挿絵表示切替ボタン

配色








行間

文字サイズ

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
103/667

補足です。

死神のコートの背中に描かれた紋様。

→丸い魔法陣もどきみたいなものの中心に十字架の描かれたものだと思ってください。


.........何だかんだで描写がなかったですね。すいませんでした。

第二章 冒険者編
第91話

ドンッ!




そんな音を鳴らしながら僕は地を蹴る。


どうやらフェンリルも同時に地を蹴ったようだ。





僕らはお互いへと肉薄する。





───そして、






「はァァァッッ!!」




僕が居合の要領で一閃したブラッドナイフと、奴の牙が激突する。




あまりにも高威力な攻撃同士の激突。


大気は震え、大地は割れる。


衝撃だけで辺りの魔物を消し炭にし、その衝突音は街中まで響いたことであろう。



───まぁ、それも仕方ないだろう。何故なら今のは、僕が現時点(・・・)で出せる全力だからだ。




そうして僕とフェンリルは硬直状態に陥る。





が、それも一瞬のことだった。





「Gugalalilalalalalalalala!!!」


「くぅっ! 『エアロック』!」




完全に押し負けた。




牙で完全に勢いを殺され、右前脚での渾身のフックを食らった。


何とか直前に前脚にエアロックをかけることが出来たが、それでも僕の身体は放物線なんて生易しいものではなく、地面と平行の線を描いて飛んでゆく。


───まぁ、街とは逆方向だったってのが唯一の救いか。




「くっ、『鑑定』っ!」


だが、殴られる直前、僕はガードをすると同時に鑑定をする。もちろん対象はフェンリルだ。


くっくっくっ、僕もタダでは転ばないぞ?





そうして出てきたステータスは、こうだった。








名前 未定 (350000000)

種族 フェンリル (弱化+簡易隷属)

Lv. 568

HP 1498000

MP 1360000

STR 18410600

VIT 592000

DEX 5110900

INT 2010000

MND 500600

AGI 18600000

LUK 100


ユニーク

神狼化

魔導Lv.1

限界突破Lv.3

天駆

気配断絶Lv.1 (共有)


アクティブ

ブレスLv.3

身体強化Lv.5

威圧Lv.4


パッシブ

爪術Lv.5

体術Lv.4

疾走Lv.3

並列思考Lv.4

魔力操作Lv.3

気配察知Lv.4

危険察知Lv.3

全属性耐性Lv.2


称号

神族『神狼』神殺し 竜殺し 超越者 魔導の神髄






............えっ?





「......なに? フェンリルって呪いがなかったらこれより馬鹿みたいなステータスしてんの......?」


さ、さすがにパワーアップした僕でも呪いがなかったらと思うとゾッとする。


『さすがにフルパワーのフェンリルを相手にするなら私が止めてるよ。それにしても、隷属........ねぇ。弱化は風神様が封印する時にしたものだとしても、隷属なんて.........一体誰が.........?』


いや、たしかにそれも気になるけど今さらっと僕の見てたステータスの事言ってなかった?



.........もしかして恭香って僕の視界でも共有してるんですか?




僕は付近の空間を支配し、無理に体勢を整えながらも相手へと視線を向ける。




「でも、まぁ。通常時のフェンリルなら執行者モード使う必要も無いかな?」




『...............えっ?』


何故か恭香の驚く声が聞こえる。


えっ? 僕の視界共有してるなら僕がロキからステータスを譲り受けた後のステータス見た時も見てたってことじゃないのか?


『そ、その時はまだ視界の共有は使ってなかったんだよ、

色々と能力が増え過ぎてね.........』


そ、そうですか......。



「ま、簡単に言えば『ごっめーん♡ ゼウスと交渉したんだけど四パーセント前後しかダメだって言われちゃったー!』とか言いながらも全ステータスに一千万(・・・)ほど追加されてるんだよ。............どんな化け物じみたステータスしてやがるんだ?」


そう、予想以上に想定外であった。


前に言った『進化してステータスを貰ったとしても輝夜には届かない』ってのを完全に無かったことにしたい。



『なぁっ!? す、少なく見積もっても二億以上だよ!? それって!』


.........やっぱり恭香ってステータスとか閲覧出来ないの?



