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本編、最終話となります。

今まで応援してくださって、ありがとう!

エピローグ
Epilog-3『灰村解の大切なモノ』

 僕には夢があった。


 それは、大切なことだった。

 過去を変えたい。

 黒歴史を無かったことにしたい。

 そう思うのは当然だと思うし。

 他人から見ればそうでもなくとも。

 僕からすれば、とても大切なことだった。


 ふと、空を見上げる。

 後ろを振り向くのは辛いことだ。

 かと言って、前だけ見るのも少し疲れる。


 だから、たまに空を見るようにした。


 僕の日常は、少しだけ変わった。


 二人と一匹にボコられたり。

 海外からシオンが飛んできたり。

 アルバイトしてたナムダが泣きついてきたり。

 当然のように生き延びてやがった深淵の奴らに『おかえりなさいのパーティ』みたいなのをやられたり。


 あ、そうだそうだ。

 あいつ、成志川。

 あの野郎、記憶が戻った途端、あの黒髪少女と別れてエニグマ先生とくっついたんだけどさ。

 ただ……これまた面白いことに、今度は黒髪少女が成志川を強奪しようと頑張ってるらしい。

 あの子、本当は成志川の事が好きなだけの、ツンデレだったんだと。


 けっ、ハーレム野郎め。


 というわけで、ハーレム野郎とは絶交した。

 そう言ったら成志川が泣き始めたため、仕方なく友達の最底辺で我慢してやることにした。


 まぁ、そんなこんなの日常で。

 変わってそうで、……うん。もしかしたら何も変わってないのかもしれない。

 成志川がハーレムクソ野郎になっただけ。

 それだけの変化だ。


 過去を変えるということは。

 今を変えることに他ならない。


 ふと、そんな言葉が頭に浮かんだ。

 誰の言葉だったのだろう。

 よく分からないけれど。

 今思えば、確かにその通りだと僕は思う。


 人は生きている。

 みんなが何かを積み重ねて。

 いつしか塔になったものを。

 未来の人が、歴史と呼ぶ。


 その中のひと重ね。

 わずか数ミリ。

 それを抜きとるということは、それだけ塔頂部分に変化が生じる。

 今回はほんの数ミリの変化で済んだようだが……下手をすれば、その塔が崩れ落ちてもおかしくは無い行為だった。


 そこまで気づき。

 僕は今になってしみじみ思ってる。


 ちなみに後悔はしていない。


 僕の願いは本物だ。

 あの当時の僕に同じことを言ったとしても。

 きっと、当時の僕は何も変わらず、笑って突っぱね、駆け抜けただろう。


 ほんと、厄介な男。

 頑固さの塊のような男だ。

 それに相対した霧矢に同情するよ。

 ま、あいつの自殺を阻止したことだけは、あの時の僕のファインプレーだったと思うけど。


 そこまで考えて、僕は前を向く。

 季節は流れて、夏の真昼間。

 図書館から帰ってきた僕は、馴染みのあるマンションに入り、借りている階へと向かった。


 玄関のドアを開けると……うげっ、また遊びに来てるのか、シオンのやつ。


「おーい、家主が帰ったぞー」

「なはは! ヤヌシってなんだ! 食えんのか!?」


 相変わらず馬鹿丸出しのシオンがいて。

 僕は、何も変わらないなぁと苦笑する。


「お? なんだなんだ、なんか買ってきたのか! メシか!」


 シオンはそういって、僕の抱える本へと視線を向ける。

 その視線を受けて、僕は満面の笑みを浮かべてその本をシオンへみせた。



 過去を無理に変えるのは良くないこと。



 痛いほど思い知った。

 僕は方法を間違えた。

 ならばと、僕はこの一ヶ月悩んでみた。


 そして、僕は考え至ったのだ。


 無理やり変えるのが悪いなら。

 自然に変えれば良いのでは? とな!


 僕は満面の笑顔を浮かべ、彼女に言った。



「なぁ! 7つ集めたら願いが叶うオーブってのがあるらしいんだけど! タイムスリップしてみる気は無いか、シオン!」


「少しは懲りやがれ! このイカレぽんちが!!」



 僕はシオンにぶっ叩かれた。



《完》



妄想クラウディア、これにて完結となります。

長かったようで短かった数ヶ月間。

ここまで応援して下さって、ありがとうございました!


最終回を挟んでのエピローグ3話。

計170話で完結となりました。


もしかしたら、ここで『あれっ、学園祭と正統派武闘会どうしたの? 作者てめぇ忘れてんじゃねぇだろうな』という意見を抱く方が出てくるかもしれません。

ですが、そこはご安心ください。

時間を見て、番外編として執筆します。


まぁ、長々と書いてみましたが。

兎にも角にも、読者の皆様には感謝しかありません。


今後も色々な作品を執筆していきますので、どうぞよろしくお願いします!


以上、藍澤建でした!

2021年も良い年になりますように!

アディオス!!

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