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驚愕!? 何となくで書き始めたこの物語、なんと総合2000ポイント達成です!!

......初期は100も貯まればいいかなぁって思ってたんですが、継続って力ですね。

次は、この調子で目指せ3000!って感じです。


という訳で本編をどうぞ!

第三章 帝国編
第141話

「.........えっ?」



あまりの光景に、思わず声を漏らす。


それは他の面々───それこそ恭香も例外ではなく、皆が皆目を見開いて()を見ていた。




「あ、あの姿は......」



黒いリクルートスーツに、赤いワイシャツに黒ネクタイ。

オールバックに固めた髪に黒いハットを被った、身長二メートル前後の男性。





───その姿は、間違いなく......、






ふと、初めてレオンの人化をはじめて見た時、僕はどんなふうに思ったろうか、と考え、思い出した。



『こっちに来た時の僕をめっちゃ若くした感じ、って言えば伝わるのかな? 子供版の僕(・・・・・)、見たいな?』



と、僕の記憶が正しければ、こんなことを言ったはずだ。


加えて言うならば、イケメンであった。僕よりも、遥かに。




そして、今現在。




───もしも、もしもレオンが、大人になったとしたら?


───僕よりも年上だったとしたら?




と、そんなことを思ったこともあったが.........、まぁ、そんなのは考えるまでも無い明白な事であろうし、






───何より、今の(・・)レオンを見れば明らかだろう。







「さて、()もそろそろ本気で行かせてもらうぞ? 輝夜」





僕の面影をしっかりと残した壮年のイケメン(レオン)は、ハスキーボイスでそう告げた。



───その顔にはもう幼さは残っておらず、とてもかっこよかった。





のだが、




......ただ、憧憬とか言って僕に似せて変身するの、かなり恥ずかしいからやめてくれませんかね?






☆☆☆






「『魔導砲』」



レオンがそう唱えると同時に両の手に小型化した銃のような形状の大砲が握られる───いや、単純に体の一部を変形させているだけか。



───だけど、恐らくは先程よりもかなりヤバい代物だ。




「さて、まずは肩慣らしといこうか」



次の瞬間、ドゥルルルルルルッと音を立てて、先程とは比べものにならない程の密度の銃弾の嵐が輝夜を襲う。


───それは二丁の拳銃から放たれるマシンガンのようで、同じ銃使いである浦町が驚きに目を剥いている姿が見えた。




だが、それでもまだ輝夜には届かない。




ガガガガガッと、金属同士の衝突とは思えないような音が響き、輝夜が銃弾のその全てを撃ち落とし、はね返している。


───が、どうやら完全に足が止まってしまったようだ。


三割も出せば抜け出せるだろうに、どうやら本格的に一割程度しか使わないつもりらしい。



状況は完全なる硬直状態。


撃っては弾き、返しては撃つ。



どちらも傷を負うことはなく、ただただ無益な攻防が続いてゆく......、






───わけもなく。




その硬直を崩したのはレオンだった。




「ふむ......やはり効かぬか。それでは次だな」



そう呟くと、彼は両手の銃を消してから、こう唱えた。





「『黒天機翼イカロス』」



その瞬間、ギシャンガシャンと音を立ててレオンの背から機械(カラクリ)仕掛けの黒翼が現れ......、





「『仮装ゲイボルグ(・・・・・・・)』」



更にはその右手に黒色に染まった一本の槍が現れる。





.........って、ゲイボルグ? イカロス?



僕はそれらの名前とその武器?を見て少し疑問に思った。


イカロスはそもそも人物だし、ゲイボルグってケルト神話の英雄の持ち物じゃなかったか?

と言うかなんでレオンがそんな話知ってるんだ?



「ギクッ......」



───おい。まさかお前か?


