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ギンたちの会話 (Ver.エルザ)



エルザ「うふふっ、子供たちと遊んでくれてどうもありがとうございました」


ギン「いや、別にこっちも楽しかったからいいんだけどさ」


エルザ「ふふっ、せっかくですし私から一つほど忠告? まぁ、フェンリル戦への注意事項を教えてあげますね?」


ギン「............えっ?」


エルザ「フェンリルは神族です。常に神化のスキルを使っているようなものですから、ステータス見ても驚かないようにして下さいね? 油断してたら死にますよ?」


ギン (.........何でそんなことまで知ってるんだ?)


第二章 冒険者編
第88話

あの後、一時間半びっしりと使ってしまったため、少し急いで東門へと向かっていた。


どれくらい急いでいたかと言えば、屋根の上を走ってショートカットしなければならないほどには急いでいた。





まぁ、そんなこんなで数分後、僕は東門へと着いたわけだが.........






「おお! 主様っ、やっと来おったかっ!」




目の前には銀髪セミロング(・・・・・)金色(・・)の瞳をした少女がいた。


金色の刺繍の入った白地の軍服、軍帽に、純白のマント。


身長は145cm......くらいだろうか? 年齢としては13歳くらいであろう。




「.........誰だお前?」



結論、


同じ呼び方をしてくる幼女(・・)は知ってはいるが、こんな美少女(・・)に見覚えは皆無だ。




「なにぃぃぃぃっっっ!? わ、妾を覚えておらぬと言うのかッ!? 酷いのじゃぁぁぁっっ!!」





妾?



のじゃ?




............あれっ?




「.........まさかとは思うけど.........白夜?」


「......うん.........ぐすっ」


「..................何か悪いもの食ったのか?」


「食っ取らんわっ! 妾はただ進化してグラマラスになっただけなのじゃっ!」



.........グラマラス、ねぇ。



チラッ。




「おい白夜、他のみんなはどこにいるんだ?」


「おい主様、今露骨に話をずらした理由を教えてもらえるかのぅ?」


「ん? はっきり言ってやろうか?」


「............オリビアたちはあっちなのじゃ。今頃は拠点で作戦会議でもしておるのじゃないのかのぅ?」


うん、聞かなくて正解だよ、絶壁(白夜)ちゃん、。






「そう言えば白夜はどれくらい強くなったんだ?」


僕は白夜と並んで拠点へと向かっている途中、気になったのでそんなことを聞いてみた。


まぁ、輝夜と同程度には......



「ぬ? ステータスだけなら輝夜よりは上じゃと思うぞ? 魔導も覚えたみたいじゃしのぅ.........。あっ、そう言えば風神様から加護が貰えたのじゃっ!」



.........どうやら予想以上だったみたいですね。


しかもオーディンからの加護とは.........噂では脳筋野郎みたいだけど、オーディンって一応最高神なんだぞ?



「......ちょっとステータス見せてもらってもいいか?」


「うむ! もはや主様よりも上.........では無さそうじゃのう。主様はどれだけ強くなったのじゃ? 魔力量が輝夜の二倍ほどありそうじゃぞ?」







.........えっ?




「ま、まじ.........?」


「なんじゃ? ステータス見とらんのか?」


し、仕方ないじゃないか、孤児院に着いたら見ようと思ってたのに、着いた途端にいきなり超生物(エルザ)が出てきてそれどころじゃなくなったんだから.........。



「.........見てみるか」


「先に妾のステータスを鑑定して目を慣らしたほうが良いと思うぞ? 流石の妾でも今の主様のステータスを気楽には見れそうにないからのぅ......」



そ、そうですか.........。


白夜がそこまで言うのなら、冗談抜きでヤバイのだろう。今の僕のステータスは。







────そしてその僕が気配すら掴めないエルザは。



.......本当に何者なんだろうか? あの人。





そんなことを考えながらも、僕は白夜に鑑定を使う。



「『鑑定』!」







名前 白夜 (1082)

