
●更新日 12/01●
タイで邦人女性殺害「タイはめっちゃいいとこ!」
11月25日、タイ北部スコータイで、日本人女性が殺害された。

遺跡公園内・寺院遺跡入り口近くの草むらで、旅行者・川下智子さんの死体が発見されたのだ。
首や腹を鋭利なナイフで刺されており、現在、タイ警察が捜査中とのこと。

川下さんは、遺跡めぐりの最中、事件に遭ってしまった……
現場は、人通りがたいへん少ない、スコータイ遺跡の西端。
スコータイで遺跡をめぐる場合、最終地点になる地点だ。
そこは非常にのどかで落ち着いた雰囲気の、たいへん静かな場所。
人気(ひとけ)のないところなので、事件現場になってしまうと、気付かれにくいポイントだ。

遺体には、乱暴されていたらしき形跡も見つかり、大変痛ましい事件となってしまった。
川下さんとみられる女性と、男性が食事していたという目撃情報が報道されており、
ネット上では、「1人旅で旅先で知り合った男性と食事するなんて」等、
旅行先での行動を批判する意見も目立つ。

川下さんに非があったかどうかは、捜査が進まないと分からない。
しかし、同じバックパッカーとして、タイに1人旅をした経験を持つ立場からすると、
タイという国自体や、タイの遺跡が、特に危険な場所だとは言えない。
日本が安全だと言われているが、最近のニュースを見ていると、安全だとは思えない。

「100%安全な場所」など、世界のどこにも存在しない。
「被害者が悪い」などと、軽々しく口にしていいものではない。
どんな国、どんな場所であろうと、加害者が一番悪いのだ。
現地から更新されていた川下さんのブログには、「タイはめっちゃいいとこ!」「タイ人めっちゃいい人ばっかり!」などと書かれていた。
タイ人には実際いい人が多いとは思うが、いい人「ばかり」ではない……
ブログには、
バンコクからチェンマイに向かう途中だというタイ人の女性が、ヒッチハイクをしていたわけでもないのに、わざわざ私の所にバックしてくれて『乗らないかい?』っていってくれたんです! まさに神様降臨!!(中略)さらに良さげなゲストハウスの近くまで連れて行ってくれました。
……という記述も。これについて、現地ジャーナリストの犬巻カオル氏は、
「ドライバーは、連れて行ったゲストハウスからバックマージンを貰ってますね」
と分析する。東南アジアではよくあることだ。
この程度の小銭を掠め取られる程度ならたいしたことはないが、見ず知らずの人の車に乗ってしまうのは危険な行為。
ただ、旅先で「助けてくれる人」が現れると頼りたくなるもの。川下さんを責めることはできない。
現地の目撃情報では、「犯人は日本人男性だったらしいよ」という話もあるが……
詳細は今後の捜査の進展を待つしかない。
川下智子さんの御冥福を心よりお祈りいたします。
梅宮貴子
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