「ホントにやったら殺しちまう」
内容はあんまり覚えてないけど、猪木さんが素人のアイドルとやるのに、一方的にやっつけてもしょうがないだろ。ホントにやったら殺しちまう。でも、猪木さんがわざと寝転ぶわけにもいかないし、それじゃあ面白くない。アイドルにケガさせちゃいけないし、でも、ケガしないように優しくやったって意味がない。だからレフェリーだけどプロレスラーである俺が手助けして、1対2の状況になるっていうのがいい落とし所なんだよ。
でも、俺と同じことを今のヤツじゃできねえだろうな。猪木さんが「藤原だったら、打ち合わせなんかしなくてもうまくやってくれる」と信頼してくれてなきゃ、「好きにやってくれ」なんて言われないしね。俺も猪木さんの考えを感じ取って、ああいうことをやったわけだから。まあ、あれは楽しかったよな。
その後07年に、猪木はプロレス復興を掲げて新団体IGF(イノキ・ゲノム・フェデレーション)を立ち上げた。その頃にプライベートでも交流が深かった藤原は、猪木が愛弟子に見せた意外な姿も明かしている。