種族 白金神竜プラチナムドラゴン

Lv. 1

HP 710000

MP 212000

STR 489000

VIT 751000

DEX 169000

INT 209000

MND 820000

AGI 1098000

LUK 400


ユニーク

神化 (new)

風神化Lv.1 (new)

時空間魔法Lv.5 ↑+1

魔導Lv.1 (new)

限界突破Lv.1

ダメージカットLv.5 ↑+1

忠誠心Lv.5 ↑+1

変身Lv.3 ↑+1


アクティブ

ドラゴンブレスLv.3 (new)

念話Lv.2

威圧Lv.5 ↑+1


パッシブ

竜神鱗 (new)

総合格闘術Lv.1 (共有) (new)

爪術Lv.5 ↑+1

並行思考Lv.2 ↑+1

気配察知Lv.4

全属性耐性Lv.4

痛覚耐性Lv.4

状態異常耐性Lv.4 ↑+1

呪い耐性Lv.3


称号

神格 (new) 風神の加護 (new) 竜神の加護 闘神の加護『白金神竜』神童 耐え忍ぶ者 超越者 ギンへの忠誠 魔導の神髄 (new)











「なぁっ!?」



ま、マジで輝夜より強くなってやがる!




し、しかもこの防御力と回避力.......


これに風神化とやらでも使われた日にはとんでもない事になりそうだな.........。



攻撃の当たらない鉄壁の完成である。



「.........さすがの僕でもこれは超えられないんじゃないか? 特に敏捷が圧倒的だし.........」




動きを捉える前にやられちゃうんじゃないか?




と、そんな事を言おうとした時だった。






『この扉を開けたら最後、もう弱者には戻れないよ?』




いつかのロキの言葉が頭を過ぎる。






まさか.........だよな?




「カカッ、主様だって薄々感づいておるじゃろう? 今の主様は強いぞ? 間違いなく妾たちよりはな?」



何故か、その言葉に反論は出来なかった。




手を握って、開いた時の感覚。


日光を受けた時の感覚。


歩いた時の感覚。


警戒状態に入る時の感覚。


魔法を使った時の感覚。


走った時の感覚。



もしかしたら僕は、自分のあまりにも飛躍的な進化に、薄々気づいていたのかもしれない。







「『ステータス』」






まぁ、こんな感じで、僕は"弱者"を卒業した。











名前 ギン=クラッシュベル (19)

種族 吸血鬼族(始祖特異種)

Lv. 1

HP 424520

MP 1559000

STR 410600

VIT 402000

DEX 610900

INT 1410000

MND 1106000

AGI 658000

LUK 1000


ユニーク

正義執行Lv.1

神化 (new)

万物創造Lv.1

神影Lv.1

空間支配Lv.1

スキル統合

幻魔眼Lv.1 (new)

特異始祖 (new)

魔導Lv.2 ↑+1

雷神風神Lv.1

エナジードレインLv.1 (new)

アイテムボックスLv.3


アクティブ

鑑定Lv.3

テイムLv.5

念話Lv.1

演技Lv.1


パッシブ

刀剣術Lv.2 ↑+1

総合格闘術Lv.2 ↑+1

鎌術Lv.1 (new)

並列思考Lv.4 ↑+1

魔力操作Lv.4 ↑+2

超直感Lv.2 ↑+1

物魔耐性Lv.3 ↑+2

状態異常耐性Lv.2 ↑+1

損傷耐性Lv.3 ↑+2

混乱耐性Lv.3

精神耐性Lv.1 (new)


称号

迷い人 神格(new) Bランク冒険者『執行者』全能神の寵愛 狡知神の加護 (new) 創造神の加護 死神の加護 魔導神の加護 ロリコン 白銀竜の主 獄夢の主 神獣の主 竜殺し 超越者 魔導の神髄 詐欺師


