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北海道は雪が積もってます。

とっても寒いです。

第三章 帝国編
第104話

瞬間、僕の目前の空間が歪み、そこから()()、二つの大きな塊が飛び出してきた。




白い方───体高1.5メートル程のペガサスの女の子だ。


───コイツはバハムートの野郎がどこかから攫ってきたのだ。やっぱりというかなんというか、コイツ()最初は生意気で仕方なかったんですよ? 殴って矯正させましたがね。






そして、黒い(・・)方。





───問題はこっちだ。






全長八メートル前後。体高としては三メートルほどだろうか?




まぁ、少し大きいが、馬車には丁度いい大きさだ。





───そんな、黒くてゴツゴツとした、仔竜(・・)







「紹介しよう、子供ペガサスと、仔竜のバハムート(・・・・・)だ」




「「「「「ば、バハムートッッ!?!?」」」」」





────どうやらこの世界では、バハムートは有名らしい。






「はぁ、この状況をどうしろと?」




そんな、恭香の溜め息混じりの声が聞こえた。






☆☆☆






この事態を説明するには、少し、時間を遡る必要がある。





それは僕がペガサスを殴り倒してテイムした直後の話だった。




『となるともう一体か.........うむ、お主になら預けることも出来そうだ。しばし待たれよ?『テレポートゲート』!』



瞬間、バハムートの隣に十メートルはあろうかという門が現れた。

輝夜の冥府の門のような黒塗りの入口ではなく、まるで異世界に通じているかのような、そんな歪み方をした、七色の入口をしていた───いや、それは出口なのかもしれない。




───何故ならば、






グギャァァァァァァッッッ!!!





そんな鳴き声が聞こえてきたからだ。





「.........もしかして今の?」



僕は思わず、そう聞いてしまった。






───その後に待つ、驚愕の真実も、つゆ知らず。







『うむ、我輩が腹を痛めて産んだ娘をお主にくれてやる。有難く思えよ?』




「.........えっ?」







────腹を痛めて?






────産んだ?







────娘......だと?





「おいおい冗談が過ぎるぜバハムート! 何が娘だよ? ただのゴジ○の鳴き声じゃねぇかっ! しかも......ぷぷっ! お前が女とかまじで笑......」



『ん? 言ってなかったか、我輩は雌だぞ?』







.........はっ?






「えっ......それ本気で言ってんの?」


『ククッ、人間には魔物の性別など区別が付かないからな。お主が我輩を「野郎」等と言っていたことには目をつぶってやろう』





.........こほん。





「おいバハムート、お前子供持ちの癖して僕について行くとか言ってたのかよ?」


『なるほど、聞かなかったことにする気だな?』



.........はて? 何のことやら。



「っていうか、僕にその娘とやらを預けてもいいのか? お前の夫の許可は......」


『うむ、夫は数年前に死んだぞ? まぁ、悲しみなぞ微塵もなかったがな、クハハッ!』



ひ、酷でぇ奴だな、コイツ......。



『そもそもアレはアイツが悪かったのだ。調子に乗って冥府神に喧嘩を売ったアイツが悪い。そもそも我輩もアイツのことあんまり好きではなかったしな』


「確かにそれはそいつが悪いけどさ.......」



───なんでそんな奴の子供を身ごもったのだろうか?


そういう疑問が頭を過ぎったが、まぁ、間違いなく生々しい話になるから止めておこう。






そんなことを考えていた時のことだった。





『ぬ? そろそろ来る頃か?』



そんなバハムートの言葉とともに、その門から一つの黒い塊が現れた。


まぁ、黒い塊っていうか、仔バハムート?






───そして、







グギャァァァァァァッッッッッッ!!!!






そんな鳴き声と共に僕へと襲いかかって.........







「ええっ!? な、なんで襲いかかってくるのッ!?」



僕は仔バハムートの爪を躱すと、ひらりと宙へと駆け上がる。



仔バハムートの目は怒りに燃えており、まるでそれは親の仇を目の前にした娘のようでもあった.........って!




