2009年11月25日

[雑記]産業用PCとPLCの比較(2)

前回に引き続き、PLCの話です。
今回は産業用PCとPLCの比較をやっていきたいと思います。
あんまりきちんとリサーチしたわけではないんで、
大部分、思い込みで構成されていますが、そんなにズレはないかと。
ちなみに産業用PCはCONTEC社のものをベースに考えています。

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[比較項目一覧]
 ・画面サイズ ・応答速度 ・ユーザビリティ
 ・耐環境性  ・開発環境  ・将来性
 ・装置サイズ ・データ処理 ・安定性
 ・入出力の多様性と周辺装置

<画面サイズ>
 タッチパネルでの比較。PCはCONTEC製とGUNZE製を併記。

      M社GOT  CONTEC  GUNZE
 15inch : \300,000 \200,000 \100,000
 12inch : \200,000 \150,000 \100,000
  6inch : \100,000 \130,000 --------
5inch : \40,000 -------- --------

 サイズ小ではPLCが有利。出荷数が多いためと考えられる。
 GUNZE製のパネルは画面サイズに依存せず、安い。
 ここには記載しなかったが、17inchでも同じ価格である。
 また、PLC用パネルではXGAの解像度が最大だが、
 PC用パネルではSXGAまでの解像度が実現可能である。
 データ表示やグラフィックでのシステム監視などでは、
 PC用タッチパネルの利用が価格と内容の両面で有利となる。
 これに対し、LED指示器とランプ/ボタンの再現用途では、
 GOTなどのPLCタッチパネルの選択が現実的である。

<応答速度>

 PLC MELSEC-FX -> 1k-stepで1msec前後のスキャンタイム
 PLC MELSEC-Q -> 1k-stepで0.1msec前後のスキャンタイム

 さらにPLCでは原則、すべてのステップがスキャン毎に評価されるため、
 スキャンタイム固定であれば、基本、プリエンティブである。

 PC WindowsXP -> 50msec Non-Realtime
 PC Windows Embedded CE -> 10msec Soft-Realtime
 PC WindowsXP + InTime Kernel -> 1msec Hard-Realtime

 価格面ではFXが\40,000から、Qでも\80,000から。
 対して、Windowsでは最低でも\50,000から上は\200,000。
 さらにHard-Realtimeを実現するためには特殊なカーネルが必要。

 単純な処理ではPLCが圧倒的に有利。
 ただし、PLCはステップ数に比例して応答速度が落ち、
 さらに応用命令を使用すると一段と速度が落ちる。
 対してPCでは、メモリ管理さえ問題なければ、
 処理によって速度が大幅に低下することは考えにくい。

<ユーザビリティ>

 基本的にHMIはタッチパネルとなるので、どちらも変わらない。
 ただしPCの場合、環境が許せばマウスとキーボードを標準的に
 利用できるので、使用状況によっては大きな違いが出る。

<入出力点数>

 入出力点数が16点以下の場合は、ディジタル・アナログ共に、
 PLCが有利。
 また、PLCは1A程度のリレー接点を直接、提供できるので、
 予算がきわめて限られた用途ではPLC一択になってしまう。

 アナログ入出力点数が64点を超える場合は
 PCが格段に有利となる。
 アナログ入出力点数が256点レベルになると、
 PLCの利用はあまり現実的ではなく、
 NIのPXIシステムや産業用シャーシPCなどが選択肢になる。

<耐環境性>

 HDDを搭載したPCはHDDがFailerPointだったが、
 最近の産業用PCではCFやFlash-SSDなど、
 駆動部持たない補助記憶デバイスが主流になっている。

 また、結局、どちらも制御盤などの箱に入れて利用するなど、
 環境を考慮して設置されるために大きな差が出にくい。

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明日に続きます。
posted by kirikuzudo at 23:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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