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保護するにもきちんと理由がある。環境省が調べたところ、リュウジンオオムカデについては愛好家の間では高値で取引されていたといい、その金額は2万8000円にもなるという。ゴキブリの2種は、取引は確認されなかった。だが、希少野生動植物種の選定を行う委員会の議事録によると「森林(環境)の悪化等の影響を受けている」「ゴキブリにしては美しい種で捕獲される恐れがある」などと委員から意見が出されて指定が決まっている。
屋内で出会うのは「宝くじに当たるくらいの確率」
ゴキブリといえば、すさまじい生命力を持つイメージがある。与那国島や宮古島といえばリゾート地としても知られるが、本当に宿泊先などには出てこないのだろうか――。そんな疑問に答えてくれたのは、ゴキブリに関する著作もある「ゴキブリスト」として知られる、磐田市竜洋昆虫自然観察公園(静岡県)の職員、柳沢静磨さん(29)。「本当に生活圏に出てこないんですか?」――そんな疑問をぶつけると、柳沢さんはこう断言した。
「出てきません。もし出てきたとしたら宝くじに当たるくらいの確率です。むしろ会えたらラッキーだと思っていい」
柳沢さんは、この指定された2種を新種として発見し、論文を書いた人でもある。いわく、今回登録された2種のルリゴキブリは、主に森林で枯れ葉などを食べて生活していて、乾燥に特に弱い。そのため、そもそも市街地や屋内での生息が困難で、普通に生活していれば出くわす可能性はほとんどないという。