3月9日(土)夜の部「10年前を待ちながら​」

来場者用「ミナコ」視点 事前情報

■登場キャラクター
キャラクター① ミナコ/生徒会長 25歳

(15歳時)

10年前の音雨(おとあめ)中学の卒業生。
生徒会で「生徒会長」を務めていた。
勉強がよくでき、全校生徒の憧れの的で
高嶺の花のような存在だった。
中学卒業後は東京の進学校にすすみ、
その後都内の大学の法学部へ。
正義感が強く、将来の夢は「警察のキャリア組」である。
みんなに会うのは、10年ぶり。
実家は「音雨時計店」。

キャラクター② ハルカ/生徒会副会長 25歳 


(15歳時)

10年前の音雨中学の卒業生。
生徒会で「副会長」を務めていた。
生徒会と演劇部を兼任していた。
明るく活発で人見知りしない性格。お調子者な一面も。
好きなものについては話が止まらなくなる。
中学卒業後は市外の高校へ進学。
卒業後、東京の劇団「ミルキーウェイ」に所属し、
小さいころからの「女優」になる夢を追っている。
音雨市にある喫茶店「喫茶音雨」の娘。

キャラクター③ モカ/書記 25歳 

(15歳時)

10年前の音雨中学の卒業生。
生徒会で「書記」を務めていた。
引っ込み思案で物静かな性格。運が悪い。
中学卒業後は市外の高校へ進学。
卒業後、東京にある
ファッションデザインの専門学校に進学し、
その後、有名なデザイナーのもとで
アシスタントとして働いている。
中学の頃から服のデザインが趣味。

キャラクター④  ココナ/会計 25歳

(15歳時)

10年前の音雨中学の卒業生。
生徒会で「会計」を務めていた。
中学卒業後は地元の音雨市に残り、
実家の小さなスーパーマーケット「音雨マート」で
バイトをしながら商業高校で勉強した。
現在は音雨マートの店長を務めている。
情に厚く、献身的で優しい性格。
中学3年生の妹を連れてきている。

キャラクター⑤  カナタ/妹 15歳


音雨中学の3年生。
生徒会で会計を務めていたココナの妹。
制服を着ており、赤いリボンをしている。
姉であるココナについて来た。
口数は少ないが、芯の強さを感じる。

 

■音雨(おとあめ)市について
登場人物が中学校時代を過ごした町である。
音雨市は、「時計」の生産で有名な都市であり、
「刻の都(ときのみやこ)」として知られている。
噂によると、数年前に音雨市長が音雨神社で参拝して以来、
市長の政策が成功し、発展したといわれている。

 

■音雨中学校について
生徒会所属の登場人物が3年間過ごした中学校で、女子校である。
3年生の各クラスから1名ずつ生徒会役員を選出する決まりになっている。

 

■タイムカプセルについて
神社にある大きな木の下に
10年前、生徒会4人でタイムカプセルを埋めた。
その木は地元では「願いの木」と呼ばれ親しまれている。
10年後の今日、2024年3月9日午前9時に
タイムカプセルを掘り起こすべく「願いの木」の下に集まった。
タイムカプセルには、
「10年後の自分へ」というテーマで書いた手紙を入れており、
その手紙をみんなで見せ合う約束をしていた。

会計・生徒会長・書記・副会長
(2014年3月9日 卒業式の写真)

 

■音雨駅周辺情報

 

・音雨中学校
生徒会全員が通っていた中学校。

・音雨神社
この神社にある「願いの木」の下にタイムカプセルを埋めた。
正確な場所は4人しか知らない。

・音雨公園
市民の憩いの場。お手洗いもきれいに整備されている。

・音雨デパート
市内最大級のデパート。屋上では催事が開かれることが多い。
昨日は10年前に放送していたアニメ「魔法少女マジカルめーたん」の
10周年イベントが開かれていた。

・音雨駅
ミナコ、ハルカ、モカは市外で生活しているため、
電車で音雨駅から帰省している。

・音雨時計店
ミナコの実家である時計店。ヴィンテージな時計を中心に扱う。
遠くから通う時計ファンも多い。

・喫茶音雨
ハルカの実家である喫茶店。
レトロな雰囲気で、地元の市民に長く愛されている。
飲み物の種類も豊富。
音雨時計店は、喫茶音雨の隣にある。

・音雨マート
ココナの家が経営する個人経営の小さなスーパーマーケット。
2階が住居となっている。

・音雨マンション
モカが住むマンション。105号室がモカの住む部屋である。

 

