吉川友梨さん不明20年 両親らチラシ配り「捜し続ける」
大阪府熊取町で当時小学4年の吉川友梨さん(29)が行方不明になった事件の発生から20年となった20日、両親や府警捜査員らが大阪・難波で友梨さんの顔写真入りのチラシやティッシュを配り、情報提供を呼びかけた。発生直後から支援するNPO法人のメンバーも参加。「無事に見つかるまで捜し続ける」との思いで20年間活動を支えてきた。
友梨さんの父、永明さん(62)と母、美和子さん(62)らは「ご協力をお願いします」と通行人にティッシュを手渡した。受け取った大阪府吹田市の20代の女性会社員は娘が2人いるという。「当時のニュースをよく覚えている。自分の子だったらと思うようにもなった。とにかく見つかってほしい」と話した。
友梨さんは2003年5月20日、下校途中に行方が分からなくなった。府警は何者かが連れ去った未成年者略取・誘拐事件とみて捜査するが、これまでに有力な手掛かりはない。
熊取町に隣接する大阪府貝塚市のNPO法人「あいうえお」の代表理事、三本松義春さんもチラシ配りに参加。事件発生時は「子どもを守る」をモットーに保育事業をしていたが、「少しでも役に立ちたい」と職員とともにチラシを作り配り始めた。
愛知や奈良にも足を運ぶなど、これまでに配ったチラシは10万枚に上る。「周りに配りたい」と言って数十枚のチラシを持ち帰る高校生や、大阪での活動に愛知から参加してくれた親子もいた。三本松さんは「みんなが友梨さんの無事を願っている」と話す。
事件発生から20年がたち、チラシ配りの中心メンバーの高齢化が進む。活動中止も検討したが、友梨さんの両親が懸命に情報提供を呼びかける姿を見て「やめるわけにはいかない」と踏みとどまった。「事件の風化だけは避けたい」。三本松さんたちはチラシ配りがいつか実を結ぶと信じ、街頭に立ち続ける。〔共同〕
これまでに捜査員延べ約10万6千人を投入し、今年3月末時点で約5300件の情報が寄せられた。
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