屋へと歩いて行った。





☆☆☆





僕の持つ新しいユニークスキル『開闢(ジ・オリジン)』。


そのスキルがLv.1の状態で使える能力は二つ、『終焉耐性』と『魔力共有』である。



前者は文字通り、混沌───カオスの使う『終焉(ジ・オーラス)』に対する耐性を得る、という能力。果たしてどれだけの耐性なのかは分からないが、少なからずこの先悪魔達と関わっていくことを考えれば充分な能力であろう。


そして後者───今回使用するのはこっちだ。

『魔力共有』、その能力も文字通り、対象と魔力を共有するという能力。相手は自らの魔力を好き勝手使えるし、逆にこちらも相手の魔力を好き勝手使えるのだ。


例えばこちらの魔力を渡して支援する。


例えば相手の魔力を使用して魔力切れを起こす。


例えば相手から魔力を受け取る───コレに関しては使うことはなさそうだが。



───そして、






「今から僕とベルクの魔力を繋げ、擬似的に僕が魔力制御を行う。ベルクはそれを身体で覚えてくれ」




そんな荒治療も出来る、という事だ。



僕はザッと治療法について二人に説明した。


僕のユニークスキルの能力、治療法、更にはこの方法はベルク次第では失敗する可能性があることも。

開闢を使った途端死ぬ事は無いが、それでもベルクが僕の擬似的な魔力制御を身体で覚え、その身体のうちに魔力をとどめておく方法を身につけることが出来なければ助かる可能性は無いことも。


───最悪何でもできる全能神様に土下座して頼み込むしかないだろうが、あの怒りっぷりでは多分話を聞いてくれないだろう。また添い寝でもして甘い言葉を囁きながら頼み込むしかないな。



「ま、簡単に言えばベルク、治りたいなら自力で治せ、ってことだ。僕に出来るのはそこまでお前がたどり着けるように補助するだけだ」



ゼウスという最後の命綱を見せつけては必死にはなれないだろうという考えから、あえてゼウスの存在は伏せてベルクに説明する。


───が、彼の顔は緊張によってガッチガチに固まっており、今やったところで失敗するのは目に見えている。




だからこそ、僕は奥の手を用意していた。





「あ、そういえばいい忘れてたが、もし自力で治すことが出来たら御褒美としてとある武器(・・・・・)を贈呈しようと思っててな?」


「えっ!? ぶ、武器くれるのっ!?」



武器という言葉を聞いた途端に目を輝かせてこちらへ駆け寄って来るベルク。やはりこの歳の少年というのは武器に憧れるからな───特に幼少期に外を出歩けなかった男の子は。



僕は事前にゼウス経由でエウラスへと使用許可をもらっていたブラッドメタルを使用して作った世界に一振しかない短刀を見せる。


金色に光り輝く刃に、黒く染まった峰の部分。

柄にはSランクであるミノタウロスの皮を使用し、頭には丸く削ったSランク最上位に位置するグリフォンの爪、鍔にはたまたま探索中に採れたアダマンタイトをふんだんに使用し、まず間違いなく国宝クラスをも通り越して聖剣クラスにまで達した一品だ。



───何よりも、刀身に使った物が度を越している。



なんせ、僕のアイテムボックスに眠る材料の中では二番目にヤバイ物を使わせてもらったからな───ちなみにもちろんEXランクの金竜(・・)のものだ。

正確には僕が倒した魔物のものではないけどな。



それも相まって、この短刀は僕のブラッディウェポンとまともに打ち合える程に優れている。それこそ手放すのが惜しいくらいには。



───けどまぁ、僕は片手しかないんだし、武器は一振りで十分であろう。




僕はベルクが目を輝かせて見つめ、その後でベルナがこの刀のヤバさに気づいたのか思いっきり目を見開いているのをよそに、その短刀をアイテムボックスへとしまう。



「間違いなく国宝クラスすら通り越した僕の最高傑作だ。これを使って冒険がしたければとっとと治すんだな」


「うんっ! ありがとうギンさん!」



ベルクの瞳には、もう先程までの緊張と不安は見て取れず、見た目の年齢通りの少年のような、輝きに満ち溢れた瞳をしていた事だけは伝えておこう。




「そんじゃ、魔力を制御するからそこに座れ」


「うんっ! お姉ちゃん喉乾いたから水頂戴っ!」


「はぁ......、今持ってくるわ」




こうして僕の魔力病の治療は始まった。




───さてと、一体何時間くらいで魔力制御を覚えるのかね?




僕はベルクの背に手を当てて、そんなことを思った。





☆☆☆





数時間後、僕はベルクの治療を終えて帰途についていた。



流石に今の今まで制御できていなかったものを最初から覚えるなど難しいことこの上なかったのだろう。才能があると思ったベルクでさえも数時間の時間を要した───なるほど、魔力病が不治の病と呼ばれる所以はそこら辺にあるかもしれない。



「さて、と。なんか疲れたし何処かで飯でも買って帰るかな」


───アイツらも今頃はゼウスとロキからの報酬受け取りで忙しいと思うし。



僕は今頃二人の神様からの謝罪の品や通常の報酬やらを選んだり受け取ってたりして忙しいであろう仲間達の顔を思い浮かべ、重くなったその体を引き摺って歩き出す。


ふと気付けば帝城付近に停車してあった月光丸はもう既に目の前まで来ており、予想以上に疲れが溜まっていたのだと思い知らされる。



「店は......っと、あそこでいいかな?」



僕はその直前で売っていた串肉店で串肉を大人買いした───ちなみに店主の僕を見た時の反応は面白かったです。



僕は串焼きをまるごとアイテムボックスに入れると、すぐ近くに停車してあった月光丸の扉を開ける。




「ただいまー......って誰もいないよな」



もちろん中は暗く、人の気配は無さそうだ───この月光丸には不審者や泥棒を撃退するためのありとあらゆるトラップが仕掛けられてるため、アイツらが帰っていないのならば暗くて当然だ。



どこかの懐かしい、一人暮らしの頃を思い出してしまうような冷たい空気を感じながら僕は廊下を歩き出す。



暗い中をしっかりとした足取りで歩き、食堂までたどり着いた、






────その時だった。





パチッ、と電気がつく音がすると同時に、誰も居ないはずの食堂に明かりが灯る。



思わず左腕で目を覆うが、それと並行して空間把握をなお広げる───が、依然としてこの部屋はもちろん月光丸自体にも生物の気配は無い。




通常ならばお化けや幽霊を疑い、恐怖に戦慄する所なのだろう。



けれど、僕には、これをしでかすような人物が思い至ったし、僕の直感もそうだと告げている。




───あぁ、人じゃなくて神様だったか。






光に慣れ、左腕を退けた先に居たのはやはり僕の思い描いていた神様で、今朝と同じく可愛らしい笑顔を浮かべていた。








「やぁ親友くん! 私は君の愛人になることにしたよっ!」





相も変わらずとんでもないことをぶっ込んでくる寵愛神様に向かって僕が言うべきことは、たった一つだった。








「すいません、お断りします」



エロースちゃんは諦めない!

果たして彼女は仲間入りを果たすことが出来るのでしょうか? 詳しくは次話にて。


次回! ギン、リハビリします!

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