キャラクター① ミナコ/生徒会長

―・―・―・―・―
10年前の音雨(おとあめ)中学校の卒業生。生徒会で「生徒会長」を務めていた。
勉強がよくでき、全校生徒の憧れの的で高嶺の花のような存在だった。
中学卒業後は東京の進学校にすすみ、その後都内の大学の法学部へ。
正義感が強く、将来の夢は「警察のキャリア組」である。
みんなに会うのは、10年ぶり。
実家は「音雨時計店」。

―・―・―・―・―

 

■中学校時代のあなた (ミナコ/生徒会長)
あなたは、音雨中学校で生徒会長を務めていた。
勉強もよくでき、スポーツも万能。
まさに文武両道と表現するにふさわしい中学生であった。
あまりに完璧であるため、
近寄りがたいと思われることも少なくなかったが、
一緒にタイムカプセルを埋めた生徒会の仲間は、自然体で接してくれた。

あなたには将来の夢があった。
それは「警察官になり、音雨市だけではなくこの国の平和に貢献したい」
というものだった。
あなたは東京の高校に進学した。日本でも有数の進学校である。
両親も「あなたがしたいことなら応援するわ」と背中を押してくれた。

あなたの家は、音雨市で時計店を営んでいる。
「刻の都(ときのみやこ)」にある「音雨時計店」は
あなたの両親がこの町でずっと大切に守り続けてきた店だ。

 

■高校入学~現在までのあなた
高校入学後、あなたは大きな壁にぶつかった。
中学時代は決まってテストで一番だったが、
この高校は全国各地から選ばれた学生が集まる。
あなたの成績は下から数えた方が早かった。
授業に食らいつくのに必死で、あなたは今まで以上に勉強に励んだ。

入学当初は生徒会メンバーと連絡を取り合うことも多かったが、
忙しさと高校でできた新しい人間関係に追われ、
連絡をとることも少なくなっていった。
あなたは、勉学に励み、成績を向上させ、第一志望の大学に合格した。
法学部に進学し、現在は大学院に通っている。

そんなある日。2024年3月3日。中学卒業から10年が経ち
会計を務めていたココナから一通のメールが届く。
「久しぶり。みんな元気?
タイムカプセルを10年後に一緒に開けようねって話したの覚えてる?
今年が、その年だよ!
3月9日午前9時に音雨神社に集まろうね」

同じ日に、副会長のハルカから返信があった。
「ちょっと、すごい舞台の主役が決まっちゃって!
3月8日に帰省できると思うんだけど、夜遅くなるかも。
9日は絶対行くから!」

あなたは、久しぶりに懐かしい仲間たちに会えると喜んでいた。
たしかタイムカプセルには、
「10年後の私へ」というテーマで手紙を書いたはずだ。
「警察官になりたい」という想いや
大好きな仲間への感謝の気持ちを綴った気がする。

あなたは、仲間との再会を楽しみに、
3月8日、音雨市に戻ってきた。

 

■3月8日 -約束の日 前日- のあなたの行動
15:00 (音雨駅→喫茶音雨)
15時ちょうど着の電車で、音雨駅に着いた。
同じ電車から降りた乗客が思いのほか多く、
顔見知りがいるかどうかは確認できなかった。

もしかしたら中学校時代の面影なんてないのかもしれないけど。
駅の横断歩道の脇に花壇ができていた。
「アネモネ」や「デイジー」が植えられた花壇だ。
その花壇の近くで4、50代くらいの夫婦が花壇に水をやっていた。
その夫婦はあなたに会釈すると、音雨マンションの方へ歩いて行った。
あなたは、実家に向けて歩いて移動した。
あなたの家の隣には、副会長のハルカの実家である「喫茶音雨」がある。
久しぶりに立ち寄ることにした。

16:00 (喫茶音雨→音雨時計店)
あなたは喫茶音雨を訪ね、コーヒーを飲んだ。
10年前、よくここで生徒会メンバーとお茶会をしていた。
あなたは決まって、ブラックコーヒーを飲んでいた。
他のメンバーにも決まって頼むメニューがあったはずだが、
なんだっただろうか。
たしか、レモンティーを飲んでいたメンバーがいた気がする。
コーヒーが届いたとき、
ハルカのお父さんに、もうハルカは帰ってきているのか聞いてみた。
今日の13時ごろの電車で帰ると連絡があったようだが、
まだ帰ってきていないらしい。やはり仕事が忙しいのだろうか。
あなたはコーヒーを飲み終わると、実家の音雨時計店へ移動した。
実家に着くとあなたは、少し休憩をした。

