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言葉には現実を覆す力がある。

校長先生の話が長く、全校生徒が退屈をしていた。私は、手を挙げて「校長先生、話が長いです」とハキハキした声で突っ込んだ。私の友達は笑いを噛み殺していたが、その場は凍りついた。私を知らない人も「本当に言いやがった」と震えた。さっきまで退屈極まりなかった場所が、私の一言で面白い場所になった。言葉には現実を覆す力がある。怒る校長。殴られる私。自分は言いたくないけれど、誰かが言ってくれたら面白くなる言葉がある。性格的に、私は言える。「俺が代わりに言ってやるよ」と思う。それを言うために生まれてきたとさえ、思う。

昔から「言うことを聞け」と怒られることが多かった。私は「お前がもっと魅力的な人間なら言うことを聞いてやるよ」と答えて、殴られていた。殴られるのは嫌だが、押さえつけられるのはもっと嫌だった。「殴るなら殴れ。俺は俺だ」と念じるようになり、自分の好きな人の言うことしか聞けなくなった。褒められるより、怒られることを好きになった。悪態を吐くとイキイキする。この前、初対面の女性にクソババアと言ってしまった。いかに無礼だったとは言え、女性にクソババアと言うのはよくない。隣には娘さんもいた。トラウマを与えてしまったかもしれないが、娘さんは成人済みだ。何を言っても「母親の意見ではなく一般の意見で潰してくる」感じがしたので、クソババアの一言で粉砕した。荒療治が必要な時がある。帰り道、クソババアと言えた喜びでルンルンと帰った。

クソババアと言う時は「誰か見ててくれないかな」と思う。今から俺がこの人にクソババアと言うから、遠隔カメラを設置して世界中に生配信したい気持ちになる。この場は凍りつくが、見る人が見たら最高のエンタメになると思う。ゲラゲラ笑いながら「あいつ、またやってる」となると思う。笑いを取るには、一番効く時に言う必要がある。溜めて溜めて溜めて、よし、今だとなったタイミングで「校長先生、話が長いです」と言う。言葉と現実が一致した瞬間の爆発力は凄い。天変地異を人工的に起こせる。正しくて綺麗なだけのものには、惹かれない。今、多くのものが正しくて綺麗なものになっている。退屈だ。つまらん。何が居場所作りだ。何が和気藹々とした空間だ。何がみんなが安心して暮らせる社会だ。そんなものは幻想だ。ニイタカヤマノボレ。俺はなあ、危険な香りに惹かれるんだよと言いながら突撃する。綺麗なものを汚しに行く。世の中の欺瞞を暴きに行く。

熱海の家を誰でも使えるように開放していると「坂爪さんも居場所作りをされているんですよね」と言われる。同じにしないでくれと思う。私は、コミュニティを作りたいのではなく、コミュニティを壊したいのだ。村作りとかマルシェとか持続可能な生活とか、一切興味がない。私をマルシェに誘わないでください。行く訳がないだろう。だが「毒薬マルシェ」とか「呪物マルシェ」だったら行く。正しくもないし綺麗でもないマルシェなら行きたい。そういうことだ。助成金のために綺麗なことしか言わない団体は嫌いだ。たとえ国賊と呼ばれても、己を貫き通す海賊みたいな人たちと一緒にいた方が元気になる。彼らの方に、より強い愛と勇気を感じる。善人にはない美学を、悪人には感じる。

第三者目線(遠隔カメラ)の存在が、ギリギリ私を人間に保ち続ける。底の底の底にいる人間を笑わせたい。かつて、私は「ノーフューチャー」と叫ぶパンクロックを聴いて生きる元気を獲得して、よし、今日も学校に行こうと思うことができた。学校とは、先生の言うことを聞く場所ではない。楯突く力を学ぶ場所である。言葉には現実を覆す力がある。さっきまで退屈極まりなかった世界を、最高に愉快な世界に変える。時は止まらない。時は、常に待ってくれている。時を掴む。それが言葉だ。今も、世界は言葉を待っている。最適な言葉が放たれた時、世界は一発で自由になる。徐々にとか、ない。やるか。やられるか。これから20ドルだけ持ってハワイに行く。危険な香りに震えている。

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おおまかな予定

3月2日(土)アメリカ合衆国ハワイ州界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)

連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com

SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z

バッチ来い人類!うおおおおお〜!

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言葉には現実を覆す力がある。|坂爪圭吾