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果たして加護とは......?

第三章 帝国編
第160話

『ギン=クラッシュベルが加護を受け取りました!』



何度見返してもその文言は変わることなく、僕の掌に収まるスマホの画面に映し出されている。因みにこのスマホはアイ○ォンではなくアン○ロイド型だ。


と、そんな事考えてるよりもやることがあるか。



「そうだな。どこの誰からの加護かは知らねぇが、まずはステータス開いてみろよ」


「加護か......。まさか目の前で加護の授与を見れるとは珍しいこともあったものだな」


「うーん......。私もまだ確認してない、けど。なんか変な感じする」



ゼウスが何やら引っかかることを言ってくれたが、どうやらステータスを確認するのに反対の奴は居ないようだ。



「それじゃ、誰の加護か確認しますかね」



僕はそう言って、もう使い慣れた言葉を口にする。





「『ステータス』!」






☆☆☆






「えええっ!?」←僕。


「ふむ? とんでもないユニークス......あれ?」←獣王


「はぁぁぁぁっ!?!?」←死神ちゃん。


「こ、これって......え、ほんとに?」←ゼウス。



称号一覧のその文字列と、ユニークスキル列の一番上を見て、僕らは驚愕に目を見開いた。

ゼウスでさえも想像だにしていなかったその神からの加護に目を丸くして声を上げたほどだ。




果たしてスクリーンに映し出されていたステータスとは、これである。








名前 ギン=クラッシュベル (19)

種族 吸血鬼族(始祖特異種)

Lv. 522

HP 4980000

MP 13600000

STR 3920000

VIT 3410000

DEX 5500000

INT 12600000

MND 9600000

AGI 6330000

LUK 522


ユニーク

開闢Lv.1 (new)

正義執行Lv.2

神化

妖魔眼Lv.2

万物創造Lv.3

神影Lv.2

空間支配Lv.2

スキル統合

特異始祖

魔導Lv.2

雷神風神Lv.2

エナジードレインLv.1

アイテムボックスLv.4


アクティブ

鑑定Lv.5

テイムLv.8

念話Lv.3


パッシブ

刀剣術Lv.4

総合格闘術Lv.5

鎌術Lv.3

縄操術Lv.7

棒術Lv.2

料理Lv.4

並列思考Lv.6

魔力操作Lv.5

超直感Lv.4

器耐性Lv.5

魂耐性Lv.4


称号

迷い人 神格 Sランク冒険者『執行者』『冥王』神王の加護 (new) 全能神の寵愛 狡知神の加護 創造神の加護 死神の加護 魔導神の加護 世界竜の友 名も無き才能 トリックスター 救世主 ロリコン 白天王の主 蒼天王の主 獅子王の主 暁天王の主 黒神竜の主 天馬の主 竜殺し 超越者 魔導の神髄


従魔

白金神竜プラチナムドラゴン

ゴッドオブ・ナイトメア

ブラッドギア・ライオネル

フェンリル

バハムート

ペガサス


眷属

オリビア・フォン・エルメス

マックス

アイギス






......お分かりいただけただろうか?






そう、『神王の加護』と『開闢』である。




だが少し待たれよ。神王だぜ、神王。



息子に嫉妬のあまり落としいれられて一瞬で上級神の群れを消し去ったと言われるあの世界神の一角にしてゼウスの祖父。


さらにはその世界神すらも纏めたと言われる神の中の神。王の中の王。



そもそも僕は神王と会ったことがないし、神王ウラノスという名前自体もつい一時間前に聞いたばかりなのだ。


......そんな相手に、間違いなく世界最強───それこそ混沌さえも倒せてしまえるのではないかと思えるような、正真正銘の最強が加護を与えるだろうか?