そう心の中で問いかけると、彼女の首の関節部が錆びついたオートマタのようにギギギッとぎこちない動きでそっぽを向く。



「はぁ...、恭香(・・)殿、一体何を教えたのですか?」


「わ、私はなにも...」


「あ?」


「し、しし、神話の英雄達とその武器について教えましたっ!」


「それはレオン殿から?」


「は、はひっ! レオンが聞いてきましたっ!」



レオンの特性は主に、自身の体の変形とその材料の生成。


恐らくはレオンはその二つの特性を存分に生かすには何をすればいいかを考え、『神器を模す』という結論に至ったのだろう。

───その上レオンの体はかのブラッドメタル。その神器そのものを作ることは出来ずとも、それに近づけることは充分に可能なはずだ。


なるほど。かなり上手いこと考えたじゃないか。




「恭香が怒られてる姿、すっごい久々に見たのじゃ......」


「我は初めてかもしれんな......」


「あ、あはは......、初期は思いっきり殴られたり踏まれたりしてたもんね......」


そんな会話も聞こえてきたが気にしないでおこう。

───因みに言っておくが、僕は怒ってなんかないし、踏んだり蹴ったりしてたのは恭香が本だった時期だからな? 特にダンジョンにいた頃の。


......まぁ、踏んだり蹴ったりしてる時点でもうアウトか。



と、そんな会話を聞いた浦町が「君はSだったか。私ならМになることも可能だぞ?」とかほざいていたが、その間に試合が動き出した。




バサッ、とブラッドメタル特有の重さを感じさせないような軽やかな動きで空中へと飛び上がってゆくレオン。

───どうやらロケットブースターで補助をしているらしい。


......もうレオンだけ僕らとは戦闘というか、成長のベクトルが違う方向を向いていることについては触れない方がいいのだろうか? と、そんなことを考えてしまった。




「それでは行くぞ」



レオンはそう言い放つと翼をバッと広げ、魔力を溜め込んでゆく。



───そして、




「『追尾型レーザー』ッ!」



それと同時に魔力が赤い光線(レーザー)となって四方に飛び散り、カクッと曲がって輝夜目指して突き進む。



「なぁっ!?」



それには流石の輝夜も驚き、警戒したのだろう。


今の今までソウルイーターでの防御に専念していた輝夜が初めて攻撃を躱そうと動き出した。





───のだが、やはりこの世界において『追尾型』という単語は知られていないらしい。




数瞬後、赤い光線は輝夜が逃げ出した方向へとカクッと曲がり、慣性の法則など知ったことかと言わんばかりに速度そのまま追尾する。


それにまたも目を剥き、更に距離をとろうと動き出す輝夜。



───だが、輝夜の一割程度のAGIでは光線から逃げることも出来なかった。



時に直前で躱して光線同士を衝突させることで双方を消滅させ、時に地面へと激突させ、時にソウルイーターで弾き、切り裂き、消滅させ、更には魔法を放って光線を打ち消す。


だが、レオンの光線の弾幕は時間が経てば経つほどに、その質と量───つまりは密度が増えてゆく。



再び防戦一方に陥る輝夜。




正体不明なレーザーを放ち輝夜を攻めるレオン。



今のところ、防御ばかりの輝夜。





再び硬直化するかと思われたその戦いは、








「クッ......、そろそろ限界か......」




と、そんなレオン(・・・)の言葉によって、ひとまずの終息を迎えるのだった。






☆☆☆






最初、それはちょっとした疑問だった。



僕はレオンが例の『憧憬モード』とやらに入った際、一つの疑問を覚えたのだ。



───通常時、何故その姿に変身しないのか。と。



レオンは通常時、十歳前後のパーカー姿にしか変身しない。

例外としては戦闘時の軍服姿や、ライオンや武器の姿だろうが、それでも通常時は子供の姿と言って差し支えないだろう。


だからこそ、その疑問が僕の中にあったのだ。




だがしかし、それは少し考えれば分かることだったのだろう。



主なピースは全てで、四つ。



ひとつ、『憧憬モード』は通常の変身と違って明らかにステータスが上がっていたこと。


ひとつ、今の今まで見たことのない武器の数々。


ひとつ、レオンはそれを通常時は発動していないこと。


ひとつ、レオンの『限界』との言葉。




以上のことから導かれるその答えとは......、





「クハハッ! その状態には時間制限がある、ということであろう? レオンよ」



つまりは、そういう事だ。


正確な時間制限や、クールタイム、通常モードでの武器使用の制限───いや、これについては扱いきれないだけか───なんかは分からないし、かと言ってどうしてステータスが上がったか、というのもライオネルという種族の奥の手の様なものなのだろう。だからこそまだ未熟なレオンの限界はもうすぐ訪れるのだろうし、その上、通常モードではレオンに勝ち目は薄い。


つまり、レオンはその状態が解除される前に勝負を付けなければならないのだ。



「ふっ、確かに私のこの状態の時間制限は後少しだ。それにクールタイムも今の私では三時間以上かかる」




────だからこそ。




レオンは被っていたハットを手に取り、輝夜へと視線を向ける




一撃(・・)で決めさせてもらうぞ、輝夜」




瞬間、バチバチッ、とレオンの身体と仮装ゲイボルグから大量の雷が放たれる。




───雷神化。



僕の頭に、レオンが一度も使ったことのなかったその能力の名前が浮かび上がった。




「ククッ、我はいつでも迎え撃つ準備は出来ているぞ? 貴様の全てを受け止め、その上で木端微塵に踏み砕いてやるさ」



それを前に、余裕を崩さない輝夜。

───だが、ソウルイーターを構え、空間把握を発動しているという所を見ると、余裕でも油断は無いのだろう。




「ならば......ッ!!」



瞬間、レオンの身体から溢れ出す雷の量が増加し、その槍からは黒色の雷がとめどなく溢れ出す。



「ゲイボルグ。それはケルト神話における英雄、クーフーリンが使用したと言われる最強の槍の一角......なのだそうだ」



レオンは左手で輝夜へと照準を合わせ、ゲイボルグを持つ右手を後ろに振りかぶる。




「だが、ゲイボルグの真価は......」








───投擲槍として、発揮される。







瞬間、雷の力によって増幅されたレオンの力が、腰、肩、腕、指先へと順々に伝えられてゆき、その力の全てを注いだレオン最大最強の一投が、今放たれる。









「『黒式・ゲイボルグ』ッッ!!!」






シュン、と音すらも置き去りにする黒い稲妻が走り、それとほぼ同時にレオンの身体が(十歳)へと戻る。





そして、それと時を同じくして、ドガァァァァァッッと、槍投げの衝撃とは思えないような、会場中を震わせる爆発が起こったのだった。





───その直前、笑みを浮かべた輝夜がゲイボルグ目掛けてソウルイーターを振り下ろした所を僕の目は捉えていたが、それでもこれはなかなかいい所まで行ったのではないだろうか?



そんな期待を胸に、僕はその砂煙へと視線を集めた。


レオン君かなりハッチャケてますね!

果たして輝夜はゲイボルグを止められたのでしょうか?


※それとは別に捕捉です。

本編には描かれてはいませんが、恭香(人型)の身体能力はせいぜいが成人女性と同じくらいです。つまりはザコですね。完全な後衛です。


次回! 本戦第三回戦決着!

もしかしたら、とうとう○○○に突入!?

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