O.W.Lの最後の試験は魔法史だった。
ここまで来ると、少しでも良い点をと言うよりは早く終わって解放してくれという気持ちの方が強い。
前日の天文学塔の事件のせいで寝不足なのも辛かった。
アンブリッジも何もそんな日を狙わなくても、と思ってしまう。
欠伸を噛み殺しながら、ハリーは魔法史の問題文に目を通す。
--杖規制法は十八世紀の小鬼の反乱の原因になったか。それとも反乱をよりよく掌握するのに役立ったか。意見を述べよ。
--国際魔法使い連盟の結成に至る状況を説明せよ。また、リヒテンシュタインの魔法戦士が加盟を拒否した理由を説明せよ。
瞼が重く垂れ下がってきた。
もうこの科目で終わりなのだから最後のひと踏ん張りなのに、ハリーの集中は続いてくれなかった。
周囲の羽根ペンを動かす規則的な音が心地よくすら感じてしまう。
いつの間にかハリーは目を瞑っていた。
ハリーはまたしても魔法省の奥深くの冷たい廊下を歩いていた。
石の廊下を真っ直ぐに進んでいく。
今日こそ目的を達成するのだ·····。
黒い扉が開き、ハリーを中に入れた。
大聖堂のような広い部屋には、凄まじい数のガラス玉が陳列されている。
手に入れるのだ。これを手に入れるのだ。
突き当たりの床に、蠢く人影が見えた。
酷く疲弊して弱っている男だった。
「クルーシオ!」
その男は凄まじい苦痛に絶叫する。
床でのたうち回るその拍子に髪が乱れ、男の顔がようやく視認できた。
一一シリウスだった。
ハリーは声にならない叫び声を上げて、椅子から倒れ込んだ。傷跡が火のように熱く、思わず額を抑え込む。
ハリーの周りで大広間は騒然となっていた。
試験のプレッシャーかと心配する監督教授の腕に引かれ、ハリーは医務室へと連れていかれた。
やがて試験の終わりを告げるベルが鳴り響く。
看病をしようとするマダム・ポンフリーの腕を振りほどき、ロンとハーマイオニーのところへ向かった。
二人はすぐ見つかった。
一緒にシャルロットも居た。
大方、ハーマイオニーとロンに事情を聞こうとしていたのだろう。
三人とも試験が終わった開放感を感じつつも、やはり先程倒れ込んだハリーが心配だったようで、こちらに気付くとすぐ近寄ってきた。
「ハリー! 大丈夫? 気分が悪くなったの?」
ハーマイオニーのその問いには答えずに、ハリーは声を潜めた。
「パパがヴォルデモートに捕まった」
「え!?」
三人は声を上げて固まった。
「さっき試験中に居眠りした時に見たんだ」
「それって夢ってこと? あなた閉心術は習得したって言ってたじゃない!」
ハーマイオニーは咎めるような視線を向けた。
「そんなことは今はどうでもいい! 場所は分かってる、魔法省だ! 今すぐそこに僕は行く!」
試験からの開放感に浮かれる喧騒を縫うように、ハリーは自室へ向かい始めた。
今すぐ準備をして向かわなくてはいけないと思った。
「落ち着いてよ、ハリー! 何か変よ!」
ハーマイオニーが、ハリーの肩を強く掴む。
彼女もまた必死の形相だった。
「今は夕方よ? そんな時間に魔法省にあの人が入り込めるなんておかしいわ!」
ハリーは何故彼女が止めるのか分からなかった。
「僕を疑ってるのか!? あの夢はただの夢じゃないんだ! ロンのパパだって本当に起きたことだっただろ!」
「疑ってるわけじゃない! でも罠の可能性があると言いたいの!」
「それが何だって言うんだ!? 罠じゃなければ今頃シリウスは拷問されてるんだ!」
ハリーが大きな声で怒鳴った。
どうしてこの緊迫感が皆には伝わらないのか苛立った。今この瞬間にも一一。
「ハリー」
それまで静かに聞いていたシャルロットが名を呼ぶ。
