大地真央 単独インタビュー「心根に持っているものが清らかな人が、美しい」 羽生結弦さんと夢コラボ

スポーツ報知
スペシャルゲストとして出演する大地真央

◆アイスショー「羽生結弦 notte stellata 2024」(8~10日、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナ)

 プロスケーターの羽生結弦さん(29)が座長を務めるアイスショー「羽生結弦 notte stellata 2024」は8日から3日間、宮城・セキスイハイムスーパーアリーナで行われる。11日で東日本大震災発生から13年を迎える被災地でのショーにスペシャルゲストとして出演する女優の大地真央が5日までにスポーツ報知の単独インタビューに応じ、初共演への思いを語った。(聞き手=高木恵)

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 ―アイスショーのオファーが届いたときの心境は。

 「本当に驚きでした。私、スケートできませんし…(笑)。でも、面白い企画だなと思いました。どういうコラボレーションになるのかなと、本当にワクワクしました。でも、『私でいいんでしょうか?』という気持ちもありました」

 ―今までフィギュアスケートを見たことは。

 「浅田真央さんのショーを。私の『真央』が、お名前の由来ということもあって、一度見に行ったことがあります。リンクを滑る、シャーっていう音がすごくいいんですよね」

 ―羽生さんのスケートは。

 「今回初めて肉眼で拝見するので、本当にもう楽しみです。なんだか自分が出演するのを忘れているところがありますが(笑)」

 ―テレビや映像では?

 「一観客として、お茶の間感覚で拝見していました。自然とテレビの前で大拍手して、ただただ素晴らしい! と思いました。美しいですし、華があって、技術があって。本当に『選ばれた人』ですよね。でも、お会いした時は『よろしくお願いします』と、本当に普通の青年…みたいな感じで。なんかこう、あの羽生さんと、この羽生さんが…っていう。そのギャップがまた魅力なのだと思いました」

 ―淡路島出身の大地さんは、阪神淡路大震災の義援金を集めるためにチャリティーコンサートに出演するなど支援活動を行ってきた。震災から11日後には宝塚へ向かったと。

 「阪急宝塚駅前から宝塚大劇場に続く『花のみち』が、大きくひび割れてぐしゃぐしゃで。とてもショックでした。劇団に着いたら劇団の方々が駆け寄ってきて『真央~一番に来てくれたな』って感動してくださいました。そのとき気持ちばかりの寄付をさせていただきました。そして、数日後、淡路島の避難所にも伺いました。大変な状況の中、『真央ちゃん』『ありがとう』って手を合わせて喜んでくださる方もいらして、皆さんの笑顔を拝見できた時は、私でも少しはお役に立てたのだと思うと嬉しく、逆に励まされました」

 ―2011年には菊田一夫演劇賞特別賞の賞金を全額、東日本大震災の被災地に寄付。「notte stellata」は昨年に続き被災地の宮城で開催される。

 「ずっと忘れてはいけないことですから。羽生さんがやってらっしゃることは素晴らしいことだと思いますし、そこに私が参加させていただけるというのも、これは一つのご縁かなと。何かしらのお役に立てたらいいなと思っています」

 ―大地さんが表現者として大事にしていることは。

 「表現も色々とあると思うんですけれども。映像と違って舞台は全身で表現しますから。だから、感情をこう、揺さぶるものっていうんでしょうか、それが単なる自己満足だけではなくて、お客様にいかに届けられるか、イマジネーションというか、掘り下げるというか、積み上げるというか。役を作り上げ、心と体、全身で表現することによって、お客様に感動を与えることができたらいいなといつも思っています。『来てよかった』『私も明日から頑張ろう』って思っていただけるように。時間とお金を使って来てくださるわけですから」

 ―見ている人の心を動かす表現の追求。同じ志をもつ2人がコラボする。

 「羽生さんは普段はお一人で表現されますよね。そこに今回私が絡むという。同じような気持ちを持っている2人だと今伺って、ますます楽しみになりました。こういう思いの振りを、こういう思いで受けて…っていうところが、今回フィットするような。とにかく私は、羽生さんのまた新たな魅力が見られた、っていうようなお手伝いができたらいいなと思っています」

 ―ミュージカル「マイ・フェア・レディ」のイライザ役を20年間600回超演じた。舞台で一つの作品を熟成させていく過程は苦しい? 楽しい?

