Mar - Apr
Kazuyuki Takishita
Yoshimasa Tsuchiya

土屋仁応 /
彫刻(木彫)

  • 土屋仁応は生物をかたどる芸術表現の可能性を問いつづける彫刻家です。現実に存在する動物や、神話に登場する動物をモチーフとした木彫作品を作っています。
    土屋仁応は彫刻家として多くの「いきもの」を彫っていく中で、いきものが枝分かれし、拡がって、進化していくという系統樹的な進化の過程を意識するようになっていきました。
    「いきもの」一作一作には、土屋仁応がその生態を見つめ、声を聞いてきたものたちの「いきざま」が彫り込まれています。極限までなめらかに仕上げた木肌による、やわらかなフォルムの「いきもの」は、玉眼に水晶やガラスを使用し、まるで光を放っているように見えます。
    いのちある全てのものが各々に与えられた形と魂の神秘性をとらえる土屋仁応の世界は多くの人を惹きつけています。

  • 1977年
    神奈川県出身。
    2007年
    東京藝術大学大学院文化財保存学彫刻博士課程修了。
    2009年
    「彫刻新時代 vol.3 土屋仁応展」日本橋高島屋美術画廊X、「夢をたべる獏が夢みる夢」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
    2015年
    「MEDITATION」Jaski Gallery /アムステルダム。
    2019年
    「Sacred Eyes」令和元年度第4期所蔵品展特集展示横須賀美術館/ 神奈川、「楽園―土屋仁応展」日本橋三越本店美術特選画廊/ 東京、「祝祭」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
    2021年
    「森之神話」AKI Gallery / 台湾、「森の神話」熊野古道なかへち 美術館/ 和歌山、「鵺-土屋仁応展」高島屋東京日本橋他、 「キメラ」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
    2022年
    「Daydreaming Forest」Jaski Gallery / アムステルダム。

土屋仁応は生物をかたどる芸術表現の可能性を問いつづける彫刻家です。現実に存在する動物や、神話に登場する動物をモチーフとした木彫作品を作っています。
土屋仁応は彫刻家として多くの「いきもの」を彫っていく中で、いきものが枝分かれし、拡がって、進化していくという系統樹的な進化の過程を意識するようになっていきました。
「いきもの」一作一作には、土屋仁応がその生態を見つめ、声を聞いてきたものたちの「いきざま」が彫り込まれています。極限までなめらかに仕上げた木肌による、やわらかなフォルムの「いきもの」は、玉眼に水晶やガラスを使用し、まるで光を放っているように見えます。
いのちある全てのものが各々に与えられた形と魂の神秘性をとらえる土屋仁応の世界は多くの人を惹きつけています。

1977年
神奈川県出身。
2007年
東京藝術大学大学院文化財保存学彫刻博士課程修了。
2009年
「彫刻新時代 vol.3 土屋仁応展」日本橋高島屋美術画廊X、「夢をたべる獏が夢みる夢」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
2015年
「MEDITATION」Jaski Gallery /アムステルダム。
2019年
「Sacred Eyes」令和元年度第4期所蔵品展特集展示横須賀美術館/ 神奈川、「楽園―土屋仁応展」日本橋三越本店美術特選画廊/ 東京、「祝祭」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
2021年
「森之神話」AKI Gallery / 台湾、「森の神話」熊野古道なかへち 美術館/ 和歌山、「鵺-土屋仁応展」高島屋東京日本橋他、 「キメラ」MEGUMI OGITA GALLERY / 東京。
2022年
「Daydreaming Forest」Jaski Gallery / アムステルダム。

「自分から湧き上がる
イメージの純度を高める」

土屋仁応

次のテーマは『色の世界』
人物像にも挑戦したい

土屋仁応 写真

空想上の生き物はもちろん実在する動物であっても、土屋仁応さんの木彫はどこか幻想的な雰囲気をまとっている。その根底には、仏像が存在している。
「大学の研修旅行で向源寺の十一面観音像を見て衝撃を受けました。仏像は文字が読めない人にもメッセージを伝えるものだからこそ、戦争の時代を超えて残されました。人々に何がなんでも守らなければと感じさせる美しさや迫力があったのです。そこに近づきたいという思いが生まれました」
仏像彫刻を専攻しながら、動物モチーフの作品を手がけるように。写実とは異なる「自分でイメージした動物像」は仏像に通ずるところがある。
「動物の顔は表情を完全に読み取れません。怒っているようにも笑っているようにも、怖い顔にもかわいい顔にも見える。仏像と同じように、こちらの心情を勝手に反映させているのでしょう。自分のイメージを投影した部分と動物そのものの形の中間くらいでつくっています」
さらには今回、採用された麒麟のような神話に登場する生き物も数多く手がけている。
「空想上の動物をつくるのには抵抗がありました。正しくないとか、間違った麒麟と言われるのではとビクビクしていました。資料を調べてもバラバラで……でも、誰も見たことがないのだから当たり前です。自分流の麒麟でいいと考えるようになりました。麒麟は平和な世の中に現れるそうなので、人々が平和な時にこうあってほしいという姿を形にしています」
昨年、アムステルダムで個展を開くなど活躍の場は世界に広がる。ただ、外国での評価はあまり意識していない。
「そういうことを考えてつくると実感が薄まり、つまらなくなる気がします。表面的なものにとらわれないように、自分の中から湧き上がってくるイメージの純度を高めた方が遠回りのようで近い、正しい道ではないでしょうか。どこの国でもどの時代であろうとも、何か人の心に残る形や色、イメージがあると信じています」
次に、土屋さんが挑戦したいテーマは「色の世界」。その先には、もう一つの難題も待ち受けている。
「彫刻は形のものですが、また別に『色の世界』がある気がします。それが形の世界に混じったり、乗っかったり、うまく作品に取り込めたらと考えています。あとは、いつか自分で納得のいく人物像をつくりたいですね。想像上の動物は人間の願いや恐怖心が形になったもの。そこに関心があるのだから、本当は人間に興味があるのかもと思ったりもします」

土屋仁応 写真
土屋仁応 写真