2024.02.16

国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)とハマスの「共犯」という「衝撃の事実」と、白日の下に晒された「日本の現状」

疑う余地なしの「共犯関係」

ガザにある国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)本部の地下で、イスラム過激派、ハマスの拠点が発見された。両者の「共犯関係」は、もはや疑う余地がない。ハマスとUNRWAを応援してきた日本の中東専門家や外務省は、どう言い繕うのか。

私は先週先々週にわたって本欄で、UNRWAの職員12人がハマスによる昨年10月7日のテロに加わっていただけでなく、UNRWAがパレスチナの子供たちに殉教の意義を説き、テロを賛美する教育を実施していた、とお伝えした。

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それだけでも十分、驚くべき話だが、今回、新たにハマスの重要な軍事拠点が、こともあろうに「UNRWA本部の地下に作られていた」という衝撃の事実が発覚した。

イスラエル軍は2月10日、記者団に秘密の地下施設を公開したが、それによれば、施設には大量の電源設備やサーバーなどが残されており、ハマスの情報司令部とみられている。地下施設は地上のUNRWA本部とパイプを通して大量のケーブルでつながり、電源はUNRWAから供給されていた。

この施設は、どうやって発見されたのか。

イスラエルのメディア、タイムズ・オブ・イスラエルによれば、イスラエル軍は当初、UNRWA本部のある地域を制圧した後、施設の存在を見逃して、軍を撤収させていた。その後、諜報機関が押収したコンピューターや文書などを解析するとともに、ハマスの捕虜を尋問して、施設の存在を確認した、という。

施設に通じるトンネルの入口は、UNRWAが運営する近くの学校にあったが、それはハマスによって、すでに破壊されていた。イスラエル軍は重機で地面を8メートル掘り起こし、トンネルに辿り着いた。捜索の最中には、2人のイスラエル軍兵士がハマスの狙撃手に銃撃され、命を落としている。

700メートルのトンネルを進むと、問題の施設があり、電源やサーバーのほか、会議室や仮眠室、シャワールームなどが備えられていた。同様の軍事施設は他にもある、とみられている。

 

UNRWAは施設の存在を知っていたのか。

UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、Xにコメントを投稿し「UNRWAは知らなかった。職員は10月12日に本部を撤収した。そこで、どんな活動があったのかも知らない」と完全否定した。だが、彼らが知らなかったわけがない。

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