「ま、まさかっ!? バハムートっ! てめぇ何かやりやがったな!?」



バハムートの方を見るが、時既に遅し。



『さぁ、未来の婿よ、我輩の娘が欲しくば力づくで従わせてみせるがいいっ! まぁ我輩が嫁いでも良いのだがなッ! それではさらばだっ! クハッ! クハハッ! クハハハッ!』




奴はこう言い残して去って行ったのだった。




───それこそ、僕ではとうてい追いつけないような速度で。









以上、回想終わり。







「まぁ、こんな感じで誤解を解くついでにボコってテイムして来たってわけさ」


「「「「「.........」」」」」



僕を待っていたのは沈黙だった。


というか、何だか恭香以外の全員がフリーズしてるけど......大丈夫だろうか?





───そんなことを思っていた時だった。








「みなさーーん!! ちょっと待ってくださーーーいっ!」




門の方から緑色の髪の女性───まぁ、ネイルなんだけど。そのネイルが背中には大きなリュックサックを背負って、こっちへと駆けてきたのだった。




瞬間、僕は思い出した。




───そう言えばギルド行ってないし、ネイルって確か、僕の専属だったっけ? と。







専属ギルド職員。




彼らは基本的に(・・・・)SSランク以上の冒険者にのみ配属され、




彼らの役割としては、







────その冒険者について行き、その行き先での受付及び動向の監視をすること。






「私もギンさん達に同行しないと行けないんですよっ!? なんで呼んでくれないんですかっ!?」



まぁ、つまりはそういう事だ。



「ちなみにギンがすっかり忘れてたみたいだから私が伝えといたよ」


ドヤる恭香。


──がしかし、


「伝えといた、って私に連絡きたの三十分前ですよっ!? この三十分でギルドから報酬を預かり、旅の準備をし、新しいギルドカードを預かったり、旅の準備をしたり、とっても忙しかったんですからねっ!?」



何故、旅の準備を二回も言ったのだろうか?



「っていうか、報酬とか新しいギルドカードのこと完全に忘れてたよ......たしか依頼が終わったからAランクになるって言ってたか?」



そう、確かネイルは『この依頼が終わったらAランクに昇格』みたいなことを言っていたのだ。


だから今回はそのAランクのギルドカードを......





「? あぁ、いえ、ギンさんは今回の大進行の一番の立役者として、貢献したので、今回はSランク(・・・・)に昇格ですよ?」




.........あれっ?




「いや、お姉ちゃんを止めておいてAランク止まりにさせるわけがないじゃん。SSSでも問題ないくらいだよ。.........まぁ、その上(・・・)はまだ無理だけどさ」



まぁ、たしかに今の僕の実力なら、間違いなくSSSランクなのだろう。


エルグリッドが元SSSランク冒険者なのならば、僕もそれくらいはあるに違いない。





だが、恭香は今、なんて言った?





───その上......だと?




「お、おい恭香、その上って...」


「なっ!? な、ななな、何ですかこれはっ!?」



残念ながら、僕のその問いはネイルの驚愕の声によって遮られた。



ネイルの目の先に居るのはフリーズした面々と、ペガサスに乗って戯れるオリビア、それにバハムートの姿が。


───それにしても、もうペガサスに乗っているとは......流石はオリビアだな。




「まぁ、気にするなよ、な?」


「気にしないわけがないじゃないですかっ! あれってもしかしなくてもペガサスですよねっ!? しかもあっちに至っては.........ま、まさかっ!? 世界竜の血統───黒神竜ですか!?」


「へぇー、バハムートが世界竜で、その子供は黒神竜なんだな......初めて知ったわ」


「否定してくださいよっ!?」


「そう言えばアイギスの能力って何なの?」


「無視ですかっ!?」


「あっ、私の能力は『聖盾召喚』ですよ?」


「「ええっ!?」」






まぁ、こうして、僕の新パーティが結成された。





『執行者』ギン=クラッシュベル


『理の教本』恭香


『神童』白夜


『滅亡の使徒』輝夜


『神獣』レオン


『神狼』暁穂


『第二王女』オリビア


『魔剣士』マックス


『聖盾の担い手』アイギス


『黒神竜』バハムート


『天馬』ペガサス


『専属ギルド職員』ネイル






───よし、次は後衛か中衛を仲間にしよう。




そんなことを思った。


新たな仲間は、バハムート、ペガサス、ネイルの三人でした!


それとさらっとでしたが、アイギスの能力は『聖盾召喚』です。.........聖盾って一体、なんて読むんでしょうか?




《ちょっとした会話》


ネイル「そう言えば私がハーフエルフなのって知ってました?」


ギン「ええぇっ!? は、ハーフエルフだったのか!?」


ネイル「し、知らなかったんですか......」

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