老害とは & JA11トランスファーOH(オーバーホール)
さて、
今日も“隙間の仕事”でございます。
こーんな古いトランスファーの分解修理なんてドコでやってくれるのかな、、、。
車屋さんが『できない事』、または、『やらない事』、それが隙間の仕事。
今回も知人に頼まれたので暇な管理人は生活の為に手を汚すのでした。
患者は泥まみれの錆びたトランスファーで、異音とオイル漏れを直してほしいいと言う依頼だ。
安価で!と言う事なので作動に問題なく再利用できるパーツは利用する。
27mmのナットのカシメはサンダーで慎重に削り落してタガネね「カツン」とやって起こしたほうが簡単。少々シャフトを削っても問題ない。
そしてナット3個共にポンチでマークを付けておく。組み立て時に元と違う場所に組むとカシメがズレて再利用できるからだ。よい子はマネをしないでください。
ハブスリーブの向きは丸い方が前方で覚えておく。
ひどい汚れとカスがいっぱい
カウンターシャフトの真鍮ワッシャーは前後に入っているので組み込み時は忘れないように。
このワッシャー、片方が減るので使えそうなら前後入れ替えて組み込む。(理想は交換)
組み込み時はグリスで接着しておく
組み込みはワッシャが脱落するのでケースを強くハンマーで叩かない事
あ~ 何回やってもメンドクセ~ 腰イタ
リアシャフトのベアリング部シムが入っているので注意
インプット側にもシムが入っている物のある
外した部品の一部
ケースはアルカリ浸け置き洗浄 綺麗になった 中身が肝心
外した両面シールベアリング
熱?添加剤の影響?ベアリングのゴムシールがボコボコ変形していた。
インプットシャフトのベアリングは今まで全個体が異音持ちだ。
ベアリングは規格物なのでNSKから直で仕入れる
フロントケースねじ穴が渋かったのでタップでサラッと。
ちなみに、みなさん間違っているのがボルト(棒)にネジ山を作るのが『ダイス』で、上写真のネジ穴を作る物が『タップ』である。
純正の古い紙ガスケットは勿論再利用!
純正の新品紙ガスケットは最初は分厚く弾力があるが数年で痩せて硬化し、またオイル漏れの原因になるので私は毎回あえて硬化した古いガスケットに液体ガスケットを塗って組むようにしている。
液体ガスケットがハミ出て内部に混入しても問題ない。ギヤで潰れてミンチになるだけ。
ガスケットの塗布は、ケース面→紙ガスケット裏面→紙ガスケット表面→ケース面 というように全ての接触する面に塗布する。
使用するガスケットはスリーボンド1215 これは純正で5速マニュアルミッションに使用されている物だ。
ちなみにマニュアルミッションには紙ガスケットは無く、1215のみで組み立てられている。
ケースはトルクレンチを必ず使う。
短くて掛かりが浅いボルトが何故か一か所あるので毎回手持ちの長いボルトで対応する。
完成
コンパニオンフランジ面にペーパー当て錆を落としてシャーシーブラック塗装しシフトレバーも塗装して綺麗になりました。
よくオーバーホール時にケースをシルバーで塗装する人いてるけど、汚れを誤魔化してるだけで何もメリットないよ。
最初見た目がキレイだけで後で剥がれてガサガサになるだけなので私は誤魔化さずに完璧に汚れを落とし地肌のまま納品する。
多少腐食して地肌が汚れているように見えるが判る人には判るだろう。
そりゃぁ汚れを完璧に落とすよりも、見た目を良くするだけのシルバー塗装のほうが何倍も楽だよ!。
ナットのカシメ位置もズレてOK
シャフトシール全部、メーターギヤ部の3個 カウンターシャフトのオーリングも勿論交換 シフトレバーシート ロケーティングスプリング交換。
ギヤオイル 800ccを入れて完成!
トランスファーはシンクロナイザリングが無いのでGL-5 を使用
はぁ 何回やってもメンドクサイ〝隙間の仕事〟でした。
おしまい
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