───と、そんな疑問は尽きないが、やはりまずは詳細を確認しよう。でないとなにも始まらないだろう。




僕は顔を上げて皆を見渡すが、皆が皆早くしろとばかりに視線で僕を急かしてくる。



「そ、それじゃ」



僕は彼女らの本気(ガチ)な目に少しビビりながらも、何故か震えるその指先でまずは『神王の加護』をタップした。



ピコン、と小さな音が鳴ってそのスクリーンに映し出されたのは、こんな内容であった。






神王の加護

神王の加護を受けた証。

開闢のスキルを会得。






「「「「.........」」」」



鑑定を使用したところで新しく何かが見えるわけでもなく、そこにはただその簡単な文字列が並んでいるだけであった。



きっと、「え、これだけ?」とかは言ってはいけないのだろう。それを皆分かっているからこそ何も言わないし、なにも語らない。


きっと『開闢』ってスキルが強いんだなぁ、と。



そう、僕らは未来へと希望を託すのだ。




───って言ってもまぁ、この漢字なんて読むのか分からないけど。




「っておい、語らないって言っといて語ってんじゃねぇか」


「これは、開闢(かいびゃく)、って読むんだよ?」


「開闢か......。全くどんなスキルか想像がつかんな。全能神殿は知らぬのか?」


「うん......、おじいちゃんに関しては私でも何しでかすか分からないし......、なにより、規格外。多分、今だって覗き見されてる。......でないとこんな奇遇、有り得ない」




おい、神王ストーカー説が現れたぞ? 大丈夫なのか神王、マザコンでストーカーで、更には息子に殺されかけたとか......、一体どんな人なんだよ、アンタは。......あ、人じゃなく神か。



と、そんなことを思いもしたが、少し真面目になることにした。



やはりゼウスでも世界神のトップに立つ神王ウラノスに介入することは出来ないのだろう。

今の今までゼウスの『全知』を見てきたところ、ある程度隠蔽能力の強い相手や、格上───そんなの世界神や混沌しか居ないだろうが───にはその能力も通じないと見える。


だからこそ、その神王ウラノス自身が製造したスキルなど、ゼウスにとっても、僕にとっても、パンドラの箱にすらなり得るブラックボックスそのものなのだ。




───さて、鬼が出るか蛇が出るか。




僕はふぅ、と一度息をつき、落ち着いた後に『開闢』とやらの欄を、指で押した。





果たして、そのブラックボックスの中身とは......、











開闢(ジ・オリジン)

全てを与え、守る根源の力。

世界を滅ぼす終焉(ジ・オーラス)と対をなす。

Lv.1= 終焉耐性・魔力共有







面倒なことになりそうな予感がビシバシ伝わってくる、ある意味最悪の能力であった。






☆☆☆





その後、ゼウスと死神ちゃんは天界へと帰還した。


ゼウスが去り際に「ふふっ、添い寝はもう少し後...ね?」と、意味深なことを言ったこと以外は大体何もなく、強いて言うならば彼女らを帰還させるために描いた魔法陣が帝城の庭にくっきりと残ってしまったことくらいだろうか?


まぁ、さして大きくもなく、更には目立たない場所にその魔法陣はあるため、何か悪事には利用されないだろうし、そもそも神界に並の人間が乗り込んだところで即殺害されるだろう。


───というか、そもそもどうやって作動させるか分からないし。



彼女らを見送った後、獣王は「少し昔の知人に手紙を書きたいのでこれで失礼する。ウイラムの事、助かったぞ」と、そんなことを言って去っていった。

きっと昔の知人というのは、かの『時の歯車』の面々の事であろうし、きっと死神ちゃんが言っていた『歯車のリーダー格』という二人に手紙を送るのではないかと思われる。あと忘れてはいけないのはエルザか。


まぁ、何について書くのかは大体推し量ることができるというものであろう。



というわけで、僕はさして何もやることがなく───というか、もう既に日付は変わり、三日三晩寝続けた僕としても翌日のことを考えればもう寝て起きたい時分である。



僕はそこらを歩いていた侍女さんに案内してもらった最初の部屋へと入り、ドアを閉めて、ふぅ、と一息つく。



時間的には起きていたのは数時間、といったところだが、神々の誕生秘話に僕のステータスと腕について、死神ちゃんの婚活の事情にルシファーの脱出と大悪魔メフィストフェレスとの邂逅。