『う、うん。私の創造者? 製造者がね.........。うん、ぶっちゃけると狡知神(・・・)様なんだけどさ......』








............はっ?






「......まじ?」


『......うん、マジだよ』




.........これからはアイツのことはお義母さんとでも呼んでやろう。



───気が向いたら、だけど。







そんなことを考えている時のことだった。






「Dbyfxnkkihtcnooeszbaaaaaaaa!!!」




ようやく僕らに追いついたフェンリルが、僕の隣を併走していた。



すっかり雑談に集中してはいたが、僕の身体は未だに空中なのだ。地上一メートルくらいを延々と飛んでいる。


と言うか吹っ飛ばされている。


まぁ、フェンリルが追いつくのに時間がかかるのも頷けるさ。






まぁ、だけどさ、





「......お前、少し僕のこと舐めてないか?」



瞬間、僕の身体中から溢れる、今までの全魔力の数倍(・・)はありそうな魔力。

さすがにこれにはギョッとしたのか、フェンリルも目を見開いていた。


───奴が逃げ出すのには、一拍ほど、時間があった。





......だからそれが油断してる───舐めてるってことだろ?




「今度はこっちからも攻めさせてもらうぜ?『雷龍召喚』!!」



瞬間、僕の上空へと向けた掌から蒼白い(・・・)雷龍が召喚される。


膨大な魔力の影響を受けて蒼白くなった電流を身体中に纏い、発散し、その一つ一つが落雷と同程度の威力を持っていた。




「まだまだ行くぞ!『不死鳥召喚』『水龍召喚』!!」


今度は右の掌からは蒼白い炎を纏う不死鳥が召喚され、更には身体中を激流を纏った水龍が召喚された。



触れるだけで一瞬で人間を溶かす程の熱を持った不死鳥。


触れるだけで身を粉微塵に切り刻まれる体を持った水龍。





雷龍、不死鳥、水龍。



僕が今作れる、最強の魔法生物だ。





「くっくっくっ、........これくらいで死ぬなよ?」




僕は翼を広げ、エアロックをかけて勢いを完全に殺すと、上空へと挙げた右手を逃げ出したフェンリルへと振り下ろす。





「さぁ、僕を舐めた罰だ」





街からは随分と離れた。


付近に街や村はない。





────これなら本気で(・・・)やれる。






まるでその考えに同意するかのように三体はフェンリルへと向かって突撃していったのだった。







☆☆☆






雷龍、不死鳥、水龍はそれぞれのスペックとしては、せいぜいがSSSランクの最上位と言ったところであろうか?


とてもじゃないが、フェンリルとまともに渡り合うには力不足。それがパワーアップした僕の、今の限界であった。




───だが、それは一体で、の場合だ。






不死鳥がその嘴から蒼炎のブレスを放出する。


───どちらかと言うとレーザーみたいな感じだ。



「Vjnncsfklpmbrqaaaaaa!!!」


すかさずフェンリルも氷のブレスで対応するが、





「僕のこと忘れてない?」




突如背後に現れた僕によって、背中に肘打ちをくらう。


元々僕は気配を消して暗殺することに特化した能力なのだ。

その能力が付け焼き刃のユニークスキル如きに負けるはずもない。当初は驚いたが、あの程度の気配遮断なら僕でも出来るのだ。



───まぁ、エルザには負けるけどね。




ゴスッ、と鈍い音が響き、あまりの威力にフェンリルはブレスが一時中断させられる。


だが、不死鳥のレーザービームは未だ止んでいなかったようだ。ブレスの隙間から現れた蒼白い光が、フェンリルの右前脚を貫通する。



「Gklnvxsfjokvswaaaaaaaa!!!」


脚に走った激痛に、思わず悲痛な叫び声をあげるフェンリル。どうやらフェンリルの防御力だけならば三体でも問題なさそうだ。



フェンリルは不死鳥よりも僕の抹殺を優先したのか、僕へと噛みつきを放ってくる。


───ま、いい判断であろう。だって相手は不死(・・)鳥だもの。残念ながら僕も不死だけどね。



僕は咄嗟に空へと逃げてその牙を躱すが、フェンリルもどうやら諦める気は無いらしい。


フェンリルは空気を蹴り(・・・・・)、旋回しながら空中を駆け上がってくる



「なぁっ!?」


天駆のスキルって、そういうことかっ!?




