挿絵表示切替ボタン
▼配色







▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結済】事故物件の幽霊ちゃん〜隣の部屋は事故物件かと思ったら可愛い女の子の幽霊が寂しそうだったので一緒に暮らすことにした件について〜 作者:津ヶ谷

第1章

しおりの位置情報を変更しました
エラーが発生しました
2/50

第2話 ウチ、来る?

本作品は三倉ゆめ先生原作漫画『事故物件の幽霊ちゃん』ノベライズ版です!

お楽しみください!

 私は、幽霊の女の子と同居することになった。


「家、行こうか」


 抱き着いてきた、女の子の頭を優しく撫でながら言った。


「うん、行きたい。でも、行けない……」


 幽霊の女の子は、力ない絞りだしたような声で言った。


「えっ?」


 私は、驚いた表情をし、女の子の表情を見つめた。


「私、ここの地縛霊だから、ここから出られないの。気持ちだけで凄く……すごく嬉しかったから、もう、静かにして……」


 ボロボロになったぬいぐるみを、強く抱きしめ、一言一言を紡ぎ、肩を揺らした。

目には、涙を浮かべている。


「どうすればいいの?」

「え?」


 幽霊の女の子は拍子抜けしたような、そんな表情で私を見つめてきた。


「一度は、『うん』って言ったってことは、何か方法があるんでしょ?」


 私には、何も方法は無いとは、どうしても思えなかった。

もし、あるなら、この女の子を一人の寂しさから解放してあげたい。

そう思っていた。


「だけど……」


 幽霊の女の子は、遠慮がちに声を上げた。


「いいから言ってみな」

「取り憑くの」

「マジか……」


 方法があることは予想していたが、まさか取り憑くとは思わなかった。


「でも、取り憑いたら、不幸になる。私、幽霊だから。だから……」


 喉を鳴らすような可愛らしい声でそう言うと、ぬいぐるみをきつく抱きしめていた。

その姿を見たら、ますます、この女の子を一人にはしておけないと思ってしまった。


「ほれ、いいよ。取り憑いて」


 私は、目線を幽霊の女の子と同じ高さにすると、両手を広げて見せた。

不幸になるくらいなんだ。

一人の寂しさ、辛さに比べたら何てことは無い。

私に、この子を見捨てるという選択肢は無かった。


「ほんとうにっ? だって、不幸に……」

「いいから」


 優しい表情を受けべ、笑顔で頷いた。 


「うしろ、むいてっ」


 そういう、女の子の目には、さっきより沢山の涙が溜まっていた。


「はいよ」


 私は、言われた通りに後ろを向いた。

すると、幽霊の女の子のは背中に乗っかて来た。


「うっうぅ……とり、ついたぁ!」


 目には、沢山の涙を溜めていた。


「うん……」

「あり、がとう……」

「うん、ウチ行こうか」


 背中に感じる重みは、確かに重かったし、その体温は暖かかった。

まるで、幽霊とは思えないほどに。

いかがでしたでしょうか?

楽しんで頂けましたら幸いです!


少しでも「気になる」「面白い」「続きが読みたい」と思われましたら下の☆☆☆☆☆を★★★★★にしていただけると幸いです!

感想・ブクマも大歓迎!


どうぞよろしくお願いいたします!

  • ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいねで応援
受付停止中
ポイントを入れて作者を応援しましょう!
評価をするにはログインしてください。

感想を書く場合はログインしてください。
+注意+
特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。
作品の読了時間は毎分500文字を読むと想定した場合の時間です。目安にして下さい。