あなたはいくつ知ってる?製本知識をマスターしよう
普段私たちが読んでいる本は、様々な製本方法のもと読みやすいカタチに製本されています。
例えば、辞書や百科事典なら上製本、文庫本や教科書なら無線綴じ(くるみ綴じ)製本など、いろいろな種類に分けることができます。今回は本をより魅力的に見せるための秘密、製本の知識や種類を紹介していきたいと思います。
目次 [hide]
本の知識を深めよう
本には各部分に一つ一つ名称がついています。本を扱う人たちはこの名称で呼び合います。各名称が本のどの部分を意味しているのか確認していきましょう。
基礎知識「本の名称」
1. 天(てん) | 本の上の部分。 |
---|---|
2. 地(ち) | 本の下の部分。 |
3. 小口(こぐち) | 本を開く側。背の反対側。 |
4. のど | 本を綴じている側。 |
5. 表紙(ひょうし) | 書籍本体の一番外側の部分。 |
6. カバー | 表紙の上にかけられてる上。本を傷めないような役割があるが、本の「顔」とも言われ、様々なデザインや素材が施される重要な部分。 |
7. 帯(おび) | その本の魅力をアピールし、手にとってもらうことを目的に、内容説明やキャッチコピーが入れられたカバーの上に巻く細い紙です。 |
8. そで | カバーや帯をかける時に、表紙の内側に振り込む部分です。 |
9. 見返し(みかえし) | 表紙と本の中身を接着するための用いられる紙です。表紙にくっついていない側を「遊び」とも言います。 |
10. 本扉(ほんとびら) | 本の「中身」の最初のページです。 |
11. 中扉(なかとびら) | 本の内容がいくつかの部分に分かれている時に、その区切りとして設けられるページです。 |
12. 背(せ) | 本を束ねている部分です。。 |
13. 溝(みぞ) | 表紙の両面・背の近くに刻まれ、本を開きやすくなる加工。 |
14. 花布(はなぎれ) | 天地両側の背と本文の接着剤を隠すように貼り付ける細い布です。 |
15. スピン | 紙のしおり。 |
16. 束(つか) | 本の厚さのことです。 |
製本の種類を知ろう
上製本(ハードカバー)
(きっちりとした上質な本の製本)
上製本とは本の中身をしっかりと糸で綴じ、別仕立の厚めの表紙でくるむ製本のことを指します。表紙を上質の布でくるみ、本の題名を金箔押しした重厚な雰囲気のものが好まれますが、厚めの紙やビニールで表紙を仕立て、その上にブックジャケットを被せる本もあります。
そして、上製本は背の形状によって「丸背製本」・「角背製本」などに分けられます。
丸背製本
本の背が丸く綴じられている製本。レキシブルバック、タイトルバック、フォローバックの3種類があります。
角背製本
本の背が四角く綴じられている製本。
(POINT)
・特長…上質な雰囲気を醸し、長期の保存に耐えられる。
・使われる本…書籍・辞書・絵本
並製本(ソフトカバー)
(低コストで簡易的な本の製本)
並製本とは中身と表紙を同時にくるみ、三方を仕上げ裁ちした製本のことをいいます。
表紙と中身の大きさが同じで、表紙は上製本と異なり芯紙を使用せず1枚で仕上げます。
そして、並製本には様々な綴じ方の種類があります。
無線綴じ(むせんとじ)
針も糸も使わず背の部分を高温の合成のりで綴じ、表紙でくるむ方法です。
くるみ製本とも呼ばれます。
平綴じ(ひらとじ)
背の近くを、表側から裏側にかけて針金などで綴じる方法です。
ノドいっぱいまで開けないので、綴じしろの分だけスペースが狭くなりますが、
頑丈なつくりになります。
中綴じ(なかとじ)
週刊誌などによく見られる、表紙と中ページを開いた状態で、背になる部分を針金で綴じる方法です。
あじろ綴じ(あじろとじ)
折り工程で折丁の背の部分に切り込みを入れ、その後、接着剤をつけて綴じる方法です。
切り込み箇所に接着剤が染み込みやすくなるため、各ページがバラバラになりにくく、製本強度が増します。
(POINT)
・特長…工程・資材が簡略化されてて、加工時間・コストともに低い。
・使われる本…パンフレット・カタログ・雑誌・文庫本
和綴じ製本
(日本の伝統的な製本)
和綴じ製本(わとじ製本)とは通常の糊や中綴じの針金でなく、本に穴を開けて紐を使った製本のことをいいます。
和綴じ製本の一番の魅力は、紐の縫い目の美しさです。
本来は中国から伝わった製本の仕方でしたが、平安時代に伝わり日本独自の発展を遂げました。
(POINT)
・特長…紐の縫い目の模様が魅力的、和紙など柔らかい紙を綴じるのにおすすめ。
・使われる本…お寺の経本・御朱印帳・和食屋さんのメニュー
まとめ
みなさんはいくつご存じだったでしょうか。
今回は代表的なものをピックアップしてご紹介しました。
みなさんも身近にある本で目にしている製本ですが、あまりマジマジと見ることはないと思います。普段手にする本がどういう方法で製本されているのか確認してみるのも面白いと思いますよ。
コメントを残す