顔をそちらに向けた次の瞬間、鋭い力で頬を平手打ちされた。
「なっ·····!」
「落ち着いた?」
「君まで夢だと疑ってるのか·····?」
ハリーは絶望的な心地でそう言った。
シャルロットは迷うような素振りを見せ、そしてこちらを真っ直ぐ見据えた。
「ええ。 正直疑ってるわ。 だって三年前、あいつは私にも夢を見せて支配しようとしたもの。ママが目を覚ましてパパとみんなで過ごしている夢を見せてね」
ハリーは驚いて言葉を失った。
『秘密の部屋』のことを彼女の口から聞くのは初めてだった。
それと同時に少し頭が冷えるのを感じた。
「いいかしら、ハリー。 仮に夢じゃなくて本当の出来事だったとしましょう。魔法省へ行ったとしても、『例のあの人』がひとりでいる保証はないのよ」
「そうよ。たくさんの死喰い人に襲われたら私たちじゃ勝てるわけないわ!」
ハーマイオニーはすかさず畳み掛けるように、言葉を続けた。
「私たちがすべきことは、魔法省に行くんじゃなく騎士団の大人に連絡を取ることよ! シリウスが無事か確認するの」
「·····確かに。 それがいいんじゃないか」
ロンが何度も頷きながらそう言った。
言葉をようやく飲み込めたハリーも、それが最善手であるように感じた。
確かにここにいる皆で魔法省へ乗り込んだとして、一体未成年の魔法使い4人で何が出来るだろうか。
「·····うん。 そうだ、そうだよな。 ごめん、みんな。僕すごく焦ってた」
ハリーの口から自然にそんな言葉が突いて出た。
先程の自分は驚くほど視野が狭くなっていた。
「きっとそれがあいつらの狙いなのよ。貴方の周りから味方の大人を全員排除して、孤立させておびき出させようとしたのかもしれないわ」
このまま『例のあの人』の思惑通りに魔法省へ向かってたかと思うと、ハリーはゾッとした。
「でも、どうやって連絡を取る? 暖炉は全て見張られてるんだろ?」
ロンが眉を八の字にして困ったように言う。
「·····アンブリッジの暖炉よ」
シャルロットに視線が集まった。
「正気?」
ハーマイオニーは頭を抱えて呻いた。
頭の良い彼女はこの案しか残されていないことを瞬時に察したのだろう。
「·····よし、それなら僕は透明マントを持ってくる。 シャル、君は怪しまれる前にもう行け。 できたらスリザリンの奴らがアンブリッジの部屋に行かないようにして」
「わかったわ!」
ハリーはグリフィンドールの談話室へと向かった。
夕食前のこの時間は皆思い思いの時間を過ごしているようで、人で賑わっていた。
下級生の輪の中に双子は居た。
どうやらまたしてもアンブリッジに虐められた生徒を慰めていたらしい。
「おや、英雄殿」
「ふむ、O.W.Lの疲れで一段とハンサムになったようだ」
「フレッド、ジョージ! 力を貸してくれ! アンブリッジの部屋に忍び込みたいんだ!」
ハリーが急いだ口調でそう伝えながら双子の前を通り過ぎ、自室への階段を一段飛ばしに上がった。
ヒューッと背後で小気味の良い口笛が2つ聞こえた。
「英雄殿は我らをこき使いたいらしい」
「そんな面白い提案には乗るしかなかろう」
透明マントを片手に談話室へ再び戻ると、そこでハリーは呆気に取られた。
ハーマイオニーとロン、それに双子の他に、ネビル、ディーン、シェーマス、ジニー、リー、アリシア、ケイティ、たくさんのDAメンバーが集まっていた。
「今アンジェリーナが他の寮のメンバーにも声掛けてる。 リーダーの危機だ、立ち上がれって」
驚いて立ち尽くすハリーに、フレッドがウインクする。
我に返ったハリーは首を激しく振った。
「ダメだ! バレたら危険すぎる!」
