活断層も発見続く

 同様のことが活断層についても言えます。複数のプレートがぶつかりあってひずみのたまりやすい日本列島周辺には活断層が2000以上もあり、阪神淡路大震災(1995年)や能登半島地震を引き起こしました。調査が本格的に広まったのは阪神淡路大震災の後です。

 そのため活断層についても、よくわかっていない時代に原発は造られてしまっています。例えば北陸電力が1997年の志賀2号機増設当時に想定していた活断層を見てみましょう(地図2)*5

【地図2】北陸電力が1997年当時想定していた原発周辺の活断層。志賀2号機の設置変更許可申請書から
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 今回地震を起こした能登半島北岸の長さ約150キロに及ぶ海底活断層は見つかっておらず、想定されていません。この活断層を研究者が初めて報告したのは2010年です*6。海底活断層、特に沿岸に近い場所は、調査が難しかったためです。

 また原発から18キロ南にある石動山断層については、北陸電力は長さ8キロでM6.3の地震を起こすと想定していました。しかし政府の地震調査研究推進本部は、石動山断層は近くの活断層は連動して長さ44キロ、M7.6になると2005年に公表しています*7。活断層は長ければ長いほど大きな地震を起こします。活断層の地図は次々と書き換えられ、原発にとってはますます厳しい状況になっているのです。

 揺れの観測が進歩したことも、原発の揺れ想定見直しにつながっています。阪神大震災のころ、震度観測点は全国で302カ所しかなく*8、活断層がどんな揺れを起こすのかの知識は限られていました。現在は4375カ所もあります*9

*5 北陸電力 志賀原子力発電所 原子炉設置変更許可申請書(2号原子炉の増設)1997年5月 添付書類 6-5-107

*6 岡村行信 海陸シームレス地質情報集「能登半島北部沿岸域」沿岸域における地質情報空白域を解消 産総研TODAY 2010年9月

*7 地震調査研究推進本部 邑知潟断層帯の長期評価について 2005年3月9日

*8 杉山充樹ほか 震度観測体制の年代差・地域差の定量評価と震度情報の解釈(日本地震工学会論文集 第20巻 第7号)

*9 気象庁 震度観測点