暑いかと思えば、ズルズルと雨が続いたり……。いつもと違った夏の気候の影響か、身体の不調を今でもひきずっている人が多いのではないだろうか。人気の鍼灸師・若林理砂さんは、不調改善のキーワードは、湿気と語る。
「いま、身体には夏の熱が入ったまま、湿気がこもっている状態。それをうまく排出できずにいると全身の機能が低下し、あらゆる不調が出てきます。食欲不振や胃もたれ、めまいがその例。イライラもしやすくなります」
暑いかと思えば、ズルズルと雨が続いたり……。いつもと違った夏の気候の影響か、身体の不調を今でもひきずっている人が多いのではないだろうか。人気の鍼灸師・若林理砂さんは、不調改善のキーワードは、湿気と語る。
「いま、身体には夏の熱が入ったまま、湿気がこもっている状態。それをうまく排出できずにいると全身の機能が低下し、あらゆる不調が出てきます。食欲不振や胃もたれ、めまいがその例。イライラもしやすくなります」
そんなときに試したいのが、お灸と近い効果が望めるペットボトル温灸。
「ペットボトルにお湯を入れ、ツボの周辺に軽く当てるだけ。本物のお灸とは違って広い面を刺激できるので、位置が正確にわからなくても問題なし。お灸のようにやけどの心配もなく、誰でも手軽に始められます」
ほかにも生活習慣に少し気を付けるだけで、不調を改善できるという。
「熱を下げようと、冷たいものを飲むと、一瞬は熱が取れるものの、すぐにまた戻ってしまいます。冷蔵庫の飲み物はそのまま飲まずに、コップに注いでしばらく置き、できるだけ常温に近づけてから飲みましょう」
さらに効果的なのが、入浴のときに汗と一緒に熱を発散する方法。40℃前後のお湯に浸かるだけだ。
「時間の目安は、鼻に汗がにじむくらいまで。体温調節が上手にできるようになり、これからの季節の変化にも対応できるようになります」
今回はペットボトル温灸で、秋口に現れやすい症状を改善するツボをピックアップ。秋の夜長にゆったりとした気持ちで試してみよう。
若林さんが提唱するペットボトル温灸は、身体の中にこもった熱を発散し、不調を改善してくれる簡単メソッド。ホット専用ペットボトルに60〜70℃のお湯(水100mlを先に入れ、熱湯200mlを注ぐとだいたい70℃に)を入れ、ツボ付近の皮膚をペットボトルの底や側面、角を使い分けながら3〜4秒押し当てて、熱いと思ったら離す。熱いと感じなくても、3〜4秒経ったら離す。これを3〜5回、リズミカルに繰り返す。衣服の上からではなく、肌に直接当てよう。
「刺激するツボの順番は必ず守ってください。また、お手軽だからと欲張らず、一日に刺激するのはお悩み2つ分までに留めること。いずれも守らないと、“灸当たり”で翌日だるくなったりクラクラしたりすることがあります。1週間行っても改善しないときや、逆に悪化してしまった場合は、病院を受診してください」
(左)10本のつまようじを輪ゴムで束ねる。初心者は20本でも。下の舌診で熱タイプとなった場合は、ペットボトルではなくつまようじで刺激すべきツボがある。
(右)ホットドリンク用の容量350㎖の空のペットボトル。コールド専用のものは耐熱性がないので、キャップがオレンジ色のホット専用を選ぶこと。
左が「熱タイプ」。舌が赤く、薄い状態の人。男性に多く、冷房に強くて暑がりな人が多い。気血の流れを促進して発散させるよう促す必要がある。
右が「冷タイプ」。舌の表面が白っぽく腫れぼったい状態の人。歯形が舌についていることも。現代の女性に多く、季節問わず冷えを感じる、典型的な冷え性タイプ。
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