科学技術の分野における高校生の自由研究コンテスト「第4回ジャパン・サイエンス・エンジニアリング・チャレンジ~高校生“科学技術”チャレンジ(JSEC2006)」の最終審査会が12月1日に日本科学未来館(東京都江東区)で開催された。
会場には応募総数110のなかから論文審査を経て選抜されたファイナリスト31チーム(または個人)が集結。それぞれのプレゼンテーションを、科学技術の専門家である審査委員が審査し、グランプリの文部科学大臣賞など18の賞が決定・発表された。表彰式には、JSEC名誉アドバイザーの小柴昌俊さんも駆けつけ、「いろんなことにチャレンジして、自分にあったものを見つけて」と未来ある高校生にメッセージを送った。
審査会は、午前が1回15分の時間割制、午後が自由時間制。各ファイナリストはブースに分かれ、工夫を凝らしたポスターやパソコンなどを使って研究の成果をアピールし、鋭い質疑にも積極的に答えていた。高度な研究内容とプレゼンテーション能力の高さに、各審査委員も感心した様子。審査会議は熱気に包まれ、時間を延長して議論が続くほど難航した。栄えある文部科学大臣賞に輝いたのは、水流中にできる空気柱についての研究をまとめた結城明姫さん(晃華学園高校)だ。身近な「不思議」を追求して小学4年生から今も続けているこの研究は、スポンサー特別賞のYKK特別賞も受けた。
表彰式の後の交流会では、高校生と審査委員らが情報交換や歓談を楽しんだ。さらに、翌2日には初の試みである「ネットワーキング交流会」も開催。JSEC卒業生の講演や受賞者の公開プレゼンテーション、審査委員への高校生からの質問会など充実したプログラムで、会場は大いに盛り上がった。
今回のJSECもバラエティーに富んだ作品がそろった。一般的に取り組みの少ない基礎研究や長年にわたる地道な調査、ジャンルにとらわれない独創的な発想、実用化が期待できる研究など、いずれも今後の目覚ましい発展を予感させる力作ばかり。年々、研究のレベルは上がっているという。
なお、今回の受賞者のなかから、来年5月に、米国ニューメキシコ州アルバカーキで開かれる国際学生科学フェア「ISEF」への出場者、現地の様子を報告するサイエンスリポーターが決まる予定だ。
|
結城明姫
(晃華学園高等学校〈東京都〉) |
|
|
西田駿介、篠原正季
(京都市立堀川高等学校) |
|
|
阿部美弥子、井上真理子、植田奈津美
(山口県立厚狭高等学校) |
|
井上昌樹、山本裕子
(津山工業高等専門学校〈岡山県〉) |
|
山崎暢子、森下耕平
(京都府立洛北高等学校) |
|
吉田 翔
(立命館高等学校〈京都府〉) |
|
篠田翔平、篠田匡史、河本雄貴
(山口県立厚狭高等学校) |
|
星野知也、千葉健人、福原慎也
(広島県立広島国泰寺高等学校) |
|
鳶根麻衣、瀬谷 翠、小山舜平
(明照学園樹徳高等学校〈群馬県〉) |
|
吉次貴昭
(千葉県立東葛飾高等学校) |
|
結城明姫
(晃華学園高等学校〈東京都〉) |
|
西田駿介、篠原正季、飯澤 功(教諭)
(京都市立堀川高等学校) |
|
矢部洋祐、島田達朗、三橋亮介、高野 裕(教諭)
(千葉市立千葉高等学校) |
|
星野知也、千葉健人、福原慎也
(広島県立広島国泰寺高等学校) |
|
菅沼博子、石川裕美子、佐久間玲子、前島昭弘(教諭)
(晃華学園高等学校〈東京都〉) |
|
加藤悠爾
(岡山県立岡山一宮高等学校) |
|
大同 恵、川嶋朋子、浜口 拓
(京都市立堀川高等学校) |
|
藤木春美、首藤圭奈、中島涼香
(九州国際大学付属高等学校 女子部〈福岡県〉) |