17:00 (音雨時計店→音雨中学校→音雨神社→音雨デパート)
部屋の窓から外を見ると、
音雨中学校の制服を着た女の子たちが、家の前を通り過ぎた。
下校中のようだ。
あなたは中学時代が懐かしくなり、音雨中学校に向かった。
あなたが校門の前に着くと、
校庭から出てきたひとりの中学生に声をかけられた。
赤いリボンをつけた女の子である。
「こんにちは。なにかうちの中学校に御用ですか」と
その女の子に聞かれた。
あなたは10年前の卒業生であること、
明日、神社の「願いの木」の下に埋めた
タイムカプセルを掘り起こすのだということを伝えた。
するとその女の子は「そうなんですね。それではさようなら」と言って
どこかへ行ってしまった。
あなたはタイムカプセルを埋めた場所の下見に行こうと
神社に移動を始めた。

17時30分頃、あなたは神社へと着いた。
タイムカプセルを埋めた木を下見した。とくに気になる点はなかった。
そういえば掘り起こすための道具はみんな持っているのだろうか。
あなたは念のため、音雨デパートへスコップを買いに行くことにした。
あなたが神社を出ると、会計のココナと遭遇した。
ココナは誰かを探している様子で、学校へと向かっていった。
どことなく顔が赤いのが気になった。体調でも悪いのだろうか。
ココナが明日来れるのか少し心配になった。
その後、あなたは音雨デパートへと移動した。

18:00 (音雨デパート→音雨時計店→音雨マート)
音雨デパートについた。
あなたは、園芸品売り場に行き、スコップを買った。
その時、ハルカの母親に出会った。
どうやらスコップを買っているようだ。
話を聞くと「ハルカに頼まれて、代わりに買いに来た」のだという。
園芸品売り場を出たところで、一人の女性の姿が目に入った。
一瞬だれか分からなかったが、よく見ると面影がある。書記のモカだ。
あなたが話しかけると、とても慌てた様子で、
後ろ手になにかを隠したように見えた。
よく見えなかったが、スコップなのかなと思った。
だとしたら、なぜ隠したんだろうか…。
あなたは、気になりつつもデパートを後にした。
あなたはスコップを置きに一度自宅に戻ったが、
ココナのことが少し心配だったので、
ココナの実家の音雨マートへ向かうことにした。

19:00 (音雨マート→音雨署前)
音雨マートに到着する。レジにはココナがいた。
さっき学校へ何しに行ったのか尋ねてみると、
「妹を迎えに行ってた」と言って、
店内の片隅でジュースの入った段ボールを動かそうと
悪戦苦闘している女子中学生を指さした。
その女子中学生は、
17時頃に、あなたが音雨中学の校門で会った女の子だった。
あなたは明日の集合時間について話し、
19時30分頃、音雨マートを後にした。
ココナが途中まで付き添ってくれた。
あなたたちは音雨署の前で立ち話をした。
話の合間に音雨署を見て、警察官になりたいという想いを再認識した。

横に立っているココナの方を向いた。
「明日も会えるの楽しみだね」と言おうとしたが、
ココナに目をそらされてしまった。
ココナは何かを思い出したように急に走り去ってしまった。
別れ際、また具合が少し悪そうに見えたが、明日は大丈夫だろうか。
聞くタイミングを逃してしまった。
その後、あなたは自宅へ向かった。

20:00 (喫茶音雨→音雨時計店)
あなたが喫茶音雨の前を通った時、ハルカに声をかけられた。
昔話に華が咲いた。
別れ際にハルカは
「明日楽しみだよね。ミナコの手紙も見せてよね、私のも見せるからさ」と無邪気な笑顔で言っていた。
「そうね、いいわよ。ハルカちゃんが遅刻しなかったらね!(笑)」と
冗談めかして答えた。
見た目は多少大人びたように感じるが、
この明るさや天性のひとなつっこさは全然変わらない。
今日は何をしていたのかも聞いてみたが、
はぐらかして答えてくれなかった。
帰り際、喫茶音雨の庭にスコップがおいてあることに気が付いた。

21:00 (音雨時計店)
あなたは自宅に戻った。
ふとあなたは、自分が中学時代使っていたパソコンに
思い出のデータが残っているのではないかと思い、立ち上げてみた。
すると、当時撮影したであろう、生徒会の動画データを見つけた。
これを明日みんなと一緒に見よう。
あなたはそれをスマホに取り込み、眠った。

そして翌日、再会の時間を迎えた。
タイムカプセルの手紙がなくなっている。
この場所に埋めたことは、あなたたちしか知らないはずである。
つまり、あなたたちの中にタイムカプセルの手紙を盗んだ者がいる…。

 

■あなたの目標
・タイムカプセルの手紙を盗んだ犯人をつきとめる
あなたは警察官を志している。盗みを見逃すわけにはいかない。

・生徒会メンバー全員の秘密を暴く
メンバーがなにか隠していることがあればそれを暴く。
思わぬ罪が隠れているかもしれない。