横浜市都筑区荏田東3丁目の鴨池公園で2005年8月、近くに住むパート従業員岡島陽子さん(48)の遺体が見つかった殺人・死体遺棄事件は、未解決のまま発生から10年がたつ。「なぜ、殺されなければならなかったのか」。残された夫(66)は答えの出ない問いを繰り返しながら、妻であり母でもあった被害者を奪った事件の解決を待ち続けている。
◇
「もう大丈夫かなって思っても、思い出すと涙を止められないんだよね」
10年の歳月が過ぎても、妻を失った夫の心の傷は癒えていない。
「お母さんが夜になっても帰って来ない」。05年8月25日夜、夫のもとに子どもたちから連絡があった。
すぐに都筑署に相談し、近所の住人の協力も得て「とにかく駆け回った」。だが3日後、陽子さんの遺体が発見された。
「元気で一緒にいた女房が、突然こんな形でいなくなるなんて」
打ちひしがれた夫に、警察の調べやマスコミの執拗な取材が追い打ちをかけた。最もつらかったのは「子どもが疑われたこと。捜査のためでも、うそ発見器にかけられる息子を見ると、どうしてって」。
憤り、怒りに震えながら1カ月、半年、1年…。慣れない家事、料理を始めたのは、気を紛らわす意味もあった。大学進学、就職、結婚と成長する子どもたちが支えだった。
あの朝-。台風が近付き、普段は自転車で通勤する陽子さんを車で送った。
「もし、車で迎えにいっていたら」
「もし、違う店で働いていたら」
「もし、あの日雨が降っていなければ」
折に触れて自問し、自分を責める。「これだけ時間がたって何も出てこないなら仕方ない」と諦めようとしても、すぐに「なぜ」という思いが頭をもたげる。
事件が解決しない限り、この苦しみから逃れることはできない。だからこそ、犯人にこう伝えたい。
「自分の犯した罪から逃げることはできない。逃げるなら、一生つらい人生を歩むことになるだろう、と」
◆横浜市都筑区鴨池公園内女性殺人・死体遺棄事件
2005年8月28日朝、鴨池公園内の雑木林で岡島陽子さんの遺体が発見された。首を絞められたことによる窒息死で、死亡推定時刻は25日午後6時ごろ。その直前、岡島さんが公園で一緒にいたとみられる男性は身長約170センチのやせ形で黒髪、白いシャツに濃い色のハーフパンツ姿で、白か透明のビニール傘を差していた。
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