すすきの頭部切断殺人で新たに入手した映像に映っていたのは・・・カメラが初めて事件現場のホテルを取材
2024年 3月 5日 17:48 掲載
去年7月、札幌・すすきののホテルで起きた頭部切断殺人事件。起訴か、不起訴か、逮捕された親子3人についての検察の判断が、まもなく出る見込みです。HTBは現場となったホテルを取材、事件当時の映像を新たに入手しました。
【異様な事件】
去年7月、札幌・すすきののホテルで恵庭市に住む当時62歳の男性が遺体で見つかりました。遺体は部屋の浴室から頭部が切断された状態でした。道警は殺人事件と断定し捜査本部を設置。およそ240人態勢で調べを進め、発生からおよそ3週間後、札幌市厚別区の無職田村瑠奈容疑者と父親の修容疑者、母親の浩子容疑者を殺人や死体損壊などの容疑で逮捕しました。3人が住む自宅を捜索したところ、浴槽から、ホテルで切断された男性の頭部が見つかりました。
【テレビカメラが初めて事件現場に】
全国に衝撃を与えた事件からおよそ8ヵ月。現場となったホテルの中に初めてテレビのカメラが入りました。入り口を入ってすぐエントランスがあり、天井には防犯カメラが設置されています。事件発覚前日の去年7月1日に、撮影された映像には、入り口からエントランスに入っていく1人の男性が映っています。その男性に続いて入ってきたのは黒っぽい帽子をかぶり水色っぽい服を着た田村瑠奈容疑者です。タッチパネルの画面で部屋を選択した男性。2人は会話を交わしているようにも見えます。エレベーターの方を指さす瑠奈容疑者。大きなトランクの上にバッグのようなものを載せています。そのまま2人はエレベーターに乗り込んでいきました。
【新たな映像に映っていたのは…】
それからおよそ3時間20分後の午前2時ごろ。エレベーターから降りてきたのは瑠奈容疑者です。男性の姿はなく、バッグのようなものを載せたトランクを押し1人でホテルを出ようとします。そのとき、別の客がホテルに入ってきました。客に背中を向ける瑠奈容疑者。外に出るそぶりをみせますが、もう一度中に戻り、別の出口の方向へ向かい姿を消しました。この防犯カメラの映像で印象に残るのは瑠奈容疑者の服装です。入ってきた時とは異なり全身に黒い布のようなものをまとっています。そして背中が異様に膨らんでいるように見えます。頭部のない遺体が発見されたのは瑠奈容疑者がホテルを出てから半日後。このとき、瑠奈容疑者は男性の頭部を運んでいたのでしょうか。
【2人の出会いは】
事件2か月前となる去年5月下旬、事件のあったホテルに近いダンスクラブで閉店イベントが開かれましたで。ステージの前で抱き合っているのは瑠奈容疑者と被害者の男性です。瑠奈容疑者と男性はこのときに出会い、その後何らかのトラブルになったとみられています。
■須藤真之介記者「こちらが現場となった202号室です」「入ったらすぐ仕切りのようなものがあり、ベッドが置かれています」
事件発生後、警察の捜査などで、ホテルはおよそ3週間にわたり全館閉鎖を余儀なくされました。影響はいまも残っているといいます。
■ホテルの施設管理者「事件があった部屋をすぐにお客さまに提供することは難しいので、現在に至るまで2階フロアごと販売を中止しています」「客室総数が14部屋しかない小規模なホテル、その中で(2階の)2部屋を止めるというのは大きな負担」「致し方なかったのかなと。7・8月と繁忙期に向かってくる時期だったので、売り上げという面では大きな痛手だった」
【事件の影響は今も】
ホテルの従業員は浴室の曇りガラスに、肌色で人のようなシルエットが見えたと話しています。事件当初、浴室の床には血痕が残されていたため、特殊清掃や工事などの対応に追われました。近く部屋の提供を再開する方針ですが、事件の反響はすさまじくホテルには連日多くの野次馬が集まり、嫌がらせのような電話もあったということです。
■ホテルの施設管理者「まずホテルをご利用される以外の目的でホテル内に入ってくる方がいるのではないか」「従業員やお客様を撮影したものを例えばSNSに上げる」「そういったことをされるのは一番懸念すること。絶対やめていただきたい」
全国有数の繁華街で頭部が切断されて持ち出されたという異様な事件。札幌地検は容疑者の田村親子3人について去年8月から札幌拘置支所で刑事責任能力を調べるための鑑定留置を行いました。期間は半年間で2月28日までです。鑑定留置の結果、つまり刑事責任能力があるのか、ないのかという結果によって、検察は起訴するのか、不起訴とするのか、勾留期限を迎える6日までに判断します。
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