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会話

宝塚歌劇団がこれまでの主張とは一転、死亡した劇団員へのパワハラを認めたようですね。運営会社も管理責任を認め、遺族に謝罪する意向を示したことは一歩前進といえるかもしれませんが、そもそも劇団内の長時間労働やパワハラ疑惑などは、遺族が声を上げていなければ表沙汰にさえなっていなかったわけで、遺族の皆様の地道なご活動に敬意を表するばかりです。 遺族側の訴えによって、本件が単なる偶発的事故ではなく、宝塚歌劇団という組織自体の労働問題として受け止められた結果、劇団自体や、運営会社である阪急電鉄への批判の声が高まりました。それを受けて昨年11月に劇団側も記者会見を開いたわけですが、当該会見は劇団の「保身」と「隠蔽」の姿勢を強く感じさせるものでした。 ・記者会見実施がメディアに知らされたのは開始直前であり、参加したのは劇団が普段から懇意にしている在阪メディアが中心。 ・「いじめやハラスメントは確認できなかった」と断言した劇団側の調査報告は第三者委員会方式ではなく、単一の法律事務所に依頼したもので、客観性・公平性に欠ける印象。 ・故人がヘアアイロンを額に押し付けられてやけどを負った件について「ヘアアイロンでやけどをすることは一般的」と回答。 ・そもそも組織全体として、公演スケジュールが過密で、休みなく稽古に入るうえ、稽古自体も複雑化して精神的余裕が奪われがちな状況であることを把握しながら、今般の事故が起きるまで積極的な対応をしてこなかったことが判明。 ・記者からの「ハラスメント的な体質を見逃してきたということはないのか」との質問に対して回答がしどろもどろ。 私も当該会見はリアルタイムで追っていましたが、劇団側の説明には多くの矛盾がみられ、個人的には次のような疑問が残ったものです。 ・「劇団員とは業務委託契約」とのことだが、実質的に過密なスケジュール対応を要求している。実態としては雇用契約であり、偽装請負に当たるのではないか? ・(故人に対して上級生が)「嘘をついていないか?」と何度も詰問する行為は、実質的に「嘘つき」認定も同然であり、それによって心理的負荷がかかっていたのであれば、精神的攻撃にあたるパワハラそのものではないか? ・業務量の多さは昔から変わらないはずなのに、劇団として把握できていなかったというならば、職場の安全配慮義務違反として管理責任が問われるのでは? 今回劇団側が認めたのは、遺族側が意見書として提出した15件のパワハラのうち一部だけです。昨年11月の記者会見時、劇団側は反省の弁として「ルールを見直して改善していく」と述べましたが、一言目に「いじめやハラスメントは確認できなかった」と断言してしまった以上、今般の表明も口先だけのように感じられてしまいますし、「いじめやパワハラにまつわる認識が希薄な組織に改善なんてできるの?」と疑問視され続けることとなるでしょう。劇団側は、あくまで初動段階では 「ハラスメントは人権問題であり、メンバーの尊厳を傷つけ、職場環境の悪化を招く容赦できない行為である」 「当劇団では一切のハラスメント行為を見過ごさず、すべてのメンバーが互いに尊重し合える、安全で快適な職場環境であることを重要視している」 「本件に関しては徹底調査をおこない、不法行為があれば厳正に対処する」 とでも表明していれば、今般の世論の反応もまた違ったものとなっていたでしょう。どんな伝統やしきたりがあったとしても、ワークルールやハラスメントの基準は共通なので、至らない点は真摯に改めて頂きたいものです。
引用
Yahoo!ニュース
@YahooNewsTopics
【劇団員死亡 宝塚側パワハラ認める】 news.yahoo.co.jp/pickup/6492494
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