スプレッド15円の楽天FX。スプレッドの2500倍の超拡大で損をした人、得をした人
FXの怖さ、というか業者側の問題だけど、こういうのってどこまで最終的に救済されるものなんだろうか。あと、得をした人はいません。
スプレッドが15円というとんでもない水準が発生した本事案ですが、返金などの手続きは行われているものの、状況を見る限りあんまり対応が良くなさそうです。
そもそもスプレッド15円で儲かった人はいない(楽天以外)
なんか勘違いしている人も多いけど、今回はスプレッドが15円に広がったわけで、ドル円を買っていた人も売っていた人ももれなく損をするという状況だったわけです。
スプレッド15円というのは仲値から7.5円ずつずれたレートが提示されているということです。買い手、売り手に対してどちらにも不利なレートが提示されているというわけです。
ドルを買いたい:1ドル118円で売ってあげる
ドルを売りたい:1ドル103円で買い取ってあげる
こんな感じのレートを配信したわけです。この差は楽天FX(FX業者)の手数料のような扱いなります。
ちなみに、楽天FXのサイトにおける平常時のスプレッドは0.3銭と表示されています。ってことは通常の2500倍も手数料を取ったということになるわけです。
自動的にロスカットになった人が多い
FXはレバレッジ取引なので預けているお金よりも多額のお金を運用できます。
そのため、そのリスク回避のため損失(評価損)が一定を超えると、自動的にロスカット注文を出す仕組みがあります。
マージンコールとか強制ロスカットとかいいます。
参考:FX取引における強制決済(強制ロスカット・マージンカット)とは
今回の異常なレートでは、米ドルのポジションを持っている人はもれなく、大きな評価損が発生したことになります。
仲値との間で7.5円のスプレッドが生じたということで1枚(1万ドル)あたり75000円の損失(評価損)が発生することになります。仮に米ドルを10枚買っていたとしたら75万円の評価損がいきなり発生するわけです。
仮に100万円の証拠金を預けていた人は、証拠金がいきなり75万円も減少して実質証拠金が25万円となります。25万円の証拠金で投資できる最大額は625万円が上限。米ドルを10枚(約1100万円)をもつことはできないのでシステム的に強制ロスカット注文が出されて損失が確定してしまったわけです。
上記の例だとなんですが、仮に100万円で20枚みたいなフルレバ状態でFXをしていたら150万の損が一瞬で発生したわけで、投資額をすべて失った上で50万円の借金が残るという計算になってしまいます。
楽天FXの対応
まだ解決してないっぽいですね。
この事件の後も相場は動いているわけで、単純に損失を返金するというだけでなかったことにはできないはずです。
・巻き添えをくってロスカットされた他の通貨はどうするの?
・ポジションを戻されてもその間の変動で売れた機会損失をどうするの?
機会損失の話まで出てくると時間がたてばたつほど、問題は大きくなるわけなので早期に解決してほしいところですが難しいようです。
機会損失の補償はしないでしょうけど…。
いずれにしても楽天FX、楽天証券関連の信用は失墜しており、今後にも影響しそうです。少なくとも15円のスプレッドというのは語り継がれることになりそうです。