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日本酒は『温める』と化ける。大学教授が美味しく飲める温度を科学的に解説

クリエイター

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数岡孝幸

数岡孝幸

東京農業大学 応用生物科学部 醸造科学科 教授。専門分野は、日本酒製造の要となる「酵母」の研究。「全国燗酒コンテスト」「ワイングラスで美味しい日本酒アワード」の審査員を務めるなど、知識を生かして日本酒の魅力を広く伝える。寒い季節にほぼ毎日燗酒を作り、好みの味わいを探しており、「お燗は無限に探求できる」と語る。

身近な日本酒でお燗ためしてみました

日本酒3種

(左から)小山本家 美味しい大吟醸、杜氏一心辛口、沢の鶴 米だけの酒

──ここからはカインズでも手に入る、3種類の日本酒をお燗します。手頃な価格の日本酒でもお燗で味は変わるんでしょうか?

数岡教授:はい、値段に関係なく、温めれば味の違いを感じますよ。どれも存分にお燗で「化ける」可能性があると思います。ただ、日本酒を研究している私でも予想が外れることが多々あります。考えすぎず、「とりあえず温めてみよう」と気楽にはじめてみることが肝心です。

──それぞれの最適温度の予想はいかがでしょうか?

数岡教授:常温で飲んでみたところ、最適温度はこんなところでしょうか。どれも存分にお燗で「化ける」可能性アリですね。

日本酒の比較表

日本酒の比較表

── 飲み比べる場合は、どの順番で飲むのが良いですか?

数岡教授:味わいの判断には香りが大きく関わってくるので、味も香りも主張が強くないお酒から始めて、次に味がしっかりしたもの、香りに特徴があるものの順に試すのが良いと思います。
この3本であれば、普通酒の「杜氏一心辛口」、純米酒の「米だけの酒」、大吟醸の「美味しい大吟醸」の順が良いでしょう。

──では、まずはこちらの日本酒からお願いします。

数岡教授:普通酒で辛口の日本酒ですね。普通酒の中でも、味・香りともにクセがないため、熱めの55度あたりが美味しくなるのではと予想しました!

味を予想中の数岡教授

──実際に温めてみたらどうでしょうか?

数岡教授:ぬるめの40度を試しましたが、思ったよりもまとまりませんでした。50度〜55度までぐっと熱めにしたら、アルコール臭もきつくなく、甘みと旨みをより強く感じます! こちらは予想通り、50〜55度が最適なようです。

料理の邪魔をしないさっぱりとした口当たりなので、食中酒にもバッチリでしょう。

──次の日本酒はどうでしょうか?

数岡教授:パッケージのインパクトに劣らず、米の存在感がある骨太な純米酒ですね。常温で飲んだとろ、すっきりとした味わいで、爽やかな風味と有機酸(乳酸やコハク酸)のマイルドな旨みが特徴だと感じました。熱めの55度と燗冷ましの40度で、米の風味や甘みが強まって美味しくなるのではと予想しています。

試飲中の数岡教授

──実際に温めてみて、味わいはいかがでしょうか?

数岡教授:今回の最適温度は50度と燗冷ましの40度だと感じました。熱燗の50度では、米のコクと旨みを全面に感じることができました。

また、40度の燗冷ましは、甘みがやわらぐと同時に「お酒」っぽい辛さが消えて、ぬる燗にしたときよりもまろやかな口当たりに。飲みやすいので、初めて燗酒をする方にも飲んでいただきたいですね!

──最後はこちらの大吟醸です!

数岡教授:この大吟醸はフルーティーな吟醸香を発するカプロン酸エチルの風味があって、華やかですね。温度を上げすぎると味のバランスが崩れ、香りが強くなりすぎる可能性があるので、45度くらいのぬるめが最適かと思いました。

味を吟味中の数岡教授

──大吟醸でも、温めて美味しくなるのでしょうか?

数岡教授:40度まで温めてみたところ、甘すぎず、味にまとまりが出てくれました。最適温度は40度ですね。一般的にお燗に向かないとされる「大吟醸」でも、このように温めてみると美味しく変化することもあるんですよ。

【まとめ】お燗の可能性は無限大。圧倒的にやらなきゃ損!

日本酒の専門家でも、お燗による味わいの変化は予測できず、思わぬ味に出会うことも多いそう。教授は「体調によっても味が変わる。お燗の可能性は無限大」と語ります。

日本酒は冷やに限る! と一辺倒になってしまっては、美味しい日本酒との出会いを逃しているかもしれません。

まずは、「40度(ぬる燗)・50度(熱燗)・燗冷まし」から始めてみましょう!

※売り切れや取り扱い終了の場合はご容赦ください。
※店舗により取り扱いが異なる場合がございます。
※一部商品は、店舗により価格が異なる場合があります。

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