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東邦大・東大・阪大、両親のハグによって乳児がリラックスすることを実証

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【プレスリリース】発表日:2020年4月7日

両親のハグによって乳児がリラックスすることを実証

~科学の言葉で語る親子のハグ~

東邦大学医学部解剖学講座の吉田さちね助教と船戸弘正教授らの研究グループは、両親のハグ(腕で抱きしめること)によって0歳児がどのような反応を示すのか心拍間隔の変化を指標に検討しました。その結果、生後4ヶ月以上の乳児は両親にハグされると、初対面の女性にハグされた時よりも心拍間隔の増加率が高くなることが分かりました。両親も自分の子をハグすると、ハグする前より心拍間隔の増加率が高まりました。親子は、ハグによって副交感神経が活性化し、リラックスすることが初めて実験的に示されました。得られた基礎知見は、これまで実体を掴むことが難しかった乳児の安心感や親子の絆を科学的に理解する一助となることが期待されます。この成果は2020年4月2日に雑誌iScienceにて発表されます。(報道解禁日:日本時間2020年4月3日午前0:00)

◆発表者名

吉田さちね(東邦大学医学部解剖学講座微細形態学分野 助教)

川原圭博(東京大学大学院工学系研究科 教授)

笹谷拓也(東京大学大学院情報理工学系研究科 大学院生)

清野健(大阪大学大学院基礎工学研究科 教授)

小林洋(大阪大学大学院基礎工学研究科 准教授)

船戸弘正(東邦大学医学部解剖学講座微細形態学分野 教授)

◆発表のポイント

●親子の触れ合いが子どもの心身発達に重要であることは知られていましたが、触れ合いの作用をダイレクトに定量した研究はほとんどありませんでした。異なる強さの抱っこへの心拍間隔変化を調べることで、親子が普段行っている強さのハグによって乳児がリラックスすることが初めて示されました。

●この反応は初対面の女性によるハグでは認められず、生後4ヵ月以前の乳児にも認められないことから、乳児の発達や両親との関係性の成熟・分化を示すと考えられます。

●両親は、自分の子をハグするとハグする前よりも心拍間隔の増加率が高まり、主観的にも安心感を自覚していました。このことは、ハグが親と子の双方にとって安心感を高めることを示しています。これまで定量解析が困難だった乳児の愛着や安心感を科学的に検証する足掛かりとなることが期待されます。

●まだ話すことが出来ない乳児の気持ちを理解することは難しく、子育ての大部分は経験に基づいて行われています。本研究のようなアプローチは、将来、科学的根拠のある子育て方法の構築や新しい指針策定に貢献することが期待されます。

◆発表概要

親は、喜びや愛情を示すとき、赤ちゃんをぎゅっと抱きしめます。この行動は、さまざまな国の親子で見られ、英語圏では「Hug(ハグ)」と呼ばれています。しかし、まだ話せない赤ちゃんが親にハグされた時どのように「感じている」のかはほとんど研究されておらず、不明でした。そこで本研究では、母親に乳児を「軽く縦抱きする」、「可愛いと思ってぎゅっとハグする」、「そのまま走れる位強く抱きしめる」という3種の指示のもと、接触圧の異なる3タイプの抱き方をしてもらいました(図1)。各抱き方は、20秒ずつ立って静止した状態で行い、それぞれにおける乳児の心拍間隔(注1)の増加率を比較しました。その結果、乳児は母親にハグされている時は、他の2つの抱き方をされている時よりも心拍間隔の増加率が高くなり、副交感神経(注2)が活性化したリラックス状態となることが分かりました(図2)。父親や育児経験のある初対面の女性によるハグの影響も調べました。

乳児の心拍間隔増加率は、両親にハグされている時の方が、初対面の女性にハグされている時よりも高くなりました(図2)。一方、両親も自分の子をハグすると、ハグ前と比べて心拍間隔の増加率が高くなりました。以上から、ハグによって乳児も両親も心拍間隔増加率が高まり、リラックスすることが実験的に示されました。こうした心拍間隔の変化は、触れ合いによって親子が安らぎを感じる基礎的なメカニズムのひとつである可能性があります。

本研究成果は、将来、言葉を話す前の乳児の認知や感覚処理の発達について理解を深め、子育て方法の科学的な検証や新たな指針づくりに役立つことが期待されます。

※以下は添付リリースを参照

リリース本文中の「関連資料」は、こちらのURLからご覧ください。

添付リリース

https://release.nikkei.co.jp/attach_file/0532506_01.pdf

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