 「両方ですね。再演に限らず、作っていくときは苦しい方が大きいですかね。歌があって、ダンスがあって、膨大なセリフがあって、その中で自分の腑に落ちて初めて発せられるものを、あれ? って思うこともあったり。でも、『あ、そうか。私の解釈が違っていたんだ、それじゃあ、こういう風にしてみよう』っていうこともありますし。そのへんは、楽しみにだんだん近づいていくんですけれども。最初すっごく楽しくて、途中すごく苦しくて、ふふふ(笑)。で、ちょっと楽しくなって。で、また、すっごい苦しくて。それで初日に向かうって感じですかね。生みの苦しみがあって、大変なのは当たり前ですね。幸せや楽しみや感動を、私もお客様からいただいていますから。白鳥の水かきと一緒ですよね。綺麗に見えても水面下は大変なことに…(笑)。そういうものだと思います」

 ―1973年に初舞台を踏んでから50年。表現すること、演じることを嫌になることなくここまで来たのか。

 「50年やってきたっていうのが、自分でもちょっとビックリしているんですけど。宝塚時代は、悩んだり、迷ったり、自分はむいてないなとか、どうしようとかはあっても、嫌になることはなかったと思います。でも初舞台から2、3年は、まだ音楽学校の延長みたいな学生気分で気楽にやってるところもありました。失敗もいっぱいありました。それから、だんだん、ちょっと自覚が出てきましたね。『真央はトップになったら失敗談がなくなったからつまらない』って周りに言われたりもして(笑)。これはプロの仕事なんだっていう意識が出てきてからは、やり甲斐と幸福感と共に、逆に怖くなったり、緊張するようにもなりました」

 ―今後やってみたいことや夢は。

 「私本当に、昔から今後の目標ってあまりないんですよ。今あることにベストを尽くすっていうことの積み重ねが、振り返ったら50年経っていたという感覚で。ただ、自分の一つ前の作品には勝ちたいと思って取り組んではきました」

 ―そうやってずっとやってきた?

 「そうですね。今、目の前のことを、与えていただいたものに対して自分が出来る120%を目指そうと思っています。いろんな条件や制約がある中で自分のベストを出すためには、120%を目指す気持ちでいると、創造性も増すと思うのです」

 ―今回の「美」と「美」の共演を楽しみにしているファンも多い。大地さんにとっての「美」とは?

 「その人それぞれが感じる『美』ってあると思うんですが、やはり内面の美しさ、心根が美しい人が、美しく見え、美しいと感じさせるのではないでしょうか。きっと羽生さんがそういう方だから、あのような芸術的な表現ができるのだと思います。私たちもそうですが、舞台で役を演じていても、その人自身が見える時ってあるんですよね。心根に持っているものが清らかな人が、美しいんじゃないかなと思います」

 ―ショーへの意気込みを。

 「意気込みはもう…頑張ります(笑)。本当に、早く羽生さんの滑りを生で拝見したいなと。そこでまた、私も刺激と感動を受けて本番に臨むっていうのが、楽しみですね。大変光栄に思いますし、とにかく羽生さんのお役に立てれば」

 ◆昨年の特別ゲストは内村航平さん 体操男子個人総合で2012年ロンドン、16年リオデジャネイロ五輪を連覇した内村航平さんがゲスト出演した。内村さんはリンクのステージ部分に設置された床で演技を披露。「conquest of paradise」の荘厳な曲調に乗せ、冬の王が跳び、夏の王が宙を舞った。クライマックスはスピンと円馬の旋回のシンクロ。羽生さんは3回転半、4回転トウループの高難度ジャンプも決めた。

 ◆大地真央(だいち・まお)2月5日、兵庫県生まれ。宝塚歌劇団に入団後、当時最年少でトップスターに就任。在団中の代表作に「ディーン」「ガイズ&ドールズ」「二都物語」など。宝塚退団後は「ローマの休日」で芸術祭賞大賞、第24回菊田一夫演劇大賞を受賞。他、受賞歴多数。2014年には「宝塚歌劇の殿堂」設立当初からの100人に選ばれ、殿堂入りを果たす。代表作に「マイ・フェア・レディ」「風と共に去りぬ」「十二夜」「エニシング・ゴーズ」「カルメン」「ローマの休日」「ガブリエル・シャネル」他、出演作全て主演。ドラマ、CM、映画でも活躍している。

 

 ◆配信 「羽生結弦 notte stellata 2024」はHuluストアで生配信。Huluストア限定の特典映像付き配信チケットも販売中。

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