第二話です。
サブタイトルに名前がついてるのが改稿後。
なんにもついてないのが改稿前デス。
目の前に現れた透明なウィンドウ。
ソレの前にしばし茫然としてしまったが、けれどもすぐに正気に戻ると、恐る恐るそのステータスっぽい奴へと視線を向ける。すると――
☆☆☆
名前 未定 (19)
種族 吸血鬼族(真祖)
Lv.1
HP 100
MP 500
STR 200
VIT 80
DEX 200
INT 300
MND 60
AGI 150
LUK 100
ユニーク
真祖
マップ
影魔法Lv.1
アイテムボックスLv.1
影の王Lv.1
経験値3倍
吸血
眷属化
アクティブ
創造Lv.1
水魔法Lv.1
風魔法Lv.1
付与魔法Lv.1
鑑定Lv.1
威圧Lv.1
パッシブ
小剣術Lv.1
危険察知Lv.1
全属性耐性Lv.1
混乱耐性Lv.1
称号 迷い人 創造神の加護
☆☆☆
「……これステータスやん」
天を仰ぎ、僕は絞り出すようにして呟いた。
……まあね、とりあえずツッコミどころは無数にあるよ。
え、いやなに吸血鬼って、とか。
え、なにこのチート臭いスキル装備、とか。
え、迷い人って嫌な予感しかしないんだけど、とか。
まあね、とりあずそういう疑問……というか不安? いったん頭の片隅に置いておいて、まずは現状の理解に努めようと思う。
まずは名前。
これは未定になってるし、後で適当に決めておこうかな。別に思い出せもしない名前に未練があるわけでもなし、そもそもいつまでも『未定』のままとか不便だしな。
さて問題は次からだ。
一番気になってる種族の文字へぴこんと触れると、まるでスマートフォンを触ったような感触が指に返ると同時、新たな文字列が浮かび上がってくる……の、だが。
吸血鬼族(真祖)
吸血鬼の真祖
普通の吸血鬼族とは一線を画した能力を持つ。
場合によっては吸血鬼の弱点を克服した個体が現れることも。
……いや、どういうこと?
それが最初に出てきた考え。
そもそも僕って人間なんですけど。出自こそ
そんなことを思いながらも同時にこうも思う――これって俗に言う『チート』ってやつじゃね? と。
吸血鬼って言ったら弱点が多いからこそ成立しているような化け物の成り損ないだろ? それが……え、いや『弱点を克服』とか、もうそれ一生物として成立しちゃおかしいレベルじゃん。どっかのハートアンダーなブレードさんと同レベルじゃん。
そう冷や汗を流しながら、何だか嫌な予感してるスキルの方へと指を動かす。
すると案の定――
☆☆☆
【ユニークスキル】
真祖
超回復(HP、MP)と不老、変身スキルが使えるようになる。
マップ
半径三十キロメートル内のマップを見ることが出来る。敵性生物は赤、味方は青、それ以外は黄色、自分は緑となってマップに現れる。細かい設定可能。
影魔法Lv.1
影を操ることの出来る魔法
使える魔法
Lv.1 影縫い 影刺
アイテムボックスLv.1
スキルレベル×百の種類を入れておける時空間倉庫。
中は時間が止まっている。生物は入れられない。
影の王Lv.1
気配、魔力、匂い、音などの全てを遮断できる。
ステータスを偽装できる。
経験値3倍
会得経験値が3倍になる。
吸血
血を吸うことでHP、MPを回復する
眷属化
血を吸ったものを自分の眷属にできる
眷属の種族は吸血鬼となり、主のスキルを3つだけ共有できる。
【アクティブスキル】
創造Lv.1
材料さえあれば何でも作れる。
スキルレベルが上がればより高性能なものが作れる。
水魔法Lv.1
水を操ることの出来る魔法。
使える魔法――
Lv.1 ウォーターボール ウォーター
風魔法Lv.1
風を操ることの出来る魔法。
使える魔法――
Lv.1 ウィンドカッター ウィンド
付与魔法Lv.1
スキルレベルに応じて様々な特性を付与できる。
鑑定Lv.1
物の本質を見ることが出来る。