「何言ってんの、もうDAはバレてるじゃない。 ここまで来たら罰則のひとつやふたつ一緒よ」
ジニーが呆れたように言い返す。
「それでこそウィーズリー家の妹だ。 ほら、ハリー。行くぞ」
クソ爆弾を片手に今度はジョージが片目をパチンと閉じた。
どうやら説得の時間は無さそうだ。
「あーもう!みんな知らないからな!」
幾つ目かのクソ爆弾の反響と怒号、そして狂ったような笑い声が聞こえた。
もう誰も彼もストレスの限界だったのだろう。
みんな仲良く退学、案外それも悪くないかもしれない。
ダームストラングに転入したとしてもDAのメンバーが一緒なら楽しめるだろう。
ハリーは半ばヤケクソ気味にそんな現実逃避をした。
現在、DAのメンバーは結託してアンブリッジや尋問官親衛隊の撹乱、下級生が巻き込まれないように動いてくれている。
なかでも卒業間近の7年生のはっちゃけぶりは凄まじかった。
フレッドとジョージはもう我慢の限界だったのだろう。後先考えず暴れ狂っている。それに他の下級生が触発されるというあまりよろしくない状況が起きている。
ハリーとハーマイオニーはアンブリッジの部屋に辿り着くと、透明マントを脱いだ。
そしてアンブリッジのドアノブに手をかけたハーマイオニーはハッと声を上げた。
「なんてこと! この扉、アロホモラじゃ開かないわ!」
焦ったように言うハーマイオニーと対照的に、ハリーは冷静にドアノブに顔を近づけ錠前の中を覗く。
「んー、これならいけそうだな。 ハーマイオニー、悪いけどヘアピン1個ちょうだい」
「一体何を·····?」
ハーマイオニーは訝しげな顔をしつつも、後頭部の後れ毛を留めていたヘアピンを外す。
「僕よりハーマイオニーの方が詳しいでしょ。 こんなシーン、テレビでよく見ない?」
ハリーはニヤッと笑って、それを受け取ると錠前に差し込む。そして器用に弄ると一一すぐにカチッと音がして扉が開いた。
「·····私、どんなに成績が良くても貴方に勝てる気がしないわ」
呆けるハーマイオニーをせっついて、鬱陶しいほどの猫の絵が踊る部屋に入り込む。
全てがピンクに塗れた身の毛のよだつような部屋で、彼女は素早く窓を確認するとこちらに頷いて見せた。
ハリーはすぐにフルーパウダーを手にすると、暖炉に頭を突っ込んだ。
「グリモールド・プレイス12番地!」
くるくると回転しながら幾多の暖炉を通りすぎ、次の瞬間ハリーの頭はロンドンに到着した。
「ハリー坊っちゃま!?」
リビングルームの掃除をしていた屋敷しもべ妖精アンは、驚愕の声を上げる。
「アン! パパは!? パパはどこにいる!?」
ハリーは怒鳴るようにそう訊いた。
アンは未だに驚いてはいるが、彼の語調から何か緊迫性を感じ取ったようだ。
「だ、旦那様でございますか? 今の時間なら書斎にいると思いますが·····」
「何の騒ぎだ?」
ガチャリとドアが開き、涼しげなサマーニットを似たシリウスが顔を覗かせた。
「パ、パパ!!」
「ハリー!? 一体何があったんだ?」
シリウスが慌てて暖炉に近寄ってくる。
その顔を見て、ハリーの目からぽろぽろと涙がこぼれ落ちた。
一一無事だった。 無事だったのだ。
「お、おい。 どうしたんだよおまえ」
言葉にならず泣き続けるハリーに、シリウスは面食らっている。
「何故ハリーがここにいる!?」
再び扉からよく見知った顔が出てきた。
どうやらセブルスも来ていたらしい。
ハリーは嗚咽を漏らし時々しゃくりあげながら、何が起きたかを話した。
話しているうちに皆を巻き込んだ責任と罪悪感が込み上げて、感情が爆発してしまったのだ。
