中根夕希アナウンサー
「成年後見制度には『法定後見』と『任意後見』の2種類がありますが、今回は事件の背景となり、利用者が圧倒的に多い『法定後見』の制度に絞ってみていきます。成年後見制度は知的障害や精神障害、認知症などがあり、財産管理や契約など重要な手続きを1人で決めるのが心配な人をサポートする制度です。弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門職のほか、専門的な研修を受けた人、親族などが成年後見人になることができます」

中根夕希アナウンサー
「ここからQ&A形式で詳しくみていきます。坂下会長に質問していきますので、「〇」か「×」の札を挙げてください」

広島弁護士会 坂下宗生会長
「分かりました」

中根夕希アナウンサー
「1つ目の質問です。誰を『成年後見人』にするかは、サポートを受ける本人が自由に選ぶことが出来る?」

広島弁護士会 坂下宗生会長
「『×』です。成年後見制度を利用する場合は、診断書など必要な書類と手数料を準備して住所地を管轄する家庭裁判所に申立てをします。申立てを受けた家庭裁判所は、事案の内容を検討して、その事案において適切だと思われる人を成年後見人に選任します。家庭裁判所において、専門職の選任が適当であると判断されれば、専門職が成年後見人に選任されます。家庭裁判所が成年後見人を選任する際に、サポートを受ける本人の希望は参考にされますが、本人が自由に成年後見人を選ぶことができる訳ではありません」

コメンテーター 吉宗五十鈴さん
「全国で大体、何人ぐらい利用しているんですか?」

広島弁護士会 坂下宗生会長
「全国では、24万人以上の方が利用されています」