ステータス閲覧可能。
威圧Lv.1
相手を威圧し、怯ませる。
【パッシブスキル】
小剣術Lv.1
小剣を操りやすくなる。
危険察知Lv.1
危険を事前に察知する。
危険であればあるほど頭の中に警鐘が響く。
全属性耐性Lv.1
全ての属性に対する耐性が上がる。
混乱耐性Lv.1
混乱に陥りにくくなる。
☆☆☆
「一体僕にどうしろと」
そのスキル群を見つめ、思わずつぶやいた。
普通、こういうのって人助けをして神様の目に留まったものすごーくいい人にしか与えられないものじゃないのか? 僕とか運動神経皆無、頭はいいけどそれ以外には大した才能もない微妙な一般人だぞ。もちろん人助けだってしてないし……。
「……と、とりあえず確認し直すか」
なんだか途中から考え出してもきりがないということに気が付き、そう無理矢理に自らの思考をシャットダウンさせると、改めてそれらのスキル群へと目を落としていく。
まず気になるのは……『超回復』かな。
超回復の文字へと指を当てればその説明が現れる。
その説明によると……うっわ、常時発動系な上に、なんか部位欠損レベルでも一分もすれば元に戻るらしい。凄いですね、真祖って。
ほかにも『変身スキル』は……へえ、蝙蝠とかになれるらしい。
やっぱ吸血鬼は蝙蝠だよね。と考えながらも『不老』の説明を流し読む。なんか人生で一番肉体が『強い』時期から一切成長しなくなるみたいですね。ふざけんなって吐き捨てたい。
と言うわけで次にマップ。
これは結構便利だな。
もし街に行くことになったとしても、相手が一発で敵か味方か分かるってのは大きい。
ひとまず細かい設定が可能だということだったので、マップのスキルに反応するのは十センチ以上の生物で、マップは範囲は十キロ圏内に設定しておいた。
虫にいちいち反応したくないからね。
少しとばしてアイテムボックス。
これも便利。どうやら発動したら時空に歪み見たいのが出来て、その中に手を突っ込んで取り出したいものを思い浮かべるらしい。
今は何か入っているのかと思って探ってみると、ズボンにシャツ、コートっぽい物に加えて、……物騒だな、なんか短剣っぽい奴とか、よくわからないでっかい辞書っぽいのまで入ってる。ま、とりあえず触ってみただけだし、後でもっかい確認しておこう。
お次は影の王。
これはいいスキルだ。
単純に敵から逃げるのに最高の力だ。
なんかもう半ば分かってきたけど、ここたぶん異世界ですし。普通に考えてまず『魔物』とか出てきても勝てっこないでしょうし。逃げ一択ですし。
それで次、魔法系。
影魔法、水魔法、風魔法、付与魔法、の4つ。
魔法ってのも使ってみたかったし、あとで試してみようということで放置。
次に創造スキル。
これは……うん、何気にものすんごい製作チート。
正直これを手に街とか行ってポーション売りになったらぼろ儲けできる気がする。正直こっからどうなるかは想像がつかないけど、一応そういうことも考えておこう。
最後に全属性耐性。
僕が一番気になったのはこれだ。
全属性って事はその中にもちろん光も入っているはずだ。
するとどうだろう。
僕、日に当たっても大丈夫じゃね?
なんて気になってくる。
いや実際、かなり弱体化はされるだろうが大丈夫だろう。だと思う。そうに違いない。じゃないと僕永遠にヒッキーする羽目になりそうだし。
後で切った爪の端っこでも陽の光の下に投げ飛ばして実験してみるかな、そもそも出口分からないけど。
と、そんなことを思いながらもステータス欄の最後へと視線を移せば、そこにはなんだかんだ言いつつ、今迄のスキル欄より衝撃的な事実が記されており。
「……『創造神の加護』、ね」
明らかにやばそうなその言葉。
それを前に、僕はゴクリと喉を鳴らしてその文字をタップした。
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