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街に到着!!

ギンがそこで見たものとは!?

第三章 帝国編
第108話

.........なんだ、この惨状は。



「仕方ないよ.........、救世主の称号のせいで好感度が上がりまくってるんだもん。」



恭香がそんなことを言ってくるが、僕の耳はその音声を素通りさせてしまった。



───それ程までに、異常な光景。






「なんでこの街の人が、みんな揃って.........」






場所は、国境線のすぐ向こうに位置する街、ブリット。





───僕らがそこで、見たものとは......










「.........黒いコート羽織ってるんだ?」






黒い死神のコートもどきを着た、老若男女の姿であった。






───どうやら僕は、とんでもない有名人になってしまったようだ。






変装しておいて、本当によかったです。







☆☆☆







エルグリット曰く、




「今日一日、この街で休むことにする。ここまではかなり辛かったからなぁ............チラッ」


「はぁ......仕方ありませんね」


「よっしゃァァァっっ!! おいアルフレッド! 変装してナンパに出かけるぞっ!」


「今の言葉を実の娘と王妃様の専属でもある私に聞かれていることをお忘れなく」




との事だった。



───ざまぁみろ、である。



どうやら明日の朝はまた六時に出発するようなので、息抜きも程々にな、と言われた上に僕も長旅でかなり疲れていたので、少し、仮眠を取ることにした。









───のだが。









「......我が眠りを妨げるのは誰だ......?」


「なにラスボスみたいな雰囲気醸し出してるのさ」




恭香が邪魔をしに来た。



なんなのこいつ? 頭でも沸いてんじゃないのか? こちとらゼロにかけ続けている『悪魔の指針ヴァンガードオブデビル』や、一応のためエルグリットやゼロを護衛させている計十体の影分身、それに常に張っていた三十キロの空間把握の影響でかなり疲れてるんだが?




「何だかんだですごい真面目だよね......普通なら遊ぶ所じゃない?」


「確かにエルグリットからは承認は得たが、今アイツを護衛してるのはアルフレッド一人だぞ? 万が一があったら困るだろ。護衛料貰えないし」




───それに、もう二度と、僕のミスで人が死ぬのを見るのは嫌だからな。


水井事件の二の舞にはなりたくないのだ。





「それで? 何しに来た?」


「何しに来たとはご挨拶だね。せっかくだから添い寝でもして、そのついでにデートでもどうかなって思ってたんだけど」




はぁ? デートォ?





馬鹿馬鹿しい。添い寝はまだしも、ここは他国。添い寝はまだしも、エルグリットの護衛の方が大切な............





───待てよ?





あの恭香がなんの理由も無しに、添い寝はまだしも、デートになんて誘うだろうか?



あの聡明な恭香が言うのだから何か、僕には想像もつかないような理由があるのではないだろうか?



そう、例えば『外にいた方がすぐに駆けつけられる』とか、そういう感じの理由が......。




はっ!? ま、まさかっ!?




恭香はその理由をさり気なく気づかせるためだけに僕の所へと来たのではないだろうか!?




───いや! そうに違いない!





「仕方ねぇな......添い寝はまだしも、僕は本当はデートなんてしている気分じゃないが、それでも僕には想像もつかないような壮絶な理由に加えてその健気さを鑑みて、ここは一丁、そのデート、受けて立つぜ」


「いや、私はギンとデートしたいだけなんだけど? それにさっきから添い寝添い寝言い過ぎ」




───このツンデレちゃんめっ!




「さぁ、行こうか恭香! 二人っきりのデートに...」





「「「「「行かせるとでも......?」」」」」




気付けば、部屋のドアから奴らが覗いていた。






────結局、レオンとマックスにお小遣いをあげて、僕は女子組と街を回ることになった。












───はずだったのだが。








☆☆☆







「なに? 今日ってデートじゃなかったの?」


「自分は串肉を食べに行きたいのである」


「私もデートする気満々だったんだけど......」





場所はグリットを出てすぐ近場の森の中。


───たまたまその中には広がっていた小さな広場のような所に、僕らは呼ばれた。


メンバーとしては、ネイル以外のパーティメンバー全員だ。ネイルは冒険者ギルドに行って先程預けた竜種の素材セットを売却しているはずだ。


ご愁傷さまです。今度なにか奢ってやろう。





「いやぁ、すまねぇな。後でデートしてやるから我慢しろよな?」


「......切り落としてオークの前に投げつけてやろうか? きっと雌と勘違いしてくれるぞ?」


「じょ、冗談だって......は、はは!」



馬鹿なことを言ったマックスの額に大量の汗が伺える。




僕達を呼んだのは騎士組───オリビア、マックス、アイギスの三人であった。



わざわざこんな所まで場所を移しての話なのだから......、まぁ、ある程度は重要な話なのだろうが.........



『実はよ......明日が国王様の誕生日なんだよ』



とかサプライズパーティを開こうとしている学生みたいな事言ってみろ? マジで切り落とすぞ?


───あれ、なんだか悲しくなってきた......何故だろう?



(単純に、誕生日を祝われたことが皆無だからでしょ?)



.......いや、家族になら毎年祝われてたんだぜ?




誕生日に我が愛しの妹から、



『兄さん、結婚してあげるから、養って』



と言われた時の、あのなんとも言えない感じ.........僕は忘れることは無いだろう。



しかもそれが毎年だ。


嬉しいのか悲しいのか......涙が止まらなかったぜ。




(妹がいた事実やそのニートっぷりには反応しない方がいいのかな?)



