挿絵表示切替ボタン

配色








行間

文字サイズ

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
139/170

終幕の始まり。

最終章【妄想クラウディア】
500『名もなき死②』

 始まりがいつだったのか。

 もう、覚えてもいない。

 悠久の時を生きた。

 数えるのも億劫になるほどに。


 無数の流星群が降り注いだ。

 灼熱に星が紅く染め上がった。

 ヒトという種が生まれ落ちた。

 天変地異の大津波が星のすべてを飲み込んだ。

 神と人との繋がりが途絶えた。


 様々なことがあった。

 そのすべてを覚えている。

 それでも、ただ覚えているだけ。

 だから何だという話だし。

 それを覚えていたからと言って、何かが変わる訳でもない。


 俺は、ずっと独りだった。


 俺は死ななかった。

 何があっても、何が起きても。

 どんな事があっても死なずに、生き続けた。


 生きるのが億劫になるほどに。


 いつまでも、いつまでも。


 精神なんてとうの昔に壊れてしまって。

 初めての感情も感覚も体感も、何も無くなって。全ての未知が既知に埋め尽くされて。


 俺は、生というものの全てを知った。


 一切の誇張なく、理解した。

 ならば、次はどうするべきかと悩む。

 俺がすべきこと。

 俺がしてみたいこと。


 軽く、1000年くらいは悩み続けて。


 俺は、ひとつの答えを出した。



「死なない俺の、殺し方を探してみよう」



 それが、俺の今の目的。

 俺は何があろうとも死ぬ事が出来ない。

 そういう強さを持っているから。


 だからこそ。


 俺を殺せる人を、見つけ出す。


 あるいは、殺せる手段を見つけ出す。




 例えば……そうだな。


 10冊集めれば願いが叶う、願望器なんてどうだろうか?

独白なので短めでした。

ブックマーク機能を使うには ログインしてください。
いいねで応援
受付停止中
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。
感想を書く
感想フォームを閉じる
― 感想を書く ―

1項目の入力から送信できます。
感想を書く際の禁止事項についてはこちらの記事をご確認ください。

※誤字脱字の報告は誤字報告機能をご利用ください。
誤字報告機能は、本文、または後書き下にございます。
詳しくはこちらの記事をご確認ください。

⇒感想一覧を見る

名前:



▼良い点

▼気になる点

▼一言
X(旧Twitter)・LINEで送る

LINEで送る

+注意+

・特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
・特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)
・作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はパソコン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。
▲ページの上部へ