ハリーもまた精神的にかなり追い詰められていたのだ。全ての娯楽を取り上げられ、信頼できる大人たちは一人また一人と居なくなり、O.W.Lにも追い込まれた。 そして閉心術はうまく行かず、『例のあの人』の夢に苦しみ続けた。
一一きっと心身ともに限界だったのだ。
子どものようにハリーは泣きじゃくり続けながら、言葉を繋いだ。
「それは間違いなく、奴の罠だ」
シリウスはハリーのクシャクシャの髪を撫で回しながら、険しい声で言った。
「説教は山ほどあるが·····とにかく魔法省に行かなくて本当に良かった。 おまえが無事で何よりだ」
セブルスは心から安堵してそう言うと、すぐに守護霊を呼び出した。
銀色のキツネが颯爽と現れ、たちまちどこかへ消えていく。
「ダンブルドアにか?」
シリウスが短く聞くと、セブルスは頷いた。
両者は同じことを考えていた。
ハリーがおびき出されそうになったということは、つまり一一
「すぐに騎士団のメンバーを集めろ。魔法省に向かうぞ」
一一ヴォルデモートと死喰い人が待ち伏せしているということ。
「ハリー、もう一度話してくれ。 見た夢は魔法省のどんな場所だ?」
「廊下をたくさん進んだ先のかなり奥の部屋だよ。 何かガラス玉みたいなのがたくさんあった」
ハリーは鼻を啜りながらもそう話す。
シリウスは何か思い当たることがあったようで、眉をぴくりと動かした。
「なんてこった、神秘部か」
「つまり奴の狙いは·····予言か」
セブルスが思わずそう呟いたのと、不死鳥の守護霊が現れたのはほぼ同時だった。
ダンブルドアの声で、直ちに魔法省への出動命令が出た。
シリウスとセブルスの空気感が変わる。
「僕はどうしたらいい?」
ハリーは泣き腫らした顔で、急いでそう訊いた。
「今すぐホグワーツに戻れ! 危険なことは一切するな!」
セブルスが厳しい声で告げた。
「友達に誠心誠意あやまっとけよ! なーに、退学になっても俺がどうにかしてやる」
シリウスはローブの襟をただしながら、ニヤッと笑う。
そして、リビングルームからシリウスが出ていく一一その時だった。
突然ハリーは無性に不安な気持ちに襲われた。
まるでシリウスがすごく遠くへ行ってしまうような一一もう二度と会えなくなるような。
強い不安に駆られた。
「パパ!」
思わずそう呼び止めた。
シリウスはこちらを振り返る。
「無事に帰ってきてよ! 絶対だからね!」
「バーカ。 誰に言ってるんだ? 闇祓いの局長だぞ、俺は」
「元、でしょ」
ハリーはようやく少し笑うと、二人を見送った。
事の成り行きを見守っていたアンに先程怒鳴ったことを謝ろうとしたその時。
後頭部に激しい痛みが走った。
誰かに引っ張られている。
ハリーは抵抗しようしたが無理だった。少しずつ暖炉から引きずられる。
思わずアンに手を伸ばしたが、届かない。
そしてそのままハリーはギュッと引っ張り出され、アンブリッジの暖炉に無様に転げ出た。
ハリーの頭を掴んでいたのは、怒りで顔がどす黒くなったアンブリッジ本人だった。
「みんな!」
ハリーは悲痛な声を上げた。
部屋の中ではDAのメンバーが皆、尋問官親衛隊に拘束されていたからだ。
双子やロンなど特に暴れたのであろう仲間たちは、怪我も負って満身創痍だ。
「さて」
アンブリッジが怒りで震えながら言った。
「誰に連絡を取ろうとしていたのか言ってもらいましょうか」
「父です」
ハリーは急いでそう言った。
これ以上DAのメンバーを酷い目に合わせるわけにはいかなかった。
「シリウス・ブラックに? 何故?」
アンブリッジに詰問され、思わずハリーは黙ってしまった。
どう話していいのか分からなかったのだ。まさか夢を見たと言うわけにもいかない。
しかし、黙り込んだハリーの態度をアンブリッジは『反抗』と解釈したらしい。
