ツボ刺激によって体調を整える。これは鍼灸院での施術に限った話と思われがちだが、ツボ療法はセルフケアでも十分可能。まずはツボについて鍼灸師の若林理砂さんにレクチャーしてもらおう。
「ツボの正式名称は“経穴”と言って体内エネルギーの出入り口に当たります。複数のツボがネックレスのように連なったものがエネルギーの道すじの“経絡”です」
不調が現れている場所から遠くに位置するツボを刺激して効果が得られるのは、この経絡の流れがあるから。体表のツボ刺激で内臓の不調が改善するのも同じ理屈。
「ツボは日によって凹んだり出っ張ったりするので、お灸で熱を加えたり、逆に鍼で熱を散らします。刺激して心地いい、または痛いという場合は効いている証拠」
とくに若林さんが推奨しているのが、素人でも安全にできるペットボトル温灸と爪楊枝鍼。
「どちらも皮膚に当たる部位が大きいので、目安の場所を刺激することでツボに当たる確率は高いと思います。体の反応を観察しながら試してみてください」