大丈夫、かなり前にそういう事を仄めかしておいたから。





「それで? 何でわざわざこんなところに呼び出したんだ? 僕は初デートというものに胸をときめかせていたんだぞ? そんな奴を呼び出して恥ずかしいとは思わないのかね?」


「.........いいよなぁ、お前は相手がいて、さ?」


「ふっ、自分とマックス殿は天涯孤独を貫くのである」


「よく分かってんじゃねぇか、レオン」


「ふっ、マックス殿こそ、な?」



.........なんか、ごめんね?



───少し前の自分を見ているかのような気分になった。







閑話休題。







「実はな、俺たち三人で話し合って、国王様にも相談したんだが.........、俺たちがお前らについていくには圧倒的に足りないものが、一つ、あるだろ?」



.........足りないもの?


僕らにツッコミを入れられる人員ではないだろうか?



(少し真面目に考えなよ?)



はぁ......、分かってるよ。



「僕らと力量が離れすぎている、って事だろ?」


「あぁ、そういう事だ」



そう、コイツらは単純に弱いのだ。



天賦の才を持つオリビアは、恐らくだが、前回の魔物進行でハイヒューマンに進化したのだろうし、マックスはやっと二つ目の魔剣を召喚可能に、アイギスのは見たことがないが、聖盾の新しい能力ももうすぐ引き出せそうなのだとか。



───だが、それでもまだまだ、弱すぎる。



せいぜいが、決死の覚悟で挑んで、赤ん坊同然の藍月と刺し違えることが出来る可能性が二十パーセント程度であろう。


勿論それは、三対一、での場合だ。一対一では話にならない。




───正直言って、オリビアなんかはアーマー君よりも弱いだろう。本当にひどい話だが。




「それで? そんな悩みを持つお前らが僕に頼み事、って時点で幾つかの候補に絞られてくるんだが......」




───実は、なんとなくだが、僕は彼らの相談内容について感づいていた。





頭の中を、とある映像が過ぎる。




それは、炎十字の製作に失敗したと思い、肩を落としながら辺りを見渡していた時のことだった。



ふとエルグリット、オリビア、マックス、アイギスが話し込んでいるところを見ると、エルグリットが酷く真剣な表情で、まるで睨むかのようにオリビアたちを見つめていた。



それを覚悟の決まったような目で見返す、三人。



それを見たエルグリットはため息を吐き、



「はぁ.........、もう好きにしろ。貴族共は俺が説得しておく。その代わり、オリビア。お前はもう、王族には戻れないかもしれないぞ?」



それを聞いたオリビアは、



「はいっ! 覚悟の上なのですっ!」


それに続いてマックスとアイギスも頷いてみせる。



そして、エルグリットは再びため息を漏らすのだった。








以上、回想終わり。









「僕が考えつくのは、稽古をつけてくれ、修行の旅に出るから止めないでくれ、魔法を教えてくれ、とか.........あぁ、これを言ってなかったな?」






僕はまるで、今思いついたかのように、僕の考えうる最も可能性の高い選択肢を、言い当てるかのように彼らに放った。








エルグリットがオリビアを睨んだこと。



「王族には戻れない」の言葉の意味。



オリビアの言う『覚悟』。



そして、彼らのいつに無く真剣な瞳。



そしてあの直前に、僕のフルパワーを目撃していたのだから、考えられる選択してしては限られてくる、というものだろう?












「僕の眷属にしてくれ、とかだろ?」





その言葉を肯定するように、彼女らは頷いてみせるのだった。







☆☆☆







十数分後。




そこには、僕と比べても矮小な翼と尻尾を生やした、三人の姿があった。




「.........今って夜だっけ?」


「朝ですよ、マックス。朝だからこそキツイのです」


「し、しにそうなのですぅ.........」





結局、僕は三人を眷属にしたのだ。



───いつまで経っても仲間を信用出来ないような状況は嫌だったしね。



それに、こいつらの才能をこのまま埋めておくのは勿体無い。


そもそもハイヒューマンの時点で真祖Lv.1の頃の僕よりも遥かに強い彼らだ。このままレベルが上がっていったらとんでもない事になるかもしれない。



まぁ、僕も加護でブーストしまくってるんだけどな。









.........えっ? 吸血シーン?





───もし野郎同士の吸血シーンをお望みなら描写するが?



誰もそんな映像を望んでいないことを期待するよ。






「って言うか、太陽当たってないのにそのザマとか......日中大丈夫なのか?」



現在地は森の中にポツリと空いた小さな広場、ドームのようになっており、日は当たっていない。


───一応僕の魂耐性、器耐性を共有させてあるから問題はないと思うが.........実際のところ、どうなのだろう?




そんなことを考えていると、






「せっかくだから、みんなのステータス、もう一度確認してみたら? ギンだってお姉ちゃんと戦って以来、一度も見てないんでしょ?」



恭香がそんな提案をしてきた。



───確かにあの後、輝夜やドラゴンの群れ(経験値の塊)、ユニコーンにでかい熊やバッファロー、それに加えて負けたとは言え、バハムート、それに伽月や藍月ともバトったし、なかなかのものになったであろう。




「それじゃ、一度、みんなのステータス、確認してみるか」


「みんな、って言っても私以外、なんだけどねぇ」





まぁ、こうして僕らは、お互いのステータスを見せあったのだった。







「「「「「「『ステータス』!」」」」」」

ステータスに関しては明日中に設定集として出しておきます。

次回! 通常話+アーマー君視点でお送りします!

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