「そう。 言いたくないならそれでいいわ。·····ああ、レギュラス。 待っていたわよ」
ドアが開き、レギュラスとドラコが入ってきた。ドラコの姿がここに見えないと思ったら、どうやら彼を呼びに行っていたらしい。
「お呼びですか」
「ええ! 真実薬が欲しいのよ。 この子は、貴方の兄に連絡を取っていたの! きっと何か企んでいたに違いないわ!」
アンブリッジは興奮したように言う。
「真実薬は貴方にこないだ渡したので最後ですよ」
「なんですって?」
「言うまでもなく聡明な貴方はご存知でしょうが、真実薬は作るのに時間がかかるのです。 この前もそうお伝えしましたよね?」
「·····ええ、ええ。 もちろん知っていますわよ。 そう、それなら他の手段を使うしかないわね」
アンブリッジの小さな瞳に、昏い光が帯びる。
「な、なにを一一」
ハリーは未だ強く掴まれている痛みに喘ぎながら言った。
「貴方がそうさせるのですよ。 私に反抗し、素直に言わないから」
アンブリッジが薄く笑い、ハリーに杖を向けた。
そして、脅すように杖を順番に他の拘束されてる仲間にも向ける。
ネビルが抵抗するように酷く藻掻き、ハーマイオニーもまた杖に懸命に手を伸ばそうとした。それをアンブリッジは心底楽しそうに嘲笑った。
「それとも一一仲間が拷問されてる姿を見た方が言いたくなるかしら?」
ハリーは自分の顔が青くなるのを感じた。
その時だった。
「ドローレス」
レギュラスが柔らかい声でそう呼んだ。
「なにかしら」
「差し出がましいかもしれませんが、外が騒がしくなってきましてね」
ハリーは呆気に取られた。
まさか一一彼は自分たちを庇おうとしてくれているのか。
「面倒なことにピーブスも未だ暴れているようなのです。 模倣犯が出たら厄介でしょう。 先に城内を落ち着かせることが先かと」
ちなみに現場を見ていないハリーとハーマイオニーは知らないことだが、レギュラスの言葉は嘘ではない。
DAのメンバーが酷く暴れたため、城内は本当に滅茶苦茶な有様なのである。
そして今は授業も終わった夕食時で生徒も多い。騒ぎになるのは必然と言える。
「でも、レギュラス·····この子にシリウスと会った目的を聞き出す方が先だわ」
レギュラスはこれ見よがしに深々と溜息をついた。
「ハリー・ブラックは単に貴方の行動を告げ口しようとしただけでしょう。 だいたい魔法省を辞めた無職の兄に一体何が出来るんです?」
未だアンブリッジは逡巡している。
「この愚か者たちは地下牢にでも閉じ込めて置きましょう。 城の復旧が済んだ後に、ドローレスが気の済むまで問い詰めたらよろしいかと」
その時、部屋の外でシャンデリアが割れるけたたましい音がした。
それでアンブリッジの意向は決まったらしい。
彼女はゾッとするような笑みを浮かべた。
「ええ、そうね、そうね。 この私に楯突いたのです。 あとでゆっくりと全て吐かせて厳しい罰を与えましょう」
アンブリッジは、ハリーを掴んでいた腕を乱暴に離すと手持ち無沙汰になっていたドラコへ押し付けた。
ドラコは驚いたように身を固くしたが、目を合わせずにハリーを拘束する。
「この子たちを地下牢に閉じ込めておきなさい。
·····行きましょう、レギュラス」
「仰せのままに」
尋問官親衛隊にそう指示すると、レギュラスと共に部屋を後にした。
残されたハリーたちはスリザリンの談話室近くにある地下牢へ繋がれることになった。
--そして、時を同じくして。
魔法省の奥深くで、闇の勢力と光の勢力が激突した。
ハリーは大人が周りにいる分、原作より精神年齢が幼めです。原作よりちょっと成績も悪いかな。