熱海の一等地に
本誌が接触した中国人オーナーの一人はこう話す。
「僕らは他でもビジネスをやっているのが普通で、基本的に東京にいる。だから石和にはあまり姿を見せませんよ(笑)。
石和の良さは、温泉はもちろん、中国人が大好きな富士山が近いところです。それにすぐ近所に中国人留学生が数多く在籍する山梨学院大学もある。彼らは働き手にも、後々良いお客さんにもなるからありがたいね」
温泉地の買い占めには、中国人富裕層のみならず、巨大な投資ファンドも参入している。江戸時代に徳川家御用達の湯として栄え、以来、今日まで人気観光地に名を連ねる、静岡県熱海市の熱海温泉。この地に'22年9月26日に開業した「熱海パールスターホテル」は、中国系投資会社・国際観光資源開発の出資によるものだ。
同ホテルは静岡県下田市から神奈川県小田原市に至る国道135号線沿いの「お宮の松」前に建つ。ここは、同温泉を代表する名門旅館「つるやホテル」があった熱海観光の一等地だっただけに、関係者も度肝を抜かれたという。