従魔

白金神竜プラチナムドラゴン

ゴッドオブ・ナイトメア

ブラッドギア・ライオネル






☆☆☆






しばらく歩いて、僕たちは防衛拠点とやらに到着した。


どうやら輝夜は真面目に拠点作りをしたらしく、もうどこを見ても完璧としか言えないような雰囲気だった。


「......いつの間にか防壁まで出来てるしな、もうこの戦いって僕がフェンリルを捕獲出来るかどうかしか問われてないんじゃないか?」


「おやっ? フェンリル捕獲してくれるのっ? いやんっ、好きになっちゃいそうっ♡」


「お前みたいなJKに好かれてもなんにも感じねぇよ」



いつの間にか僕の腕に絡みついてきているロキ。


.........エルザも大概だがコイツも大概だよな。



「んんっ? エルザ? .........多分人違いだよねぇ......?」


多分あってますよロキさん。緑の髪をしたエルフのエルザだよ。


「ええっ!? え、エルザってこの街にいたのっ!? 私たちが街を守る意味ないじゃん!」



.........エルザってやっぱりヤバイの?


「いやいや、あの人ってば神様でもないのに偽装や隠蔽のプロフェッショナルだからねぇ......私も狡知神とかトリックスターとか呼ばれてるけど.........あの人の手際を見たら自信なくしちゃうよ。そもそも君の相棒でさえ気づいてないんでしょ?」


「あっ!」



そうだ、恭香はたしか、


『この国に白夜ちゃんより強い人は居ない』


と、断言したはずだ。


ゼウスでさえ全面的に肯定した恭香すらも欺くとは.........マジでやばい人なんじゃないだろうか?



