前回に引き続き、PLCの話です。
今回は産業用PCとPLCの比較をやっていきたいと思います。
あんまりきちんとリサーチしたわけではないんで、
大部分、思い込みで構成されていますが、そんなにズレはないかと。
ちなみに産業用PCはCONTEC社のものをベースに考えています。
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[比較項目一覧]
・画面サイズ ・応答速度 ・ユーザビリティ
・耐環境性 ・開発環境 ・将来性
・装置サイズ ・データ処理 ・安定性
・入出力の多様性と周辺装置
<画面サイズ>
タッチパネルでの比較。PCはCONTEC製とGUNZE製を併記。
M社GOT CONTEC GUNZE
15inch : \300,000 \200,000 \100,000
12inch : \200,000 \150,000 \100,000
6inch : \100,000 \130,000 --------
5inch : \40,000 -------- --------
サイズ小ではPLCが有利。出荷数が多いためと考えられる。
GUNZE製のパネルは画面サイズに依存せず、安い。
ここには記載しなかったが、17inchでも同じ価格である。
また、PLC用パネルではXGAの解像度が最大だが、
PC用パネルではSXGAまでの解像度が実現可能である。
データ表示やグラフィックでのシステム監視などでは、
PC用タッチパネルの利用が価格と内容の両面で有利となる。
これに対し、LED指示器とランプ/ボタンの再現用途では、
GOTなどのPLCタッチパネルの選択が現実的である。
<応答速度>
PLC MELSEC-FX -> 1k-stepで1msec前後のスキャンタイム
PLC MELSEC-Q -> 1k-stepで0.1msec前後のスキャンタイム
さらにPLCでは原則、すべてのステップがスキャン毎に評価されるため、
スキャンタイム固定であれば、基本、プリエンティブである。
PC WindowsXP -> 50msec Non-Realtime
PC Windows Embedded CE -> 10msec Soft-Realtime
PC WindowsXP + InTime Kernel -> 1msec Hard-Realtime
価格面ではFXが\40,000から、Qでも\80,000から。
対して、Windowsでは最低でも\50,000から上は\200,000。
さらにHard-Realtimeを実現するためには特殊なカーネルが必要。
単純な処理ではPLCが圧倒的に有利。
ただし、PLCはステップ数に比例して応答速度が落ち、
さらに応用命令を使用すると一段と速度が落ちる。
対してPCでは、メモリ管理さえ問題なければ、
処理によって速度が大幅に低下することは考えにくい。
<ユーザビリティ>
基本的にHMIはタッチパネルとなるので、どちらも変わらない。
ただしPCの場合、環境が許せばマウスとキーボードを標準的に
利用できるので、使用状況によっては大きな違いが出る。
<入出力点数>
入出力点数が16点以下の場合は、ディジタル・アナログ共に、
PLCが有利。
また、PLCは1A程度のリレー接点を直接、提供できるので、
予算がきわめて限られた用途ではPLC一択になってしまう。
アナログ入出力点数が64点を超える場合は
PCが格段に有利となる。
アナログ入出力点数が256点レベルになると、
PLCの利用はあまり現実的ではなく、
NIのPXIシステムや産業用シャーシPCなどが選択肢になる。
<耐環境性>
HDDを搭載したPCはHDDがFailerPointだったが、
最近の産業用PCではCFやFlash-SSDなど、
駆動部持たない補助記憶デバイスが主流になっている。
また、結局、どちらも制御盤などの箱に入れて利用するなど、
環境を考慮して設置されるために大きな差が出にくい。
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明日に続きます。
2009年11月25日
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