いきなり空を駆け始めたこと。


攻撃を受けた脚で普通に走っている事。


それが今までと遜色が無いほど素早かったこと。



そんな驚愕に、僕の身体は一瞬の膠着を見せる。






────それがいけなかったのだろう。




「Donbydszcbll'aaaaaaa!!!」


「ぐはぁっ!?」




気付けば、僕の身体はフェンリルの上顎の牙に貫かれていた。



同時に、燃え上がるフェンリルの牙。


───恐らくは魔導でエンチャントしたのだろう。



「ぐがぁぁぁぁぁぁッッッッ!?」



損傷体制を持つ僕でさえも叫び出すほどの高熱。



や、やばい! まずった!


そんなことを考えたが時既に遅し。



僕の身体を内から焼く超高熱の炎(・・・・・)


僕の腹を貫くフェンリルの牙。



「ま、まずい! このままでは炎の影響で回復できずに、腹に刺さった牙のせいでやられてしまうっ! 早く逃げないとっ!!」


『不味いよギン! このままじゃ死んじゃうよっ! まさかないとは思うけどした顎でロックされたら終わりだよっ!』


「そうだなっ! まさか無いとは思うが、もしも万が一、下顎でロックなんてされたら最早逃げ出せまいっ!」





死にそうなのに呑気なヤツらである。





まぁ、そんなことわ騒いでいればフェンリルと言えども反応せざるを得ないのだろう。



───思いっきり下顎でロックされた。




「うわぁぁぁぁっっ!! 恐竜の牙の隙間から上半身だけで出るみたいな状態だーー!」


『ギンっ! 死んじゃ嫌だよーー!!』



そんな僕達の反応に思わずニヤリと笑みを浮かべるフェンリル。



───コイツって本当に自我が無いのだろうか......? まぁ、自我はなくとも頭は働くってことだろう。







だけどさ、ちょっと周りも見た方がいいんじゃないか?





「Ghckhxbaaaaa!?」


どうやら奴も気づいたようだ。



────自分の身体の周囲360度を球体を描くかのように、水龍と雷龍が旋回している、という事に。





「だから油断するなって言ってんだろ?」



先程までとは打って変わって悪い笑みを浮かべた僕の分身(・・)は、ボンッと音を立てて靄になって消滅する。





くっくっくっ、僕が油断なんてするかと思ったか?





作戦を何重にも考え、罠を張り巡らせて、



その上で、真正面から叩き潰す。





───完膚なきまでに、な。








「お前は僕の仲間にするって決めてんだよ。今の内に誰が上か思い知らせてやるさ」





地上で魔力を貯め続けた僕は、フェンリルに向かってそう言い放つ。




「『水雷月禍』ッッ!!」




魔導Lv.2

『水雷月禍』

雷龍召喚と水龍召喚の合体技。

二体の龍が保有する全魔力を放出することによって、荒れ狂う水流と鳴り響く雷鳴を相手へと発射する。

相手を囲んだ状態での攻撃の場合は全方位からの攻撃になるため、回避することは不可能。






突如、フェンリルを中心とした大爆発にも似た衝撃音が、僕を襲う。


あまりの音に、最早フェンリルの悲鳴すらも聞こえず.........










────あれっ、まさか死んでないよな?





そんなことを思った。

まさに圧倒!

このまま勝負を決められるのかっ!?


次回、急展開です! 多分?

ブックマーク機能を使うには ログインしてください。
いいねで応援
受付停止中
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
感想を書く
感想フォームを閉じる
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項についてはこちらの記事をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはこちらの記事をご確認ください。

⇒感想一覧を見る

名前:



▼良い点

▼気になる点

▼一言
《番外編》 Silver Soul Online~もう一つの物語~ チート(スキル系)ほぼ無しの技術と頭脳でVRMMOの世界を突き進みます! よろしければご覧ください。 SSO
X(旧Twitter)・LINEで送る

LINEで送る

+注意+

・特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はパソコン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
▲ページの上部へ