「そりゃあ最高神と同じくらいは強いだろうからねぇ」



......あの人やっぱりとんでもない奴だったんだな。



そう感傷に浸っていると、白夜がこんなことを言い出した。


「その、エルザ、とやらは誰かは知らんが、お主よりも強いのか? 狡知神ロキよ」



.........確かにどっちが強いか気になるね。



『トリックスター』ロキ VS 『超絶逸般人』エルザ



もしこれが観戦できるのなら五十万払ってでも見に行きたいね。


───身の安全が保証されているなら、だけど。




「私とあの人が戦ったら.........ねぇ。考えたこともなかったけど多分私だろうね。技術はあっても自力が違うからねぇ」


「.........あの人地力あるよな?」


「うん、フェンリル殴り倒すくらいは行けるんじゃない? 神様でいうとテュールと同じくらい? あぁ、ちなみにフェンリルは今の君よりも圧倒的に強いからねん♡」




............何が弱者卒業だよ。まだまだ周りは強い奴だらけじゃねぇか。








そんなことを話していると作戦会議室に到着した。



その部屋の中には、恭香、輝夜、レオン、オリビア、マックス、アイギス、愚王、ブルーノ、ネイル、それに加えてフランや冒険者数名、それに騎士達も居るようだ。



コンコン、とドアをノックする。


一応この中は真面目な話してるんだし、礼儀くらいは正しくした方がいいだろう。


───両腕に女子中学生が引っ付いてるけど。




「ん? ギンか? 入っていいぞ」


との愚王の声が聞こえたので、僕は室内に入る。



丸い机を囲んで再上座にはエルグリッド、その隣には何故か輝夜。その逆隣にはネイル。そうしてほかの席に他の面々が座っている、と言った感じだ。


───ちなみに空いてる席は二つだけだった。




「妙に遅かったじゃねぇか? 何かあったのか?」


気安く話しかけてくる愚王。



「あぁ、なんか化け物みたいな人に拉致られてな」


「そ、そうか......? まぁいい、今はフェンリル率いる魔物の群れとの戦いの方が優先だからな」



そりゃあそうだろう。


そもそも今の時点では問題点や不明点が多すぎる。

今の僕じゃあフェンリルには勝てないだろうし、ロキのステータス譲渡や、それに加えて出来れば白夜や輝夜に控えておいて欲しい。



───負けるつもりは無いけど、一応ね。




そんなことを考えながらも席に座ろうとしたら、もうどっちも座られていた。



「おい白夜、いまなら僕の膝の上に乗せて抱きしめてや...」


「さぁっ! はやくすわるのじゃっ!」


「おう、すまないねぇ」


「どういたしましてなのじゃっ! えへへぇー」




結構座った僕の膝の上にちょこんと乗ってきた白夜をそのまま放置(・・)しながら、僕はエルグリッドに視線を向ける。





「こほん、......それではギンやドラゴン娘も来たことだ、もう一度作戦を説明するが、質問は最後にするように」



僕の視線に気付いたのであろうか。珍しく王様モードに入ったエルグリッド。




そんなエルグリッドが語りはじめた作戦は、こうだった。




①こちらの隊列としては、僕と恭香、フラン率いる冒険者たちが先頭、レオンとブルーノ、マックスにアイギスが率いる騎士達が真ん中、そして一番後ろにオリビアやエルグリッドがロキと一緒に控える、ということになった。



②魔物だけが突撃してきた場合は僕や冒険者たちが余力を残しつつも撃破、遊撃の白夜、輝夜ペアが補助する。フェンリルが突撃してきた場合は僕がその相手を務めながらも街から引きはがす。


ちなみに後者の場合は、ある程度群れのカタが着いてから白夜、輝夜ペアもこちらへ向かい、ピンチの際には僕を手助けするそうだ。ロキが力を貸す条件とはいえ、元々は神々の責任だ。一人で戦わせて無駄死にさせるのは躊躇われる、との神々の結論らしい。



───なら普通にリンチすればよくね?


とはえ言えなかった。フェンリルが可哀想で。



③街の住民に関しては領主が尽力し、食料などについては商業ギルドのギルドマスターが補助する。また、ロキが結界を張っているので衝撃波だけ(・・)なら問題ないらしい。



④ゼウスが調べたところ、『あの中級神、フェンリルに呪いかけてるね。......たぶんフェンリルは自我が無くなってる。.........できれば助けてあげて?』との事らしい。

中級神如きが神狼フェンリルに呪いなんてかけられるのか? と思ったが、どうやら長い時間をかけて呪いをかけ続けたようである。




まぁ、簡単に言えばこんなものだ。


敵が撤退したら追うな、とか、僕たちの戦いには近づくな、とか、そういう細かな注意事項はあったが、僕が気にしても仕方のないものばかりであった。



「なにか、質問はあるか?」


エルグリッドは僕の方を見据えてそう聞いてくる。



「いや、僕は無いな。とりあえず僕はフェンリルを何とかして無力化し、捕獲すればいいだけだろ?」


最悪弱らせてからテイムでもすればいいしね。

今の僕じゃあフェンリルと殺り合うのはキツイだろうけど、これからロキのステータスを譲り受け......





そんなことを考えた時だった。




「くふふっ、ギンくんってば、フェンリルを舐めてないかい? あの子は確かに私の子供じゃあないけど、神器みたいなものなんだよ。つまりはフェンリルは私の血を直接受け継いだ神族。それを捕獲とか、余裕ぶっちゃって大丈夫?」




ロキが満面の笑み───ただし目だけは笑ってない───で、僕にそう聞いてきた。




.........分かりきった質問をしてくるな、コイツは。






「確かにあのフェンリル相手に捕獲とか、正直言って無謀だし、危険な事だと思う。もしかしたら今の僕じゃあ勝つことすらも難しいのかもしれない」




それ程までに、あの神狼(フェンリル)の強さは桁違いだ。


今の状態の白夜と輝夜が一緒になっても勝てるかわからないような、そんな相手だ。




そんな相手に向かって油断なんて出来ないし、慢心なんかも出来やしない。




───もしそんな事をしていたら一瞬で狩られるだろう。










だけどさ。











「くっくっくっ、神狼なんてかっこいい奴、この僕が仲間にしないわけが無いよなぁ?」






────なにせ、僕は傲慢だからね。










こうして時は、プロローグまで遡る。




彼らと、魔物たちの戦争は、すぐそこまで迫っていたのだった。


どうやら期せずして第100回目でプロローグに突入することが出来そうです。


次回! 多分プロローグへ入ります!

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