後に神王の加護と、開闢(ジ・オリジン)のスキル。



「それと......これか」



僕は懐に入れてあった黒いスマホを取り出すと、ベットにぼふっと放る。流石に完全破壊不能はこんな事では壊れたりしないであろう。


僕は首に巻いていた赤マフラーをするすると取ると、換装の指輪───偶然左手に付けてて良かった───によっていつもの白Tシャツへと変身、歯磨きをするために洗面台へと向かう。


今日は疲れた。風呂は明日の朝でも遅くはないだろう。


そんな事を考えながら歯磨きを終えた僕は、のそのそと歩いてベッドへと向かった。




いつもとは違い、完全に独りな夜。


何だかんだでアイツらからの襲撃を警戒することなく、グッスリと寝られる素晴らしい夜。




───けれど、






「はぁ......、これじゃ、寂しがってるみたいじゃないか......」



僕は心の内に溜まるもやもやを追い出すために、日本にいた時のくせで咄嗟にスマホを拾い上げ、電源を付けた。




───すると、







『こんばんは、ギン=クラッシュベル。神王ウラノスです。そろそろその部屋の窓側の壁が爆発するから避難した方が良いよ? 割とガチで』






スマホに書かれたその文言を読んだ瞬間、僕は咄嗟にベットの上から緊急回避した。もちろん廊下側に向かって、だ。





───自称ウラノスの忠告通り、僕が借りていた自室の壁が爆発したのは、それとほぼ同時刻のことであった。




ドガァァァァンッッ!! と城中に響き渡るような音が聞こえ、それに少し遅れてパリィィン、とガラスの割れる音がする。



も、もう何が何だか分からないが、とりあえずありがとう! 本物かどうかは分からないけど自称ウラノスさん!



僕は心の中でスマホの向こう側にいるであろう神王へと感謝を伝えていると、爆発した壁の付近から話し声が聞こえてきた。




───それも、聞くだけで「うへぇ、やっぱりか」と言いたくなるような、今一番会いたかった馬鹿たちの話し声が。






「ちょっと!? ここ確かギンの部屋だよ!?」


「ふむ、済まないな。この即席で作った飛行機の調子が悪くて......どこかでミスしたか?」


「カカッ! 面白い乗り物じゃのう! 妾は飛べるから何かに乗って空を飛ぶのは新鮮だったのじゃ!」


「ううぅー、目が回るのですぅ」


「大丈夫ですか? 服脱いだら気持ちが良くなりますよ?」


「......お前のソレ(・・)は違う意味であろう?」


「は、ははは、し、死ぬかと思いましたぁぁ......」


「ね、ネイルさん!? 大丈夫ですか!?」


「.........腹減ったのである。もうこれ食ってもいいのであるか?」


「バッカ! 流石のレオン坊でもここに来てそんな事やらかしたら許さねぇぞ!?」


「ぐるぅぅぅぅ?」


「あ!? おいバハムートが食い始めたぞ!?」


「ヒヒィィィンッ!!」


「王よ、残念ながら藍月様も同じなようです」


「あぁぁぁっ、もう静かにしてよっ!!」




はぁ、先程までの静かな空気はどこへ行ったのか。


僕は先ほどの寂しがっていた自分をぶん殴ってやりたい衝動に襲われたが、残念ながら今の僕に時間遡行なんて出来るはずもなく。



のろのろと立ち上がった僕は、はぁ、とため息を一つつくと、愛すべき馬鹿どもへと向かって軽やかに話しかけた。








「時間考えろ、この馬鹿野郎共がぁぁぁッッッ!!!」








───その日、グランズ帝国の王都グリムに、十数人の男女の悲鳴と泣き声が響き渡ったというが、その真実は......、まぁ、想像にお任せしよう。



これで一応、第三章の本編終了です!

明日からは、膨大な量の閑話集が次々と投稿されてゆきますが、閑話とは名ばかりで後日談みたいなものです。


......もしかしたら新たな出会いもあるかもしれないので、是非お楽しみに!

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